突然ですが、質問!
「あなたはチャートを見るのが好きですか?」
好き? 嫌い?
実は以前にこんなご意見をいただきました。
好きじゃないと続けられないなんて、教える側の怠慢です。どうしたら好きになるかということにも責任を持つべきです。
知るかっ(笑)! これが子供に習い事を教える場合ならわかるけど、
いい大人がこれから習得しようとしている技術に対して、どうしたら好きになれるかまでフォローしてくれなんて、ムシがよすぎますね。
FXをはじめる理由にしても、周りの人がFXをやれと強制したわけではなく、自分自身の意志でFXをやろうと考えたはずです。
どうやったら好きになれるかは、その人自身が考えることです。
ちょっと前に、ウチのカミさんに「私もFXを始めてみようかな。仕事を続けるのがシンドイから家でやれる仕事にちょうどいいよね。」といわれました。その後話はいつの間にか職場の愚痴に変わってましたけど(笑)。
習いたいなら教えるつもりだけどね。
こういう「○○が嫌だからFXをはじめたい」という人、結構いるんじゃないかな?
でも、これって「今の会社が嫌だから私起業するね」ってぐらい無謀なことだったりします。
はじめは興味本位でも、自分の中に「強いモチベーション」を見つけないと、FXなんて習得できないです。なにせ95%の人間が5年以内に撤退させられる厳しい勝負の世界-鉄火場-ですから。
もう一度、最初の質問をしますよ。
[続きを読む]「あなたはFXが好きですか? チャートを見るのが好きですか?」
吉田の師匠はいうまでもなく、「為替和尚」その人。
顔を知らない人は、公式サイトのプロフィールを見てね!
ちょっと、こっちにも張り付けておきますね。
この人です。
……。
とてもトレーダーには見えないかもしれないけど、「トレーダー」ですよ。
師匠の一番弟子は吉田ですけど、最後の弟子は「かみやん」です。
弟子と呼べるのは数少ないけど、この人にトレードを教わった人(門下生)は数百人いるとか。
一見、怖いその筋の方に見えますけど、昔は「投資顧問助言業」の資格を持ってたんですよ。ちなみに「投資顧問」の資格は、犯罪歴があったり、反社会的勢力はとれないので、あしからず(笑)。
師匠は、いままでたくさんの人にトレードを教えてきたんですけど、
吉田がみたところ、最高の教師ではないようです。
その理由を教えましょう。
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前回までのあらすじ(プロに近いトレードルールを求めて)
インジケータをいくら弄り回しても、答えから遠ざかることに気づいた我々は、原点に戻り、為替和尚の考え方に最も近いトレードルールを
練り直した。
エントリーポイントを確認するためのインジケータを、師匠の為替和尚に確認してもらった吉田は、これを元に自動トレードシステムの開発に着手する。MT4の開発環境の効率の悪さ、最終的に自動トレードを運用するシステムの関係上、MT4のEA(自動売買プログラム)ではなく、Visual Studio2005(プロ向け開発ツール)上での開発を決断した。
自動売買のロジックのパフォーマンスを確認するには、検証ソフトを使ってチェックする必要がある。この作業を「バックテスト」といい、過去のデータを使って、利益が出るかどうかを確認する大事な作業である。
自動売買の場合、過去データで結果が出るかを確認するための「バックテスト」と、そのルールで将来も成績が出ることを確認するための「フォワードテスト」がある。
当たり前だが、過去データを使った「バックテスト」で成績の出ないトレードルールは、勝てないルールと判断していい。MT4を使う場合、このバックテストをするためのツールが「ストラテージテスター」である。
今回、吉田はMT4を使わずに開発したので、ストラテージテスターに相当する検証用のプログラムを自作した。この結果が出たのが2010年5月末のことである。
そこで出た数字はただただ、目を疑うばかりであった。
「1時間の節をめぐる攻防」で原点回帰した吉田と師匠(為替和尚)。これまでは作りやすさを優先して、トレードルールもいつの間にか自動で作りやすいルールになっていた。でも、これではダメだ。
「作りやすさを優先して機械に寄ってはならない」
この教訓は、はじめのトレードルールを作り、何ヵ月も結果のでない試行錯誤をして得たものだった。
そもそも「プロトレーダーの考え方を機械に落としこむ」ことを前提として
スタートした自動トレード開発である。
それがいつの間にか自動トレードシステムに適したルール作りにすりかわり、結果はさんさんたるものだった。
師匠は、原点に戻り自分の考え方に近いトレードルールを考案してきた。
これが意味転機となった「トレーディングエッジ」という名前の
トレードルールだった。
吉田は、師匠の考案したトレードルールで、エントリー確認用インジケータ
を作ることを師匠に約束した。
師匠が名古屋で説明したトレードルールは、1時間の節の考え方を中心にしたものだ。1番が点灯するとエントリー準備。2番でエントリーという2段階方式だった。
ひとまず、EA(自動トレードプログラム)を組む前に、エントリーポイントの確認用インジケータを作るのが吉田のシステム開発の流れである。
おそらく、世の中でEAを開発しているプログラマを同様の手段を
取っていると思う。
自動トレードシステムは完成すれば無人運転が前提となるが、まずは動作が
想定通りになっているかをチャート上で確認する必要がある。
自動トレードは、あくまでも確認済みのルーチンワークを機械に代わりに
やってもらうだけで、トレード自体は人間相手の勝負である。
MT4用のインジケータやEAは、MQL4というC言語に似た独自の言語で
開発する。MT4はこの自由に拡張できるスタイルが受け、世界中のトレーダーに愛用されている。実際にインジケータだけを検索しても、
軽く2000以上はある。
もうそろそろGWという4月の終わりに、吉田は師匠に「エントリーポイントを確認するためのインジケータ」ができたことを報告した。
※クリックで拡大できます。
吉田「なんとかインジケータができたので、チャートにいれて見てもらえますか?」
師匠「1番で準備、2番でエントリーやな。ほうほう。」
師匠はチャートをさっと過去にさかのぼってポイントポイント
をチェックした。
師匠「吉田っち。これええわ。完璧やで。ボラのないところは確かに厳しいが、ブレイクアウトもドテンもほぼ完璧にとらえてるやん」
吉田「ドテン専用だと思っていたので、ブレイクアウトが狙えたのが意外でしたよ」
師匠「なんでブレイクアウトもいけた?」
吉田「これは意外だったんですけど、ブレイクアウト前に逆方向の1番準備シグナルが点灯してますね? ブレイクアウト前に、高値もしくは安値を更新してるってことですね」
師匠「なるほどな。とりあえず、これでEA作ってな。頼むで吉田っち!!」
エントリーシグナルが予想以上にいい出来だったため、師匠は
上機嫌で電話を終えた。
チャート上での確認が終わったので、あとはトレードルールを
自動トレードシステムにするだけだ。ここからの問題は開発効率。
これだけ広く受け入れられ、数多くのカスタムインジケータの公開がされているMT4だが、やはり専門の開発環境と比べるとあまりに貧弱。
特にプログラムの誤りや動作確認のための「デバッガー」というツールが
ないのが致命的だった。
もともと吉田はプログラム開発を専門としており、プロが使う開発環境を
愛用していた。マイクロソフト社のVisual Studio2005である。
これを使えばぐっと開発もしやすくなる。
エントリーポイントの確認は、すでにチャートをみて確認済みだったので、
その他の部分をVisual Studioで開発することにした。
2010年当時、吉田も師匠もMT4対応のブローカーをあまり信用していなかった。2013年と比較すると原則海外業者ばかりで、スプレッドも高かった。
なにより、出金にまつわるトラブルなども耳にしていたので、自動を回すなら、国内のノーディール(ECN)の業者に注文を流すことを考えていた。
「豆知識」
ECN取引:電子商取引によるトレードで、基本的に人の手を介さず、すべて機械で処理される方式。ノーディール方式の方法のひとつ。
だから、MT4のEA(自動売買プログラム)を作ったところで結局作り直す
はめになる。それでも、いきなりリアル口座に注文を流すわけにはいかない
ので、まずはバックテストが絶対に必要になる。
そこで、まずMT4のStrategy Testerに相当する検証用のソフトウェアを
作ることにした。データはMT4のものを流用する形になる。
これに売買ロジックをいれて、勝率やプロフィットファクターを計算させる
つもりである。
MT4の開発効率をあげる構想は以前からあり、すでに移動平均やMACDなど
主要なテクニカル指標はVisual Studioのプログラムとして作っていた。
検証用ソフトウェアは1ヶ月ぐらいの開発期間を要した。
そして、2010年5月末、吉田と師匠は驚愕の事実を目撃することになる。
新年あけましておめでとうございます。
新年になると、今年の抱負って書いたり宣言したりしますね?
しない? 駅伝見ながら酒飲んでる?
あかんでしょ。やはり、新しい年になったら、その年の目標を決めないと!
吉田は年明けに決めるわけじゃないけど、年末に1年を総括してから
次の年の目標を決めます。今年のテーマは「育成」です!
(なにを育てるかは皆さんの想像にお任せします……笑)
今日は目標設定にちなんだエピソードをば。
吉田と師匠(為替和尚)が、はじめから良好な関係ではなく、お互いに
手探りの状態から始まったことは、「自動トレードシステム開発の原点」
で語った通り。
でも、今は師匠は吉田に対して全幅の信頼をおいてくれる。
こうなるまでにはいくつものハードルがあったけど、最初のきっかけに
なったのが今回の「錦糸町の誓い」っていうエピソードなんです。
2009年9月某日のこと。
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