もしかして、これってトレードルールの作り方(7)

連載もついに7回目。
いよいよエントリールールの作り方を取り上げます。
前回「もしかして、これってトレードルールの作り方(6)」で、
チャートの右端ではタイミングを図っているだけだと説明しました。
方向感やシナリオは、エントリーポイントの手前で決まります。
では、改めて「エントリールールなんて作る必要があるのか?」
もしかしたら必要ないけど、ルールを決めておかないと、
いつまでたってもエントリーに躊躇する人が出るでしょう。
ベテランはタイミングの取り方は身についているので、
厳密に決めなくても躊躇なくエントリーできます。
しかし、初心者や負けが込んでいる人は、エントリーを躊躇する傾向があります。だから、きちんと最終エントリー根拠までを作りこんでおいたほうが、ルール通りにトレードできるようになります。
ルールを明確に定義しているということは、検証もできることになります。
さて、冒頭で出たチャート。クリックする前に売り買いどちらのポジションを持つか考えてみてください。
そもそもエントリールールとは?
エントリールールというと、ほとんどの人はエントリーポイント付近での条件をあげます。例えばこんな感じ。
シンプルエントリールール
ボリンジャーバンドの-2σか-3σにタッチしていること ストキャスティクスの%Kと%Dがクロスして上向きになっていること EMAのゴールデンクロスが発生していること
インジケータやオシレータの条件を上げることが多いと思います。
6年前に自動トレードシステムの開発を進めた当初、師匠の口からエントリールールとして語られたものは、上記のような表現が多かったですね。
「エントリールール」というなら、これで十分でしょう。
エントリールールは、チャートの右端でポジションをもつタイミングを決めるためのものです。
何も師匠だけじゃなく、吉田もそうだけど、ほとんどの人もこれがエントリールールだと思うでしょう。
でも、これはエントリーする瞬間に揃っている条件であり、
「エントリーポイントを点として捉えた」ものです。
ちょっと別の視点で見てみましょう。
エントリールールさえあれば、勝てますか?
無理っ!
理由は、チャートの左側の分析がすっぽり抜けてるためです!
相場の状態とエントリーはセット
前回記事にしたように、方向感やS/Lの位置などは、エントリーする前に決まります。シグナルが出たから、その方向にエントリーするということではないのです。
- レンジブレイクを狙うのであれば……左側にレンジ相場がいる
- 押し目を狙うのであれば……左側ではトレンド相場が発生している
- ドテンを狙うのであれば……左側ではトレンド相場が発生している
- レンジトレードするのであれば……一定幅のレンジ相場が必要
チャートが右肩上がりになっている時、ダウントレンドだと判断する人はいないでしょう。もちろん、逆張りをする人はいますが。
さて、冒頭のチャートを見てみます。
(※クリックで拡大します。)
さて、上のチャートを見て、あなたは売り買いどちらを選択しましたか?
(※クリックで拡大します。)
正解は「買い」でした!
実際の相場ではこんなクイズのような問題が次々と現れます。
トレーダーはチャートの右端で判断しなければなりませんが、
この時ヒントになるのは、チャートの左側の情報です。
先ほどの例題の場合、チャートが右肩上がり=アップトレンドになってきていることがわかります。なので、単純に上に飛ぶと判断しただけです。
さぁ、最初の画像に注目です。
先ほど例に上げたシンプルエントリールールを満たしてませんか? 水色の矢印はEMAのクロスオーバーが発生していることを示してます。この場合は、ゴールデンクロスですね。
スクロールさせるのが面倒だと思うので、再度書きますよ。
シンプルエントリールール
ボリンジャーバンドの-2σか-3σにタッチしていること ストキャスティクスの%Kと%Dがクロスして上向きになっていること EMAのゴールデンクロスが発生していること
どうですか? チャートの右端でこのルールがワークしてませんか?
(ボリバン2σタッチが甘いけど…笑)
ををををっ! すげぇー!
と思った人はダメね!
エントリールールなんて、タイミングを取るだけなんだから、別になんでもいいんですよ。あなたが打ち込むキッカケを作れるものであれば!
適切なインジケータやオシレータを組み合わせて、あなたが狙っているところにあうものを探してください。
でも、やたらとパラメータをいじりまくるのはダメですよ。パラメータの調整は一度だけ。自分の狙っている波に合わせましょう。
この時、闇雲に試してもダメ。使うインジケータの特性をきちんと理解しないと、キリがないですよ。
参考までにシンプルエントリールールで使っているインジケータの根拠をあげます。「押し目」を狙うのであれば、大きなトレンドに対して、逆方向に触れてから順方向に変わった瞬間を狙い打ちたいはずです。
この時、ボリンジャーバンドの2σや3σにタッチしているということは、逆方向に触れたと判断できます。また、オシレータであるストキャスティクスの%Kと%Dのクロスが発生したポイントは、短期の流れが変わったことを示します。
加えて、トレンドフォロー系のEMAクロスオーバーを確認すれば、
「逆サイドに触れてから順方向に飛ぶ」現象をとらえられます。
なら、シグナルだけみてればいいんじゃない?
ものぐさな人はこう考えるかもしれないですが、先ほどのチャートで、
赤の矢印(売り)のポイントで売りポジションは負けですよ。
必ず、エントリールールは、チャートの左側の分析=相場の状態とセットで使わないといけません。
まとめ
多くの人がトレードルール=エントリールールだと勘違いしています。
確かにエントリールールは、ポジションを持つタイミングを定義しているので、これがトレードルールだと勘違いしている人はたくさんいます。
でも、違いますよ。
今回の記事を読んでもらえば何が違うかは理解してもらえると思いますが、
大事なのはエントリーするまでの左側のチャートの分析です。
あとは、一度固定したトレードルールをなんども検証しましょう。
思わず、7回の長期連載になったトレードルールの作り方講座ですが、
今回で終わりです。
次回は連載のまとめをして、完結としたいと思います。
やっぱり吉田さんは親切です〜
文章構成から滲み出て…いや、溢れんばかりにでています(笑)
世の中、ありがたい方が居るものです(^^)
チャートの右端の『さあどっち』ですが、私の場合は『待ち』でした。
あそこで入る術をもっておりません(苦笑)
でも今日から出来る様になりそうです(笑)
実は、いままでサブチャートでのタイミング取りについて良く分からなかったのですが、スッキリしました〜☺︎
ありがとうございます(^o^)/