もしかして、これってトレードルールの作り方(6)
いよいよ6回目に突入。連載も終盤戦です。
さて、前回「もしかして、これってトレードルールの作り方(5)」で、
上のチャートの赤で囲んだ部分をレンジと判断した理由を考えてみて
ほしいと宿題を出しました。
答えは人それぞれかもしれないけど、そのひとつとして。
- 1時間のレンジ幅が5-6pips程度の区間が2時間以上続いている
- ボリンジャーバンドのミドルラインが横向き=トレンドなし
レンジブレイクを狙いたいのであれば、まずレンジになっている箇所の判断がつかなければなりません。よく、「卵が先か鶏が先か」という命題がありますが、レンジブレイクにはレンジ相場が必要なのは明確ですね。
レンジもあとから見ないと、そこがレンジだと判断できませんが、
ポジションを持ってないなら、レンジと判断がつくまで判断を保留に
すればよいだけです。
前回の記事で、
エントリーまでにいかに相場の
状態を判断できているか?
これが鍵になると説明しました。
レンジブレイクの仕掛けどころが、レンジの上限か下限いずれかのブレイクであるなら、まずはその上限と下限を判断できなければなりません。
あなたは、明確な根拠がありますか?
大切なのは相場の状態
エントリーはチャートの右端で判断しなければなりません。
その時必要なのが
(1)エントリーするプライス
(2)エントリー方向
もし、成行注文でエントリーするのであれば、プライスは現在のBidとAskを使用するため、あなたが決断するのは「上に行くか」「下に行くか」の2択です。言い換えると「買い(Buy)」と書かれたボタンを押すか、
「売り(Sell)」と書かれたボタンを押すかの違いです。
この時、一切の感情をなくし、チャートの右端だけで判断するならサイコロを振ってエントリーするのと同じはずです。
上がるか下がるか1/2の勝負ですから。
それにもかかわらず、明確に「買い=上だ!」「売り=下だ!」と判断しているのは、チャートの左側の情報を元に判断しているからです。
つまり、究極的にはこうです。
チャートの右端では
タイミングを図っているだけです。
方向感はどこで決まるのか?
それはチャートの左側です。FX寺子屋的には「相場の状態」といいます。
では、相場の状態とはなにか?
(1)現在の戦局
いまが4つの戦局パターンにおいて、どの「戦局」にいるのか。
これが大前提。レンジブレイクを狙うのであれば、「レンジ」の戦局にいなければなりません。すでにブレイクしてトレンドが発生している状態ではブレイクは狙えません。
「押し目」を狙うのであれば、トレンドが発生している必要があります。
自分の狙っている戦局の成立に必要な戦局になっているかを確認します。
(2)トレンドの方向
レンジブレイクを狙う場合は、ブレイクするまで方向感はつかめませんが、
押し目を狙うのであれば、発生しているトレンドの方向はつかめているはずです。もちろん、どうやって「トレンドを判断するか?」という問題はありますが。チャートの下から上に向かっているなら、アップトレンド。逆ならダウントレンドという単純な定義でもいいでしょう。
(3)ボラティリティ
トレードで利益を出すには、ボラティリティが不可欠です。
ボラティリティについては以前に「改めてボラってなんだ?」でも触れましたね。ボラティリティが重要であることは、トレーダーなら理解しているでしょうが、「何を持ってボラがある、逆にボラがないか?」という話になると答えに詰まる人がたくさんいます。
ボリンジャーバンドやATRといったテクニカルを持ち出してくる人もいますが、単純に説明するなら
あなたのトレードに必要な値動き
の幅(比率)=ボラティリティ
どの程度の幅(比率)が必要かは、トレードスタイルによって変わります。
スキャルパーであれば、15pipsあればトレンドと判断しますが、デイトレーダーの場合は、ノイズとして判断するかもしれません。
相場の状態をどう判断するか?
相場の状態が何を意味しているかはわかったと思いますが、
問題はそれをどうやって判断するか?
……。
考えこむほど難しいことじゃないですよ。
チャートの右端では、使えるインジケータはほとんどありませんけど、
左側の判断をするには、インジケータやオシレータで判断できます。
また、トレンドラインや水平線などの補助線を引くことも出来ます。
分析からの未来予測に絶対を求めるから間違うのであって、過去チャートの事実は覆らないということ
これを頭に叩き込む必要があります。
チャートの左側で相場の状態を判断して、チャートの右端のエントリーに活かす。この図式は正しいですが、どんなに丁寧に分析したところで絶対はありません。あくまでも「予測」や「予想」に過ぎないためです。
でも、エントリーに失敗しても、チャートの左側が書き換わることはありません。これまで上げ相場であったなら、エントリーポイントでドテンに変わって下げ相場になっても、これまで上げ相場だった事実は覆りません。
あなたがエントリーしたポイントが、たまたま「トレンドの終焉だった」
だけのことです。
さて、あなたが相場の状態をひと目で判断できるようにするにはどうすればいいでしょうか? それが「チャートを作りこむ」という作業です。
トレードに習熟した人は、それこそ線一本で相場の状態を読み取れますが、
不慣れな場合はテクニカル指標(インジケータ)の力を借りてください。
インジケータは終値ベースで動作するため、エントリーには遅すぎます。
また、相場の情報の一部を切り取って計算しているものが多く、
相場のすべてを表しているわけではありません。
だから、エントリーの根拠に使うには向きませんが、
相場の左側=相場の状態を判断するのには十分使えます。
例えば、MAやボリンジャーバンドは多くの人が使うテクニカルですね。レンジ相場では、ボリンジャーバンドのミドルライン(SMA)がほとんど真横に走っているのを確認できると思います。
中長単期のMAを使っている人は、それぞれのMAの間隔が狭くなっていることに気づくでしょう。
どんなテクニカルでも構いません。
あなたが捉えようとしてる相場の
状態が判断できるのであれば!
よく、インジケータのパラメータ、数値ばかりを気にする人がいますが、チャートの形にあっていればなんでもいいのです。インジケータやオシレータを使う場合、パラメータよりも利用目的と、それぞれのテクニカル指標の特性のほうが大事です。
ただし、注意が必要なのは、やたらめったら補助線を足したり、テクニカルを足してもダメですよ。チャートが線だらけになってわけがわからなくなります。
過去チャートで検証することを忘れずに
相場の状態を判断する条件を決めたら、それを過去チャートで検証する必要があります。検証作業は面倒ですが、
検証作業が、博打と投資の境界線を
超えられるかを決めます。
検証作業は、ひたすら機械的な作業なのでシンドイ。でも特殊な技能は必要いらない。必要なのは「忍耐力」ぐらいです。
まず、検証条件を紙に書き出しておきます。
あとは、紙に書きだした条件を過去チャートにあてはめて、自分が判定したい相場の状態の条件と一致しているかをひとつずつ確認していきます。
最低でも30箇所は抜き出して検証してみてください。
この時、検証条件を目の前のチャートに合わせて改定しないように気をつけてください(カーブフィッティングになります)。あとは、実際に発生した相場の状態の数と、検出できた数を照らしあわせて、最初の定義があっているかを確認するだけです。
プログラミングの技術があるなら、相場の状態の定義をインジケータなどに落とし込み、実際のチャートに表示させて目視で確認することもできます。
時間も合わせて記録しておけば、どの時間帯に発生しているかも確認できるでしょう。
いつも勉強させてもらってます。(笑)
この単純な発想に行き着くまで、どれほど時間を費やしたのかwww
『予想』『予測』は大事ですが(精度)・・・勝率?
『予想』『予測』が外れた時の処理能力&潔さが大事なんですけどね・・・
まぁ、一般の人は、予想や予測が当たる&外れる事が一番嬉しいことだと
思いますので、当て屋にばっかり目が行くんでしょうけどね・・・
まぁ、私も昔そうでしたから、仕方がないことなのかもしれませんね!