もしかして、これってトレードルールの作り方(5)

2014/06/01 カテゴリ:トレードルール
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

トレードを難しく語ろうとすれば、○○理論だとか、金融工学だとかイカメシイ名前をつけて、聞いただけで舌を噛みそうな専門用語がずらりと並ぶ話をすれば、理解できなくても、すごそうな話に聞こえます。

もしかして、これってトレードルールの作り方(5)

でも、それって「へのつっぱりはいらんですよ!」と
どう違うのでしょう(笑)。
「おお! 言葉の意味はわからんがなんだかすごそうだ」

と解釈しているだけかもしれません。


実際のところ、Google先生に「トレード理論」と打ち込んでみると、あれやこれやと「へのつっぱり」についての意見を目にすることが出来ます。理論や理屈と言ってみたところで、よくよく見てみると「エントリー」よりになっているケースが多々見られます。


FX寺子屋流に「へのつっぱり」について説明します。
すごーーーーーーく単純にトレードを説明するなら、

(1) エントリーする
(2) 利食いの戦略を実行する
(3) 損切りの戦略を実行する

これだけなんです。

利食いと損切りをあえて「戦略」としたのは、
ここにトレード理論の本質があるためです


はい、ここで戦術と戦略の違いを説明しますね。

戦術とは?

「戦術」とは具体的な戦い方や手法をいいます。例えば、包囲殲滅戦術という戦術があります。これは敵を複数で囲い込んで袋叩きにする戦術です。TVの中のスーパーヒーローは○○戦隊を名乗る連中以外やらない戦術ですが、現実世界では有効なので、たびたび使用されます。

 

戦略とは?

「戦略」とは、戦術をいかに効果的に使用できるようにするか、環境や状況を整えること。そして最終的な目的達成までの道筋を立てることを指します。

包囲殲滅戦術を使うためには、1の敵に対し、複数の味方で囲まなければなりません。敵も不利になるのを承知でわざわざ囲まれに来るマゾヒストではないので、司令官や軍師(参謀)は、いかに敵を包囲できる状況を作り出すかを考えます。例えば、敵の捕虜を餌にしておびき出す、地形を利用して伏兵を隠して一気に襲い掛かる。ちなみにこれは厳密には作戦ですが、この辺を説明すると脱線したまま終わるので、もっと知りたい場合はGoogle先生に教わってください(笑)。


利食いと損切りは戦略と呼んでいるのに、(1)のエントリーは単に
「エントリーする」としか書かれてません。

なぜか?

※ブログランキング参戦中。よかったら応援してください 

 

エントリーはスタートライン

高勝率のエントリーポイントを探している人に、特別にFXに隠された
重大な秘密を教えます。それは…

エントリーは単なる
スタートラインにすぎない

言っちゃった(笑)。そうです、単なるスタートラインなんです。
あ、今アホちゃうかと思ったでしょ。そんなの常識だろと思ったでしょ。
でも、本当に理解してますか?


前回の記事(4回目)で説明したようにエントリーには2つの条件があります。

(1) エントリーするプライス
(2) エントリーする方向

みんな難しく考えてますが、実はこれだけの話なんです。

「そうは言っても、エントリー直後にすぐ逆行すんだよ。
絶対オレのポジションを監視カメラで見てる奴がいるぜ!」

なるほど。そういう意見もありますね。でも…

そんな暇人はいません!

エントリー直後にすぐ逆行というけど、実際に0.1pipsでも自分の狙った方向にいってませんか? すぐ逆行とか言ってる人は、単に自分の目標としているターゲットまで届かなかっただけです


エントリーは単なるスタートライン。なんでそこに「利食い目標」がはいるの? 入る方向とタイミングを決めてるだけでしょ? これを究極単純化したのが「バイナリーオプション」です。上がるか下がるか実に単純。
上か下か決めたら、後はお祈りするだけの簡単なお仕事です。


でも、トレードとはそんな単純なものではなく、高度な戦略に基づいた投資活動です。これも語りだすと長くなるので、省略。


エントリー時にできることは、上記の2つだけ。

まず、これをしっかりと腑
に落としてください

上がるか下がるか2択であれば、サイコロ振ってるのとあまり変わらないはずですね? スプレッド0.0pipsとして、0.1pipsでも自分の思った方向に飛んだら勝ちとしたら、無限回試行すると上がるか下がるかは50%に収束するはずです。これは「大数の法則」ですね。


では、たったそれだけのことで、どうして師匠(為替和尚)のように
高勝率のトレードが出来る人間が存在するのでしょうか?

  • ふかし? 思いたければそう思えば?
  • 特別な情報? それの情報源と信憑性は?
  • 才能? 誰が判断すんの?
  • 経験? 10年やっても勝てない奴はいる。
  • 資金? 勝てなきゃいつか枯渇する。
  • 時期が良かった? そういう人もいるけど、スキャルパーには無縁
  • 禿げてないと無理(笑)? 因果関係は証明されてません。

残念ながらどれもハズレ。
ではどんな違いがあるの?

エントリーの成否はエントリーする前に決まる

いいですか? エントリーするには

(1) エントリーするプライス
(2) エントリーする方向

この2つが決まればだれでもエントリーできます。
逆に言えば、この2つを決めないと、どの業者も注文を受けてくれません。

余談ですが、昔場外馬券売り場で5000円を窓口に出して、「これでおばちゃんの好きな馬を買って頂戴」というおっさんがいました。もちろん、断られましたけどこれと同じ。エントリー時の2つの条件は自分自身で決めなければなりません。

 

相場は単純なモデルにすると4つの戦局になります。

4つの戦局パターン

エントリーする前に、目の前のチャートにはいずれかの戦局が現れているはずです。レンジブレイクを狙うのであれば、当然レンジ相場が目の前にあるはずです。

勝率を大きく左右するのは、
エントリーまでにいかに相場
の状態を判断できているか?

トレード手法と言ってもほとんどの場合、エントリー手法を指していることが多く、それは多少の違いはあっても「エントリープライス」と「エントリー方向」、「タイミング」を決めているにすぎません。


エントリー方向も大数の法則では1/2のはずなのに違いが出るのは、
エントリーするまでの「相場の状況を読み取る力」によって変わるのです

EURUSD レンジブレイク

(※ クリックで拡大します)


さて、連載5回目にしてはじめてチャートが出てきました。
これはレンジからブレイクしたチャートの切り抜きです。
黄色の線がレンジとして判断したプライス=レンジ幅になります。
レンジ幅はだいたい6pipsです。誰が見てもレンジですね。


では、ここで問題。
どうしてこの黄色の線で囲まれたゾーンを「レンジ」として
判断したのでしょうか? ちょっと考えてみてください。

(脱線してページがないのは秘密ですよ)

今回のまとめ

レンジブレイクを狙うなら、レンジブレイクしたポイントばかりを見るのではなく、その前の状況=レンジに目を向けなければならない。
なぜなら、あなたの目的はレンジブレイクを狙ってトレードすることであり、ブレイクした後のチャートを眺めることではないから。


さて、脱線はイカンと言いつつ、最後に皆さんにご紹介したいものがあります。これで今回は終わりにしますね。

C - The Money of Soul and Possibility Control

C The Money of Soul and Possibility Contorl (C)タツノコプロ

The Money of Soul and Possibility Control。「C」というアニメです。
ネタバレを避けて概要を説明しますね。


Cの世界には、現実世界と平行して「金融街」と呼ばれる異世界が存在します。金融街と実際の世界は重なるように存在し、金融街の影響は現実世界にも波及します(逆はないみたい)。


この世界に来れるのは「アントレ」と呼ばれる「マサカキ(写真のキャラ)」に選ばれた人。アントレは金融街に招かれるとミダスカードと呼ばれる黒いキャッシュカードと、金融街で自分の手足となって戦うアセットを手に入れます。アセットは自分の未来が具現化したものと言われ、女の子であったり、蛇の形をしたポケモンみたいな生物であったり、ジャイアントゴーグみたいなロボだったりします。

ミダスカード
で、ポイントはミダスカード。どうみてもパチモノカードなのに、銀行のATMからお金を引き出せます。しかも、物語当初の主人公の口座残高は1万を切っていたにも関わらず、カードを手にしたその時に、50万が振り込まれてます。新手の振り込み詐欺か?


アントレはミダスカードを自由に使える代償として、週に1回ディールと呼ばれる決闘をしなければなりません。ディールの相手は他のアントレ。
この時、実際に戦うのは自分のアセット。アセットにはフレーションと呼ばれる技が備わってます。フレーションの発動にはコストが必要で、最低は10万から。このコストは自分の口座(ミダスカード)から支払います。

  • ミクロフレーション:最低コスト10万。小技。
  • メゾフレーション:最低コスト100万。中技。
  • マクロフレーション:最低コスト1000万。大技。

ミダスマネー
相手からダメージを受けると、血ではなくお金(ミダスマネーと言われる黒いお札)が飛び散り、逆にダメージを与えると、相手に与えたダメージの量に従い自分にお金が入ります。


制限時間は666秒で、この時間内で総資産の増加率の多いものが勝者となります。主人公が最初のディールに勝利して、獲得したお金は3300万円。
ミダスマネーの増加はそのまま現実世界の銀行口座に反映されます。


さて、長い紹介だったけど、このCの世界の設定はトレードの世界そのものです。最終的な目的は「お金を得ること」だけど、お金を増やすにはお金を使ってフレーションを発動させる必要があります。
大きなダメージを狙って少ない資産でよりコストの掛かるフレーションを放てば、いきなりジリ貧になることもあります。


お金を減らすのは嫌だ。損をするのは嫌だ。
でも、利益は欲しいというのは虫のいい話。

このCの世界観でトレードの世界を見ると、投資の本質的な部分が見えてきます。ちょっと長い蛇足だったね(笑)。

エントリーポイントは点かもしれないけど、そこに至る過程は面ダヨ。

ブログランキング

この記事に対するコメント

7 件のコメント

  • お宮
    2014/06/01 14:31

    吉田章太郎様

    こんにちは!

    >どうしてこの黄色の線で囲まれたゾーンを「レンジ」として
    判断したのでしょうか?

    ある一定の値幅(ボラの無い)をいったりきたりしているから!
    だと思います!

    >レンジブレイクを狙うなら、レンジブレイクしたポイントばかりを見るのではなく、その前の状況=レンジに目を向けなければならない。

    確かにブレイクしたポイントばかりに目が行きがちですね!
    左からの情報をもとにしなければいけませんね!

    すごく単純なようで実は物凄く大事な記事ありがとうございます!!
    感謝!ポチッ!

    お宮

  • ゲルググ
    2014/06/01 21:22

    こんばんは
    以前、僕が相場を教えていた人がエントリーしたら逆行するって
    よく言っていたので(このブログのとおり、よくあるパターン)
    デモで口座資金をわざと無くしてしまえって教えました。
    わざと負け続けろ!って 負けるためにやれってさせてみました。
    するとエントリーしたら巡航して負けれないんですよ。。。って悩んでいたwww
    負けるためにも出来ない(資金は大幅に増えることも無く減ることも無く変動はあまりない)ということは勝つためにも出来ない。
    戦術が未熟で戦略も足りないのではないでしょうか
    目の前のローソクにただ振り回されるだけ 
    ローソク消してしまっても良いのにってそういうことルールを守る訓練で自分でしていたこと思い出しましたw

    面白い事を言っていたんですよ、お金に対する欲や執着は無いって無くなった?って言ってたんですが 損は苦痛って言ってました・・・・・・・・
     
    EAを作るために手法を作れば良いのにってつくづく思うんですが(自分はそれですが)
    トータルで増えるように作らなくては意味が無いですからね
    トータルが日なのか週なのか月間なのかは それぞれの好みでしょうが

    ps レンジの逆張りって実はトレンドなんですよね~ 
       相場の全てはトレンドなんですよね~と言いながらレンジでもあるんです   よね~ 固定されない限り。

  • 2014/06/02 09:53

    To お宮さん

    次回の記事でその辺りを明らかにするので、コメント欄での
    言及は避けますね。

    To ゲルググさん

    相手の固定観念を破壊するトレーニングですね。
    常々思うのは、エントリー時に両建てにするEAで実験した時、
    リスクリワードが1:1に設定してあれば勝率は50%になります。
    ただし、スプレッド手数料が引かれるので実際には、46%ぐらいに
    なります。

    自分がやっていることは、何もしなくても50%近くある勝率を
    高めているのか、減らしているのか。

    ゲルググさんが人に教える時に、「わざと負けるように打て」と
    指示したのもこれに通じると思います。結果、負けなくなってる
    わけですから。

    >トータルで増えるように作らなくては意味が無いですからね

    それ。トレードをする目的は、資産を増やすことなので、プラマイ0
    やマイナスなら、別のことに当てたほうがいいです。

    >レンジの逆張りって実はトレンドなんですよね~

    そうですね(笑)。
    節はいつか抜かれるものなので、この視点に気付いてる人は
    実は少ないのかも。

  • まつもと
    2014/06/02 23:31

    屁のつっぱり理論w

    仰る通りだと思います(^^)
    また、FXだけではなく、世の中には屁のつっぱり理論が多いですね(笑)

    和尚様が『FXを突き詰めて行けばシンプルになっていく』と以前お書きになっていた記事と、今シリーズのブログがつながって、よりクリアに相場が感じられるようになってきた気がしますm(_ _)m

    そういえば!吉田さんのブログランキングが88位でした!
    末広がりで縁起が良く、私の大好きな数字ですw

    吉田さんの脱線話、大好きなので私も少し脱線してみました(笑)

  • 2014/06/03 07:25

    To まつもとさん

    シンプルだと、信ぴょう性がないと考える人がそれだけ多いと
    いうことでしょうね。
    でも、勝てるロジックというのは、総じてシンプルです。

    物理法則なんかも、突き詰めるとシンプルな式で表されること
    が多いですよね。

  • ふもるす
    2014/06/03 19:01

    初めてコメントします。

    こちらのブログはずっと読ませていただいていまして、いつも色々と勉強になります。ありがとうございます。

    「為替和尚@FX寺子屋」で配布されているインジケーターも去年の4月頃から非常にありがたく使わせていただいています。
    今回のテーマとは直接関係ないのですが、いただいたインジケーターを参考に、より私の考えた売買ルールに適したものを今年の2月頃からEAラボという所に依頼して色々と作成してもらっているのですが、ここは他の業者に比べると作成費用は安いのですが、それでもちょっとした変更ですぐ1~2万円を請求されるので、かなりの出費です。

    そこで、私は自力でインジケーターを作れるようになりたいと思い、色々と書籍を購入しました。
    ・FXメタトレーダー実践プログラミング
    ・FXメタトレーダー入門―最先端システムトレードソフト使いこなし術
    ・iCustom(アイカスタム)で変幻自在のメタトレーダー

    これらを一通り読んでみましたが、これらに記載されている内容では、私が求めるようなインジケーターを作成する事は無理だと思いました。
    やはりプログラミングの基本的な事を知らないので、C言語を基本からやった方がいいのかなと思うようになったのですが、MT4のインジケーターを作成するためには、C言語の知識が有効でしょうか。

    とりあえず、最初の目標としては「為替和尚@FX寺子屋」で配布されている「中指」「サポート&レジスタンス」「マーケットオーバーラップ」「ボラティリティゲージ」の4つを自力で作成できるようになりたいです。

    あと、EAラボに依頼して作成してもらったのが、直前の足の高値安値を0.3pips突破したら任意のマークをチャート右端の空きスペースに表示するインジや、フラクタル価格(小数点以下の数字のみ)をチャート上に表示するインジなどですが、このようなインジケーターも自力で作れるようになりたいです。

    どのような勉強をすれば上記のようなインジケーターを作成できるようになりますか。
    何かオススメの書籍などがありましたら教えてください。

    よろしくお願いします。

  • 2014/06/03 20:35

    To ふもるすさん

    まず、ひとつ理解していただきたいのは、ソフトウェアは
    安いものだと思ってる人が多いようですが、これは大変高価
    なものだと理解してください。特にオーダーした場合は
    10万、20万は当たり前です。

    MQL4はC言語をベースにしているので、C言語の基礎知識は
    有効です。加えて、独自の拡張をしているので、MQL4とMT4
    に対する知識が不可欠です。また、ヘルプを読み解くために
    は英語が読める方がいいです。
    (MT4の母国語はロシア語ですが、すぐに英語のドキュメントが
    出回ります)。

    入門書を上げるなら林晴彦先生のC言語入門です。
    あとは、他人が作っているMQL4を自力解読して、知識を深めて
    ください。

    ただ、やりたいことが限定されているなら、自分で勉強するより
    オーダーしたほうが安くつくこともあります。