もしかして、これってトレードルールの作り方(5)
トレードを難しく語ろうとすれば、○○理論だとか、金融工学だとかイカメシイ名前をつけて、聞いただけで舌を噛みそうな専門用語がずらりと並ぶ話をすれば、理解できなくても、すごそうな話に聞こえます。
でも、それって「へのつっぱりはいらんですよ!」と
どう違うのでしょう(笑)。
「おお! 言葉の意味はわからんがなんだかすごそうだ」
と解釈しているだけかもしれません。
実際のところ、Google先生に「トレード理論」と打ち込んでみると、あれやこれやと「へのつっぱり」についての意見を目にすることが出来ます。理論や理屈と言ってみたところで、よくよく見てみると「エントリー」よりになっているケースが多々見られます。
FX寺子屋流に「へのつっぱり」について説明します。
すごーーーーーーく単純にトレードを説明するなら、
(1) エントリーする
(2) 利食いの戦略を実行する
(3) 損切りの戦略を実行する
これだけなんです。
利食いと損切りをあえて「戦略」としたのは、
ここにトレード理論の本質があるためです。
はい、ここで戦術と戦略の違いを説明しますね。
戦術とは?
「戦術」とは具体的な戦い方や手法をいいます。例えば、包囲殲滅戦術という戦術があります。これは敵を複数で囲い込んで袋叩きにする戦術です。TVの中のスーパーヒーローは○○戦隊を名乗る連中以外やらない戦術ですが、現実世界では有効なので、たびたび使用されます。
戦略とは?
「戦略」とは、戦術をいかに効果的に使用できるようにするか、環境や状況を整えること。そして最終的な目的達成までの道筋を立てることを指します。
包囲殲滅戦術を使うためには、1の敵に対し、複数の味方で囲まなければなりません。敵も不利になるのを承知でわざわざ囲まれに来るマゾヒストではないので、司令官や軍師(参謀)は、いかに敵を包囲できる状況を作り出すかを考えます。例えば、敵の捕虜を餌にしておびき出す、地形を利用して伏兵を隠して一気に襲い掛かる。ちなみにこれは厳密には作戦ですが、この辺を説明すると脱線したまま終わるので、もっと知りたい場合はGoogle先生に教わってください(笑)。
利食いと損切りは戦略と呼んでいるのに、(1)のエントリーは単に
「エントリーする」としか書かれてません。
なぜか?
エントリーはスタートライン
高勝率のエントリーポイントを探している人に、特別にFXに隠された
重大な秘密を教えます。それは…
エントリーは単なる
スタートラインにすぎない
言っちゃった(笑)。そうです、単なるスタートラインなんです。
あ、今アホちゃうかと思ったでしょ。そんなの常識だろと思ったでしょ。
でも、本当に理解してますか?
前回の記事(4回目)で説明したようにエントリーには2つの条件があります。
(1) エントリーするプライス
(2) エントリーする方向
みんな難しく考えてますが、実はこれだけの話なんです。
「そうは言っても、エントリー直後にすぐ逆行すんだよ。
絶対オレのポジションを監視カメラで見てる奴がいるぜ!」
なるほど。そういう意見もありますね。でも…
そんな暇人はいません!
エントリー直後にすぐ逆行というけど、実際に0.1pipsでも自分の狙った方向にいってませんか? すぐ逆行とか言ってる人は、単に自分の目標としているターゲットまで届かなかっただけです。
エントリーは単なるスタートライン。なんでそこに「利食い目標」がはいるの? 入る方向とタイミングを決めてるだけでしょ? これを究極単純化したのが「バイナリーオプション」です。上がるか下がるか実に単純。
上か下か決めたら、後はお祈りするだけの簡単なお仕事です。
でも、トレードとはそんな単純なものではなく、高度な戦略に基づいた投資活動です。これも語りだすと長くなるので、省略。
エントリー時にできることは、上記の2つだけ。
まず、これをしっかりと腑
に落としてください
では、たったそれだけのことで、どうして師匠(為替和尚)のように
高勝率のトレードが出来る人間が存在するのでしょうか?
- ふかし? 思いたければそう思えば?
- 特別な情報? それの情報源と信憑性は?
- 才能? 誰が判断すんの?
- 経験? 10年やっても勝てない奴はいる。
- 資金? 勝てなきゃいつか枯渇する。
- 時期が良かった? そういう人もいるけど、スキャルパーには無縁
- 禿げてないと無理(笑)? 因果関係は証明されてません。
残念ながらどれもハズレ。
ではどんな違いがあるの?
エントリーの成否はエントリーする前に決まる
いいですか? エントリーするには
(1) エントリーするプライス
(2) エントリーする方向
この2つが決まればだれでもエントリーできます。
逆に言えば、この2つを決めないと、どの業者も注文を受けてくれません。
余談ですが、昔場外馬券売り場で5000円を窓口に出して、「これでおばちゃんの好きな馬を買って頂戴」というおっさんがいました。もちろん、断られましたけどこれと同じ。エントリー時の2つの条件は自分自身で決めなければなりません。
相場は単純なモデルにすると4つの戦局になります。
エントリーする前に、目の前のチャートにはいずれかの戦局が現れているはずです。レンジブレイクを狙うのであれば、当然レンジ相場が目の前にあるはずです。
勝率を大きく左右するのは、
エントリーまでにいかに相場
の状態を判断できているか?
トレード手法と言ってもほとんどの場合、エントリー手法を指していることが多く、それは多少の違いはあっても「エントリープライス」と「エントリー方向」、「タイミング」を決めているにすぎません。
エントリー方向も大数の法則では1/2のはずなのに違いが出るのは、
エントリーするまでの「相場の状況を読み取る力」によって変わるのです。
(※ クリックで拡大します)
さて、連載5回目にしてはじめてチャートが出てきました。
これはレンジからブレイクしたチャートの切り抜きです。
黄色の線がレンジとして判断したプライス=レンジ幅になります。
レンジ幅はだいたい6pipsです。誰が見てもレンジですね。
では、ここで問題。
どうしてこの黄色の線で囲まれたゾーンを「レンジ」として
判断したのでしょうか? ちょっと考えてみてください。
(脱線してページがないのは秘密ですよ)
今回のまとめ
レンジブレイクを狙うなら、レンジブレイクしたポイントばかりを見るのではなく、その前の状況=レンジに目を向けなければならない。
なぜなら、あなたの目的はレンジブレイクを狙ってトレードすることであり、ブレイクした後のチャートを眺めることではないから。
さて、脱線はイカンと言いつつ、最後に皆さんにご紹介したいものがあります。これで今回は終わりにしますね。
C - The Money of Soul and Possibility Control
The Money of Soul and Possibility Control。「C」というアニメです。
ネタバレを避けて概要を説明しますね。
Cの世界には、現実世界と平行して「金融街」と呼ばれる異世界が存在します。金融街と実際の世界は重なるように存在し、金融街の影響は現実世界にも波及します(逆はないみたい)。
この世界に来れるのは「アントレ」と呼ばれる「マサカキ(写真のキャラ)」に選ばれた人。アントレは金融街に招かれるとミダスカードと呼ばれる黒いキャッシュカードと、金融街で自分の手足となって戦うアセットを手に入れます。アセットは自分の未来が具現化したものと言われ、女の子であったり、蛇の形をしたポケモンみたいな生物であったり、ジャイアントゴーグみたいなロボだったりします。
で、ポイントはミダスカード。どうみてもパチモノカードなのに、銀行のATMからお金を引き出せます。しかも、物語当初の主人公の口座残高は1万を切っていたにも関わらず、カードを手にしたその時に、50万が振り込まれてます。新手の振り込み詐欺か?
アントレはミダスカードを自由に使える代償として、週に1回ディールと呼ばれる決闘をしなければなりません。ディールの相手は他のアントレ。
この時、実際に戦うのは自分のアセット。アセットにはフレーションと呼ばれる技が備わってます。フレーションの発動にはコストが必要で、最低は10万から。このコストは自分の口座(ミダスカード)から支払います。
- ミクロフレーション:最低コスト10万。小技。
- メゾフレーション:最低コスト100万。中技。
- マクロフレーション:最低コスト1000万。大技。
相手からダメージを受けると、血ではなくお金(ミダスマネーと言われる黒いお札)が飛び散り、逆にダメージを与えると、相手に与えたダメージの量に従い自分にお金が入ります。
制限時間は666秒で、この時間内で総資産の増加率の多いものが勝者となります。主人公が最初のディールに勝利して、獲得したお金は3300万円。
ミダスマネーの増加はそのまま現実世界の銀行口座に反映されます。
さて、長い紹介だったけど、このCの世界の設定はトレードの世界そのものです。最終的な目的は「お金を得ること」だけど、お金を増やすにはお金を使ってフレーションを発動させる必要があります。
大きなダメージを狙って少ない資産でよりコストの掛かるフレーションを放てば、いきなりジリ貧になることもあります。
お金を減らすのは嫌だ。損をするのは嫌だ。
でも、利益は欲しいというのは虫のいい話。
このCの世界観でトレードの世界を見ると、投資の本質的な部分が見えてきます。ちょっと長い蛇足だったね(笑)。
吉田章太郎様
こんにちは!
>どうしてこの黄色の線で囲まれたゾーンを「レンジ」として
判断したのでしょうか?
ある一定の値幅(ボラの無い)をいったりきたりしているから!
だと思います!
>レンジブレイクを狙うなら、レンジブレイクしたポイントばかりを見るのではなく、その前の状況=レンジに目を向けなければならない。
確かにブレイクしたポイントばかりに目が行きがちですね!
左からの情報をもとにしなければいけませんね!
すごく単純なようで実は物凄く大事な記事ありがとうございます!!
感謝!ポチッ!
お宮