もしかして、これってトレードルールの作り方(4)
理屈で勝つ。
机上の理論で勝つ。
為替にかぎらず、勝負事ではこれが一番大事。
そんなの、その時にならないとわからない。
臨機応変が大事だ
これも確かにひとつの意見です。
でも、臨機応変を言い換えると
出たとこ勝負、行き当たりばったり
こう書くと、不思議と博打を打ってるだけに感じますよね?
意味は同じなのに(笑)。
さて、前回の「もしかして、これってトレードルールの作り方(3)」では、机上でどう損小利大に持ち込むか、自分が狙うべき波をどう捉えるかについて触れました。
今回は自分の狙うべき波をさらに掘り下げて考えます。
残念ながら今回もチャートは見ません(笑)。
エントリー。入ってみなければわからない
多くの人がエントリーの部分でつまづき、より精度の高いエントリールールがあるはずだと考えて、あっちこっちに聖杯探しの旅に出ます。
しかし、うちのブログや師匠(為替和尚)のブログでもたびたび取り上げているように
エントリーに絶対はない。
入ってみなければわからない
ということです。
高勝率のエントリーを求める試みは無駄とは言いませんが、大概の人が大きな間違いをしてます。それは、インジケータに判断の拠り所を求めることです。
今回の連載でしつこいぐらいにチャートが出てこないのは、チャートを前に戦略を考えると、自分の勝手な都合でルールを作ってしまうことに加え、その時ワークしているインジケータに判断の拠り所を求めてしまうからです。
競馬からFXの世界にはいった吉田が一番疑問に思ったのは、
○○がワークしてない
という言葉です。その時々でテクニカル指標がワーク(有効)したり、ワークしなかったりという現象をみて感じたのは、「それって使い物になるのかいな」という率直な意見。
吉田がFXをはじめたとき、競馬の世界では確率論、統計論の世界に入ってたので、判断材料であるテクニカル指標がワークしたりしなかったりという状況は、「単なるカーブフィッティングでは?」と感じました。
もちろん、競馬の世界でも指数を判断材料に使いますが、これらはすべて統計的にとらえられています。ちょっと競馬をかじった人間であれば、1番人気(最も支持されている馬)の平均勝率は25%、複勝率(3着以内)は66%とすらすらと出てきます。
しかし、FXの世界では、判断の根拠とされていたテクニカル指標の統計データの裏付けはありませんでした。
後日、統計検証をする土台がないことに気づきましたが、こんな曖昧なものに判断の根拠を置くことは無謀としか言いようがないですね。
エントリーしてみなければわからない。そこに絶対はない。
エントリー時に必要なのは、
エントリーする「プライス」
エントリーする「方向」
ちなみに、これらはインジケータがシグナルを出す前に、
およそ決まっています。
ここまで書けばわかると思いますが、大筋のエントリールールは、
机上の図面上で規定することができるのです。
机上の情報で判断できないものは、おおまかな戦略の建て方が
間違っていると言えます。
さて、ここで前回書いたブレイクアウトの図面を見ましょう。
この図面上で使える情報は?
そうですね、レンジ幅と、その上値と下値だけです。
レンジブレイクを狙うのであれば、レンジ幅を規定し、
そこを抜けた時の条件を想定するだけなのです。
では、エントリー時に必要なものは何ですか?
- プライス=レンジ幅の上限もしくは下限
- 方向 = ブレイクアウトした方向
これでエントリーに必要な2つの条件が決まりました。
でも、これはエントリーする瞬間の条件です。
あとは机上で、エントリーまでにどんな条件が必要かを考えるだけですよ。
エントリーよりも大事な2つの出口戦略
エントリーは入ってみなければわからない。
これはひとつの真理ですが、出口はどうか?
多くの人が損するのが嫌なので、エントリーばかりに心血を注ぎ、
出口戦略はおざなりです。
出口戦略はエントリー以上に重要な戦略です。
ここを疎かにしてると、絶対に勝てません。
どこで損ぎるの?
他所様のブログなどを見ていると、損切りが出来ない人がたくさんいるみたいです。確かにマイナス収支で決済注文入れるのは、シンドイのは理解できます。でも、損切りは利食いよりも明確ですよ。
だって、利食いはチャートの右端(未来)で判断しなければいけないのに対し、損切りはチャートの左側(過去)で判断できるからです。
そして、具体的な損切りポイントは
自分のシナリオが崩れるところ
=損切りポイント
ほんとコレ。
エントリー根拠が崩れるところでもいいです。
シナリオメイクとは、簡単にいえば今ある相場を上がるのか下がるのかを予想し、自分のトレードルールに当てはめる作業を言います。
つまり、この局面なら上に行きそうだから、仕掛けはこのポイントで行う。そして逆行されたら、自分の目論見が崩れるここで損切りする。
簡単にいえば、これだけの作業を言います。
あとは、希望的観測を交えずに、事前のシナリオ通りに行動できるかにかかってます。
では、ブレイクアウトのシナリオにおける損切りのポイントは?
2つあります。
(1)ブレイクアウトしたレンジ幅上限を割りこまれたポイント。
(2)レンジ幅の下限を割りこまれたポイント
どちらがいいかはあなた自身の戦略の組み方になりますが、
机上で判断できるのはこのいずれかのポイントですね。
利食いはどこか?
難しいのは利食い。
なぜなら、損切りポイントは過去チャートから判断できますけど、
どこまでトレンドが続くかわからないから。
エントリー時にわかっているのは、自分がどの程度のリスク(損切り幅)をとっているかだけ。損切り幅が5pipsであれば、そのトレードによる損失は5pips(スプレッド手数料は省略)。
リスクリワードを1:1に設定するのであれば、エントリーポイントから5pipsはプラスにならないとダメ。
最低ターゲットラインは、エントリーした瞬間に決まると言えます。
ここでもう一度考えてください。
どうすれば損小利大になるのか?
損切りの幅は、チャートの左側(過去)から決められます。
机上でその後のチャートの流れを想定し、どこまで追いかければ損小利大になるかを必死に考えてください。
イメージが湧かない人は、利益が出た時の行動を思い浮かべてみてください。
(1) 利益が出てるので、利益が減らないうちに利食う
(2) リスクリワードが1:1以上になったら、ストップの位置を押し上げて追いかける
トレーリングストップという戦術は、損小利大を達成するための基本戦術です。S/Lを入れておけば、そこでポジションが決済されることはみんなの知ってる通り。
あとは、どこで手仕舞いさせるかなのです。つまり、
トレーリングストップは
最小利益幅を固定する作業
単に自分の利食いの判断が鈍るから、トレーリングを使うわけじゃありません。もっと戦略的に使うものです。
例えば、リスクリワードが1:1に達した時に、ストップを建値に置いたらどうですか? そこでストップにかかってもチャラで逃げられます。
よくある、新しいサポレジが形成されたら、ひとつ前のサポレジに移動させるのはどういう意味ですか? これは自分が狙っているのはサポレジの幅であるという意味になります。
これを机上でじっくりと考えてください。
入ってみなければわからないエントリーのことであれこれ悩むよりは、
はるかに重要なことですよ。
今回のまとめ
どこでエントリーしても、チャートは上か下かにしか行きません。
必ずどちらかに行きます。
だから、エントリーはどの波を狙うかを意識するだけで良いのです。
それがわかれば後はタイミングだけ。
損切りはチャートの左側(過去)からわかる。
利食いはチャートの右側なのでわからない。
でも、損切りが決まれば、とるべきリスクはわかる。
あとは、この情報をどう活かすかだけ。
いよいよ大詰めです。次はチャートが出てくるんじゃないかな(笑)。
吉田章太郎様
こんばんは!
損切りはチャートの左側(過去)からわかる。
利食いはチャートの右側なのでわからない。
でも、損切りが決まれば、とるべきリスクはわかる。
この言葉物凄くありがたいです!!ぐっときます!!
リスクリワードがおかしければ参加しなくてもいい!と判断もできますよね!
例えば1:2ならばいいが1:0.5ならば明らかにリスクの方がたかいですよね!
しかし慣れてくるとそういう所もコントロールできたりするんですかね(笑)!?
今回もまたまたいい記事ありがとうございます!!感謝!!ポチッ!!
お宮