もしかして、これってトレードルールの作り方(2)
さて前回の続き! (前回の「トレードルールの作り方(1)」)
前回は、なぜトレードルールを作る必要があるのかを説明しましたね。
トレードルールを作る必要性をひとことで説明するなら、
勝ち負けが存在しない世界に、
勝敗を持ち込むこと
これだけです。
どうなったら「勝ち」で、どうなったら「負け」なのか?
常に意識すべき問題です。
だって、相場の世界には「含み益」と「含み損」が存在するので、
「すげー! こんなに利益が出てる! 後ちょっとで大台だぁ」
↓
「ああ! なんでこんなに目減りしてるの。あの時利食っとけばよかった…。とほほ。」
あるいは
「なんでエントリーするとすぐ逆に行くかな。仕方がない、もう少し損失が減ってから損切りするか。」
↓
「うわーん。なんかマイナスが倍になってる。切るべきか? いや、この流れなら、半値まで戻るはずだ。」
↓
「…あかん。とても切れるレベルじゃない。塩漬けにするか…。」
こんな光景が世界中で繰り広げられてるとか(笑)。
だからこそ、まず「勝ち」「負け」を定義することが大事。
トレードルールというと、エントリー方法ばかりに固執するけど、
むしろ重要なのはこっち。
さて、第2回目は、具体的なトレードルールの作り方に入ります。
でも、チャートを開く前にすることがあります。
というより、チャートはまだ開いちゃダメ!
最初にするのはチャート分析よりも自己分析
そもそも、他人のルールではなく、自分のルールを作ろうって人なら、
トレードってものがぼんやりとでもわかっているはず。
ならば、チャートに向かう前に、自分自身の分析から始めましょう。
トレードできる時間はどのぐらいあるか?
あなたは、トレードに割ける時間が1日にどのくらいありますか?
決まった時間にチャートを見れますか?
チャートを見るのは自宅ですか? 職場ですか?
トレードについてあれこれ書いてるサイトや書籍はたくさんあります。
手法そのものを説明しているところもあります。
しかし、それがそのまま適用できない理由は、
あなた自身のトレード時間に左右されるからです。
トレードで飯を食えてるレベルでなければ、他に仕事をしているはず。
主婦だとしても、炊事や家事があるので、好きな時間にチャートを眺めるなんてことは出来ないと思います。
それなのに、ロンドンオープンを狙えとか、ニューヨークオープンからロンドンFIXは入れ食いとか言われても、仕事その他に時間を取られてたらなかなか思い通りにはならんでしょ。
実はトレードルールも、時間管理術とおなじで、
その人のライフスタイルに合わせたカスタマイズが必要なんです。
どの程度の資金量があるのか?
トレードは種銭がなければできません。
トレードは余裕資金でやるものです。借金をしたり、生活費や学費など手をつけてはならない資金を突っ込むべきではありません。
これは、ギャンブルでも同じですね。
FXの場合は最低でも25倍のレバレッジがかかってますが、
ポジションをもつには証拠金を業者に預けておく必要があります。
決済すれば戻ってくるお金ですが、証拠金を預けない限りポジションは持てません。ポジションの枚数につき、どのぐらいの証拠金が必要かは業者のシミュレーターでも確認できます。
上記はエ◯チャットで有名なDMMの証拠金シミュレータです。
見づらい場合はクリックで拡大できます。
レバレッジ25倍で、1万通貨=1枚張りに必要な証拠金は40,727円。
仮に10万の資金の場合は、いきなり40%の資金を証拠金に持ってかれます。
よく言われている総資産の5%以下ルールに証拠金を収めようとするなら、100万円は口座に入れとかないとダメですね。
でも、1万通貨の1pipsあたりの利益は100円です。
1日トレードして2000円の儲け。
これで満足出来ない場合は
ロットサイズをあげるか、
利をひっぱる(獲得Pips数を増やす)
きちんと把握しておくべきですね。
メインタイムフレームを固定する
自分が使える「時間」と「お金」を把握したら、チャートの分析に用いるタイムフレームを固定します。これをメインタイムフレームと呼びます。
タイムフレームは、よくわかってない人が多いですね。
ただ、なんとなく1分足を眺めてみたり、そうかと思えば4時間足を見たり。
意識すべきメインタイムフレームは、トレードのスタイルで決まります。
スタイル | メインタイムフレーム |
スキャルピング | 5分足 |
デイトレード | 1時間足 |
スイングトレード | 4時間足 |
もちろん、トレーダーによっては違う時間足を見ているかもしれないけど、FX寺子屋としてのスタンダードはこれ。
さて、では自分のスタイル=メインタイムフレームはどうやって決めればいいのか? ここで出てくるのが、先ほど分析した自分が使える「時間」と「お金」なんです。
資金量と時間でトレードスタイルは決まる
うちの師匠はスキャルパーなので、スキャルピングによった記事が多いですね。スキャルピングは短い時間でパパっと利益を出せるイメージがありますが、実は大間違い。
確かに、スキャルピングはデイトレーダー達がボラがないと判断するような相場でも利益を出すことが出来ます。
しかし、タイミングが非常に重要になるので、トレード中は常にチャートを見ている必要があります。
従って、集中してチャートを見る時間が取れない人には向かないトレードスタイルなのです。加えて、スキャルピングできちんと稼ぐなら、それなりの資金量が必要です。「5pips上等!」の勝負において、平均獲得pipsは3pips前後です(10pipsでスキャルと呼んでる人もいますが、それは勘違いですよ)。
つまり、1万通貨=1枚張りの場合は、1回のトレードで300円しか取れない計算になります。これじゃあ、生活どころかタバコも買えません(笑)。
スキャルピングはお金があって、
まとまった時間の取れる人向き
なのです。
タイムフレームを固定するとどうなるか?
メインタイムフレームを固定すると、ひと波の平均pips数が決まってきます。
つまり、1回のトレードあたりのロットサイズが、自分の資金量によって決まってきます。この辺の感覚がうまくつかめない人は、1万通貨=1枚張りで感じを掴んでみればいいと思います。
平均獲得pips、平均損失pipsは、金額に換算してしまうと、人によっては耐え難い数字になることがあります。1回のトレードで10万円の損失を許容できない人は、1回のトレードで10万円を獲得することはできません。
相場は自分に都合のいい話だけでなく、誰かにとって都合のいい話でもあるわけです。利益と損失は隣り合わせですよ。
※損切りについては後日説明しますね。
チャート上のどの波を狙うのか?
FX寺子屋では「4つの戦局」と呼んでます。
この段階でも、まだチャートを見ちゃダメですよ。
チャートを見ると自分の都合で、波を取る方法を勝手に妄想するので。
タイムフレームの固定ができているなら、それぞれの戦局の平均pips数もわかっているはずです(仮にわかってなくても、あとで調査すればいいだけです)。
1回のトレードで、大きなpips数を取りたいのであれば、レンジブレイクを狙う必要があります。ただし、ブレイクアウトを狙う場合は、なんども損切りさせられることを覚悟する必要はあります。
(あるいは、S/Lを広めに取るか)
細かく拾うのであれば、レンジ中のレンジ幅を狙いに行ってもいいです。
1時間足や4時間足をメインチャートにするのであれば、レンジといってもそれなりのpips数はあるでしょう(スキャルのレンジは、スプレッド負けするだけなので論外)。
オーソドックスに、押し目や戻りを狙うのいいですよ。
どの波を狙うのかは、自分の使える時間と性格によっても変わります。
時間はわかるけど、なぜ性格?
どかんと大きく稼ぎたいタイプの人と、コツコツ安定的に稼ぎたい人は、性格が真逆です。大きく稼ぎたい人は一攫千金指向が強く、コツコツ稼ぎたい人は安定志向が強いのです。
それ以外は、辛抱強く待てるのか、短気なのか。
こういう個人的な特性によって向き不向きが変わってきます。
順張り、逆張りもそう。
本当に自分にあったスタイルを見つけるには、いろいろと検証や自己分析が必要です。この段階では、どの戦局を狙うかを明確にしましょう。
>スキャルピングは短い時間でパパっと利益を出せるイメージがありますが、実は大間違い。
入退出は確かに早い事が多いかも知れませんが、このイメージが世間に定着したのは何ででしょうね?
真偽はともかく、証券会社が流布したものとか、聞いた事あります(笑)
しかし今回も素晴らしい内容です…!
このシリーズの完結時には書籍にしたいですw
このブログを読んでいると、何故?この内容でランキングが2桁なんだろうと、不思議でしょうがないです(苦笑)
(あの、かくいう私も、たまにポチッと忘れます、スミマセン…(小声))
次回も楽しみです~。