いまどきのトレードパソコン事情
お堅い話が続いていたので、今日はさらに堅い話を(笑)。
堅いといってもハードウェアのお話。
昨年末から、師匠との間でずっと話題になってるのがトレードPC。
PCっていっても結局、「モニタを何枚にするか」ってだけのこと。
昨年の記事をあさると2回マルチモニタに触れているので、
興味のある人は合わせて読んでみてください。
トレーダーがマルチモニタを必要とするのは、ひとつのチャートから得られる情報ではほしい情報が手に入らないから。
確かに昔のPC環境の場合は、それほど高い解像度がなかったので、
必要な情報を得るために複数のモニタが必要でした。
でも、フルHD(1980×1080)が当たり前になり、WQHD(2560×1440)や4K(3840×2160)なんて解像度が使えるようになると、正直1枚でよくね?って気になります。
実際、論点はそこ。
1枚のモニタで必要な情報が表示できるのであれば、マルチモニタ環境を整える必要はない。で、実際のところどうなのかというのが今回の記事です。
(ハードのスペックは2014年4月現在の情報です)
吉田と師匠の目指している環境
まず最初に、吉田がどんな環境を目指しているか、師匠がどんな環境を求めているかをまとめます。
ほしい情報は…
- 一日の流れ
- 昨日の流れ
- 主要な節
- エントリータイミング
この辺になります。特に重要なのが相場の流れと主要な節。これを見るために5分、15分、1時間と複数のタイムフレームを複数のモニタにバラして表示させてるわけです。
でも、高解像度のディスプレイを使えば、流れを1枚で捉えることができる。となれば、意識すべき節もすべてそこに表示されてることになります。
これが「トレーダーにマルチモニタは必要か?」に書いた
1通貨につき1画面
って結論につながります。
必要な解像度は、自分らのスタイルの場合横が3600ぐらいあれば十分足りることを確認済みです。
横解像度3600を実現するにはどうするか?
コレまでのように複数枚のモニタでマルチモニタを作るか、
4K解像度のモニタを1枚入れるかのどちらかになります。
吉田の選択は、これ。LGの3440×1440の34インチウルトラワイドモニタ(LG-34UM95-P)です。つまりセンターにチャート用のでかい画面を置き、その上に発注などの管理画面を置く構成です。これなら上下2枚構成で行けそうです。
師匠はベゼルの狭いフルHDモニタを6枚で、5760×2160という解像度を構成することを選択しました。
結局マルチモニタ環境ですが、1枚毎に別々のチャートを表示するのではなく、2枚もしくは3枚一組で利用する形です。2通貨表示させたいので、左側は発注や各種ウェブからの情報源、真ん中と左側のモニタでチャートの表示という形になると思います。
ハードウェアの選択
マルチモニタにする場合、いちばん問題になるのがどのようなハード構成でそれを実現するかです。
つまるところビデオカードの選択になります。
現在のビデオカードであれば、フルHD(1920×1080)という解像度は難なく出力できます。2画面程度であれば、内臓のGPUでもいけます。
しかし、それ以上の解像度や3枚以上のモニタを考えている場合には、
ビデオカードと接続インターフェースに気をつけなければなりません。
まず、6画面出力させるには、3つ選択肢があります。
(1) 内蔵GPU + 外付けGPU
最近のCPUは演算能力が頭打ちになった代わりに、CPU自体に内蔵のGPUをもたせ、外付けのGPUなしでも画面表示ができるようになってます。
これが一番安上がりなように見えますが、内蔵GPUと外付けGPUのメーカーが異なるため、複数のビデオカードドライバがインストールされる形になります。
これはうちのケースですが、たまに片方のビデオカードの映像が一瞬ブラックアウトする現象が確認されました。あと、内蔵GPUがメモリ不足を起こしてAeroが解除されたりすることも。
(2)6画面対応のGPUを利用
AMDのEyeinfinity対応のビデオカードであれば、最大で6画面まで出力可能です(ただし、6画面のニーズが少ないため、店頭ではまず見かけませんが)。
これは知り合いのトレーダーに頼まれてパソコンを組んだ時の写真です。
ASUSのRadeon HD7970-DC2-3GD5(6画面出力)を使って組みました。
写真でもわかるように、ビデオカードはマザーボードからはみ出てます。
長いです(笑)。このケースはフルサイズのビデオカードにも対応しているZALMANのZ9 Plusというケースですが、ギリギリですね。
Eyeinfinityで6画面出力するときは、ビデオカード側がDisplayPort出力になります。しかし、この時注意しなくちゃいけないのが、DisplayPortケーブルはアクティブを用意しないと3画面以上出力できないということです。
このアクティブ変換ケーブルは今でこそ値段が落ちてきましたが、PCを組んだ2012年当時は1本4000円くらいして、ケーブルだけでもいいお値段がかかったのが欠点です。
(3)3画面以上出力可能なGPU 2枚挿し
きちんとしたマザーボードであれば、PCI Expressx16が2レーン以上あります。そこに3画面以上出力可能なGPUを2枚挿せば合計6画面出力できます。
あ、(1)の内蔵GPU+外付けGPUの時のような問題が起こらないように、メーカーを統一するのを忘れずに。
ただ、注意が必要なのはPCI Expressx16のソケットが複数あっても、複数枚のビデオカードを挿せば、1ソケットあたりのレーン数は減ります。
(トレードの用途であれば問題になることはあまりないですけど)
おまけ:4K解像度に出力する
4K解像度に出力したい場合は、接続するインターフェースに気を使う必要があります。4Kに問題なく出力できる規格はDisplayPort 1.2です。4レーンフルに使った場合の伝送レートは21.6Gbpsであり、4K解像度のリフレッシュレートを60Hz(60fpsを達成するのに必要)を保つのに必要な10Gbps以上の帯域に十分対応できます。
最近はHDMIで接続する場合も多いですが、HDMI 2.0でようやく4K解像度 60Hzのリフレッシュレートに達します。普及している規格だと、4K未対応の場合もあるので注意が必要です。HDMI 1.4でリフレッシュレート 30Hz(30fps)の4K出力が可能になります。
まとめ
記事を読んだけどよく分からん。パソコンはとりあえず動けばいいという人は、トレイダーズPCのようなトレード専用のPC販売店を利用してください。まぁ専門家ですので間違いはないでしょう。
やっぱり自分でカスタマイズしたいし、トラブルが合った時にも対処しやすい自作にこだわる場合には、規格の違いに注意しながら情報収集してみてください。ただ、まだ4K環境は移行期って感じなので、パーツも製品もこなれてないのに注意してくださいね。
メモリとHDDだけしか触った事のない私には(2)後半くらいから、カッチカチの内容でした(笑)
でも、そんなレベルのユーザーの為にトレイダーズPCのリンクを貼り付けて下さっているいるあたり、流石です(笑)