いまどきのトレードパソコン事情

2014/04/20 カテゴリ:PC環境
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いまどきのトレードパソコン事情

お堅い話が続いていたので、今日はさらに堅い話を(笑)。
堅いといってもハードウェアのお話。


昨年末から、師匠との間でずっと話題になってるのがトレードPC。
PCっていっても結局、「モニタを何枚にするか」ってだけのこと。
昨年の記事をあさると2回マルチモニタに触れているので、
興味のある人は合わせて読んでみてください。

トレーダーがマルチモニタを必要とするのは、ひとつのチャートから得られる情報ではほしい情報が手に入らないから。
確かに昔のPC環境の場合は、それほど高い解像度がなかったので、
必要な情報を得るために複数のモニタが必要でした。


でも、フルHD(1980×1080)が当たり前になり、WQHD(2560×1440)や4K(3840×2160)なんて解像度が使えるようになると、正直1枚でよくね?って気になります。


実際、論点はそこ。
1枚のモニタで必要な情報が表示できるのであれば、マルチモニタ環境を整える必要はない。で、実際のところどうなのかというのが今回の記事です。
(ハードのスペックは2014年4月現在の情報です)

 

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吉田と師匠の目指している環境

まず最初に、吉田がどんな環境を目指しているか、師匠がどんな環境を求めているかをまとめます。


ほしい情報は…

  • 一日の流れ
  • 昨日の流れ
  • 主要な節
  • エントリータイミング

この辺になります。特に重要なのが相場の流れと主要な節。これを見るために5分、15分、1時間と複数のタイムフレームを複数のモニタにバラして表示させてるわけです。


でも、高解像度のディスプレイを使えば、流れを1枚で捉えることができる。となれば、意識すべき節もすべてそこに表示されてることになります。
これが「トレーダーにマルチモニタは必要か?」に書いた

1通貨につき1画面

って結論につながります。
必要な解像度は、自分らのスタイルの場合横が3600ぐらいあれば十分足りることを確認済みです。


横解像度3600を実現するにはどうするか?
コレまでのように複数枚のモニタでマルチモニタを作るか、
4K解像度のモニタを1枚入れるかのどちらかになります。


吉田の選択は、これ。LGの3440×1440の34インチウルトラワイドモニタ(LG-34UM95-P)です。つまりセンターにチャート用のでかい画面を置き、その上に発注などの管理画面を置く構成です。これなら上下2枚構成で行けそうです。


師匠はベゼルの狭いフルHDモニタを6枚で、5760×2160という解像度を構成することを選択しました。
結局マルチモニタ環境ですが、1枚毎に別々のチャートを表示するのではなく、2枚もしくは3枚一組で利用する形です。2通貨表示させたいので、左側は発注や各種ウェブからの情報源、真ん中と左側のモニタでチャートの表示という形になると思います。

ハードウェアの選択

マルチモニタにする場合、いちばん問題になるのがどのようなハード構成でそれを実現するかです。
つまるところビデオカードの選択になります。


現在のビデオカードであれば、フルHD(1920×1080)という解像度は難なく出力できます。2画面程度であれば、内臓のGPUでもいけます。


しかし、それ以上の解像度や3枚以上のモニタを考えている場合には、
ビデオカードと接続インターフェースに気をつけなければなりません。


まず、6画面出力させるには、3つ選択肢があります。

(1) 内蔵GPU + 外付けGPU

最近のCPUは演算能力が頭打ちになった代わりに、CPU自体に内蔵のGPUをもたせ、外付けのGPUなしでも画面表示ができるようになってます。
これが一番安上がりなように見えますが、内蔵GPUと外付けGPUのメーカーが異なるため、複数のビデオカードドライバがインストールされる形になります。


これはうちのケースですが、たまに片方のビデオカードの映像が一瞬ブラックアウトする現象が確認されました。あと、内蔵GPUがメモリ不足を起こしてAeroが解除されたりすることも。

 

(2)6画面対応のGPUを利用

AMDのEyeinfinity対応のビデオカードであれば、最大で6画面まで出力可能です(ただし、6画面のニーズが少ないため、店頭ではまず見かけませんが)。

EyeInfinityビデオカード

これは知り合いのトレーダーに頼まれてパソコンを組んだ時の写真です。
ASUSのRadeon HD7970-DC2-3GD5(6画面出力)を使って組みました。
写真でもわかるように、ビデオカードはマザーボードからはみ出てます。
長いです(笑)。このケースはフルサイズのビデオカードにも対応しているZALMANのZ9 Plusというケースですが、ギリギリですね。


Eyeinfinityで6画面出力するときは、ビデオカード側がDisplayPort出力になります。しかし、この時注意しなくちゃいけないのが、DisplayPortケーブルはアクティブを用意しないと3画面以上出力できないということです。


このアクティブ変換ケーブルは今でこそ値段が落ちてきましたが、PCを組んだ2012年当時は1本4000円くらいして、ケーブルだけでもいいお値段がかかったのが欠点です。

(3)3画面以上出力可能なGPU 2枚挿し

きちんとしたマザーボードであれば、PCI Expressx16が2レーン以上あります。そこに3画面以上出力可能なGPUを2枚挿せば合計6画面出力できます。
あ、(1)の内蔵GPU+外付けGPUの時のような問題が起こらないように、メーカーを統一するのを忘れずに。


ただ、注意が必要なのはPCI Expressx16のソケットが複数あっても、複数枚のビデオカードを挿せば、1ソケットあたりのレーン数は減ります。
(トレードの用途であれば問題になることはあまりないですけど)

おまけ:4K解像度に出力する

4K解像度に出力したい場合は、接続するインターフェースに気を使う必要があります。4Kに問題なく出力できる規格はDisplayPort 1.2です。4レーンフルに使った場合の伝送レートは21.6Gbpsであり、4K解像度のリフレッシュレートを60Hz(60fpsを達成するのに必要)を保つのに必要な10Gbps以上の帯域に十分対応できます。


最近はHDMIで接続する場合も多いですが、HDMI 2.0でようやく4K解像度 60Hzのリフレッシュレートに達します。普及している規格だと、4K未対応の場合もあるので注意が必要です。HDMI 1.4でリフレッシュレート 30Hz(30fps)の4K出力が可能になります。

まとめ

記事を読んだけどよく分からん。パソコンはとりあえず動けばいいという人は、トレイダーズPCのようなトレード専用のPC販売店を利用してください。まぁ専門家ですので間違いはないでしょう。


やっぱり自分でカスタマイズしたいし、トラブルが合った時にも対処しやすい自作にこだわる場合には、規格の違いに注意しながら情報収集してみてください。ただ、まだ4K環境は移行期って感じなので、パーツも製品もこなれてないのに注意してくださいね。

アキバのPCショップは激減ダヨ。
でも、モニタは実物を見ないと博打ダヨ。

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この記事に対するコメント

6 件のコメント

  • まつもと
    2014/04/20 17:30

    メモリとHDDだけしか触った事のない私には(2)後半くらいから、カッチカチの内容でした(笑)

    でも、そんなレベルのユーザーの為にトレイダーズPCのリンクを貼り付けて下さっているいるあたり、流石です(笑)

  • 2014/04/22 15:03

    To まつもとさん

    ビデオカードやマザボードの規格関係の内容は複雑なんですよ。
    吉田も常に追いかけているわけじゃなく、更新の必要性があった
    時に情報収集しなおしてるわけです。

    師匠ともよく話をしますが、トレードする場合はトレード環境が
    かなり重要なのでビデオカード周りの知識は不可欠なんですよ。
    自前で用意する場合は。

  • ゲルググ
    2014/04/23 01:44

    こんばんは
    最初の画像 チューンドカーのボンネットを開けたエンジンルームに見えて仕方がありませんw
    PCスペックも当然ですが内部が綺麗にキチッとしててカッコイイて思います。
    PCには詳しくなかったんですが最近、ハマッてきました。
    回転数もあるんだと

    色々知っていくと楽しくなり、より良い物を求めたくなりますね。

    安い特価品てありますが、自分の目的と違えば安くて当たり前ですね
    車も同じでした。
    より良い物はそれ相当の値があって当然ですね
    知ると求めるところで価値が違う

    吉田様のブログでPCの勉強させて頂いています。
    もっとPCの知識入れて試していきます。
    PC用のノートをつくり書き散らしてますw

  • 2014/04/23 13:29

    To ゲルググさん

    最近のPCのマザボは無駄にキレイです(笑)。
    そこがまたいいのですが。

    吉田は自分の収入をパソコンによって作りだしているので、
    肝心な時にトラブルが起こって動作しなかったり、なんか調子が
    悪い状態が続くのが嫌なのです。
    しかも、静かでないと仕事やトレードに差し支えます。

    車と同じできちんと調整、整備されたものであるからこそ
    安心して仕事ができると考えてます。

    パソコンの場合は規格部品の塊なので、車のようなチューニング
    の幅はありませんが、目的に合わせた選択や、性能を絞りだす
    ための調整はあります。気持よくアクセルを踏み込むためには、
    それに見合った調整とメンテが欠かせないのと同じですね。

  • 吉田(同姓です^^)
    2014/04/26 12:19

    >34インチウルトラワイドモニター

    このモニターを導入する金で、私の現在の環境がもうワンセット揃います^^

     おっしゃるようにモニタは実物を見ないと発色の好みもありますし
    かなり博打になりますね。。
     LEDバックライトのモデルが出た当初は、店頭で見たら確かに省電力で
    鮮やかだけど細部が全部飛んでて、なんじゃこりゃ!と思ったことが。。

     問題は34インチのモデルを店頭に置いてある電器屋があるかどうかですね。
    私の地元では34インチほどの白サギは空を飛んでいますが、そもそも電器屋自体が絶滅種なので。。

     最近のグラボは、トレード用途だと高機能な3D性能がただのお荷物に
    なるのが困りますね。。2Dなら5760×2160でもVRAM64MB+ファンレスでいけるはずなんですが。
     3D性能を低く抑えたシンプルな6画面出力のボードとかあればいいですが、
    そこまで需要ないですし、メーカー儲からないですからそういうモデルは
    出そうにないですね;; 

  • 2014/04/27 19:11

    To 吉田さん

    秋葉原のPC関連ショップを周りましたが、29インチが最高でした。
    目的の34インチは目にしてません。
    同様に32インチの4Kディスプレイもなかったです。
    ハイエンドモデルは現物を確認できないことが多いですね。

    > 最近のグラボは、トレード用途だと高機能な3D性能がただのお荷物

    Windows8は知らないですが、Vista/7はそういうグラボ需要を
    喚起する目的でAeroが採用されてます。
    3D GPUのパワーを通常のWindowにも適用するためですね。

    >3D性能を低く抑えたシンプルな6画面出力のボードとかあればいいで

    この手の用途はCADや3Dモデリングであるので、OpenGLなどに対応した
    Quadroシリーズなどが出てます。ただ、用途がプロユースなので
    あまり数が出ないので高いですよ。
    AMDはそれに特化したシリーズを出さず、文中で紹介している
    Eyeinfinityという技術を採用しています。

    ただ、静止画の多い状況だと、RadeonシリーズのほうがGeForceより
    もキレイだし、早いですね。