ビットコインって儲かるの?
みなさんは、「ビットコイン」ってご存じですか?
そろそろ日本のメディアでも取り上げられはじめたので、目にしたことがある人はいると思います。
吉田がビットコインを知ったのは、半年ほど前に知人からビットコインの相談を受けたのがキッカケです。
知人「しょうちゃん、ビットコインって知ってる?」
吉田「いや? なんですかそれ」
知人「仮想の通貨らしいのだけど、えらい暴騰しとる。」
吉田「え? いくらぐらいですか?」
知人「 1ビットコイン=10万円」
吉田「そら、エグいですね! 手を出すつもりですか?」
知人「いやぁ、EAを買った会社からしつこく送られてくるもんだから、気になってね」
知人はボラティリティの高さから、ビットコイン相場に惹かれているようでした。そこで、2,3日調べて回答すると応えました。
ビットコインを簡単にまとめると…
- 中本哲史を名乗る人物の論文がキッカケ
- ビットコイン対応のアプリをインストールすることにより利用できる
- 全世界で2100万ビットコインまで発行される
- 取引はP2Pネットワークによって行われる。
- 数学パズルを解くとビットコインがもらえる(継続しているかは不明)
- どこの国の中央政府からも独立した仮想通貨
- 通販などで決済に利用できる (国内ではほとんど扱いなし)
- 各国の通貨と交換できる相場や交換所があり、換金できる
- 薬物取引など違法な取引に利用されている
- 自国通貨に見切りをつけた人が、ビットコインに希望を託している側面もある
興味のある人は、Google先生に聞いてみてください。
ニュースもふくめてたくさん出てきますよ。
吉田的には知人に「ビットコインはあかん」と伝えました。
ただ、この件は通貨というものを考えるいいきっかけになりました。
このサイトの読者は外国為替相場に参加し、「通貨」を取引しています。
では、改めて聞きますが、「通貨」ってなんでしょうか?
通貨とはなにか?
通貨ってなんでしょう?
ドル、円、ユーロ、ポンド、豪ドル、スイスフラン。
それぞれの国や経済圏で共通して使われてる「お金」のことですね。
みなさんの財布の中にも福沢諭吉とか夏目漱石の絵が書かれたお札が入ってると思います。それが通貨=お金です。
「何をアタリマエのことを! バカにしてんのか?」
そう感じるかもしれないですね。
お金はなんのためにあるか?
(1) 何か商品やサービスを得るための対価として支払うもの
(2) 価値の尺度
こんな感じですかね。更に突っ込んだ話は、「マクロ経済」とかで調べてみてください。ここで重要なのは(1)です。
みなさんも出かける時に、財布と携帯は忘れずに持って出かけると思います。
(携帯は忘れることがありますけど)
もし財布を忘れたことに気づけば、取りに帰りますね?
ジョギングとか短期間の運動で出かけない限りは、
ほぼ間違いなくお財布を持って歩くはずです。なぜか?
お金がないとなにも買えない
=何も出来ない
歩いていける近所を除き、移動するにもお金がかかります。
お腹が減ったり、のどが渇いたりした時もお金がいります。
もちろん、家に帰れば飲み物や食べ物があるかもしれませんが、飲水や食料もお金がなければ手にはいりません(狩猟や農業をしてないなら)。
程度の差はありますが、我々が生きていくにはどうしてもお金が必要になります。だからこそ、みんなお金を稼ぐことにセイを出すわけです。
ほとんどの人にとって、お金とは「商品やサービスを得るために必要なもの」ということになります。
しかし、本当に福沢諭吉の絵の書いてあるペラペラの紙に、1万円の価値があるんでしょうか? お札をモノとしてみた時、そんな価値はないだろと誰もが思いますね。
では、1万円札が1万円の価値を持っているのはなぜか?
中央政府がその価値を保証し、
みんながそれを信じているから
「こんな紙切れ便所紙にしかならないぜ! ヒャッハー」な世界では、便所紙や火をつける燃料にしかならないのです。
参考:北斗の拳 第1巻
お金がお金としての価値をもつのは、
(1) 中央政府がその価値を保証
(2) 国民や他国がその通貨の価値を信頼する
この2つの条件が必要です。
ビットコインの価値はどこにある?
ビットコインは(1)の「中央政府がその価値を保証」している部分がありませんが、(2)の条件は満たしてます。
ビットコインに価値があるとみなが信じているので、その交換に応じるところがあるのです。
ただ、信用のみで成立しているので、価値の裏付けは需給だけになります。
それで、ビットコイン相場は非常に高いボラティリティで乱高下するのです。
ビットコインはネットの世界にだけ存在し、ドルや円のように形のある通貨ではありません。極端な話、データに値段が付いているだけです。
これと似たような話があります。
RMT(リアルマネートレード)です。RMTとは、オンラインゲームのアイテムや通貨を、実際のお金で取引することを指します。
これもやりとりしているのは電子データです。まぁ、ゲームにかかる時間を経済力でカバーしていると解釈できないこともないですけど、10万かけて買ったアイテムも、オンラインゲームのサービスが終了すれば、無価値になります。
では、SuicaやNanaco、Edyのような電子マネーはどうか?
これもデータ上に存在するお金ですが、信用の裏付けは発行会社がしています。RMTとどうように、Suicaの扱いをやめると発行会社が宣言すれば、Suicaに記録されているお金は無駄になります(扱いをやめる前に、換金に応じると思いますけどね)。
ビットコインの問題はまさにここ。
誰かがその価値を保証しているわけではないので、各国が規制したらアウト。
(アングラマネーとしての機能があるので、闇市場ではほそぼそと生き残る可能性はありますけど)。
まとめ
通貨の話に戻ります。
通貨(お金)がその価値を発揮するには
(1) 中央政府がその価値を保証
(2) 国民や他国がその通貨の価値を信頼する
この2つが必要です。しかし、世の中にはジンバブエのようにハイパーインフレになった国もあります。ハイパーインフレはお金が商品やサービスとくらべて著しく価値を下げている状態を指します。
つまり、(2)の通貨を使う人がその通貨の価値を認めないということです。
同じことが、歴史上何度もおきてます。日本の場合は、第2次世界大戦当時、軍が発行した「軍票」というお金がありました。これは、敗戦と同時に紙くずに変わりました。戦国時代にも「永楽銭」って通貨があります。興味がある人はぐぐってみてください。
通貨はその価値を人々が認めて
はじめて価値を持つ
実際に流通している通貨は、その価値を中央政府が保証しているので、
裏を返すと…
その国の信頼度が通貨の価値
を決める
外国為替を触るものとして意識するのは、まさにこの部分でユーロ圏の人間が「ユーロはどうも信用がならない」と考えれば、スイスフランや円、ドルなど別の通貨にお金が流れていくのです。
ドルやユーロ、円は国が亡くならない限り、価値はゼロにはなりません。
さまざまな理由で、通貨の価値は上下しますが、根底にはその通貨を発行している国や地域に対する「人々の信頼」が大きく作用しています。
投資家は、さまざまな金融商品の本質的な価値をきちんと判断できるようにならないといけませんね。
参考:北斗の拳 第1巻
これムチャクチャ笑ってしまいましたwww
ビットコインの事を考えると、宇宙の事を考える様で眠れなくなります(笑)