目に見えるものと見えないもの
皆さんは、パソコンを活用してますか?
パソコンが世の中に出て30年以上立ちますが、これがないと仕事ができないぐらい世の中に浸透してます。
トレードをするにもパソコンは必要です。
もちろん、スマホでもトレードは出来ますが、チャートを見て
分析するならパソコンがないと始まりません。
最近は、スマホやタブレットに押されているとはいえ、
本格的に何かをするにはまだまだパソコンは不可欠です。
トレードにもね。少なくとも吉田は、トレードするのにスマホだけ
で済ませることはまずないです。
パソコンがこれだけ世の中に広まったのは、汎用性の高さと利便性の高さでしょうね。ちょっとした計算をするには電卓が便利ですが、電卓は計算しか出来ません。でも、パソコンなら電卓の代わりにもなるし、時計のように時刻を知ることも出来ます。
パソコンの汎用性と利便性を支えているのは「ソフトウェア」です。
実際、この記事を読めるのも「ブラウザ」というソフトウェアがあればこそですね。
スマホやタブレットにしても、「アプリ」がなければ始まりません。
「アプリ」ももちろん「ソフトウェア」です。
でも、ソフトウェアを取り巻く状況が、だんだん変わってきていること
に気付いてますか?
今日はトレードには直接結びつかないけど、ぜひ知っておいて欲しいソフトウェアとコストの話をします。
ソフトはただではない
特に日本人に多く見られる傾向ですが、「ソフトウェア=無料」という認識です。ソフトウェアはハードウェアとは異なり、実際に触れる訳ではなく、形がありません。
だから、ソフトにカネを払うのは無駄という徴候があることも否定はできません。ソフトはもともと電子データにすぎないので、実際にモノとして存在するハードウェアに比べると、コピーが容易です。
今回の趣旨から外れるので、コピーの話にはこれ以上触れませんが、ソフトウェアは自然発生するわけではないので、誰かがソフトウェアを作成しなければなりません。
ソフトウェアは複製が容易なため、「製造原価」は極めて安いのが特徴です。そのため、ソフトウェアに係るコストのうち最も大きいのは、開発費(人件費)です。
一方で、開発コストがかかるけど、自分用に作ったものを無料で公開しているソフトウェアもあります。フリーウェアのことです(無料と言っても、利用するのが無料なだけで、それを勝手に売りさばいたりしてはいけませんよ)。
現在、あなたのパソコンにインストールされているもので、実際にお金を払ったもの(有償のソフトウェア)はどの程度ありますか? 一昔前であれば、有償だったものが、ほとんどフリーウェアとして公開されています。
たとえば、日本語変換のIME、CDライティングソフト、ブラウザなど。
WordやExcelにしても完全に互換性はないものの、無料で調達できます。
ソフトウェアの価格が大きく変わったのは、インターネットが登場してからです。ネット回線が高速化し、常時接続が当たり前になると、ウェブ上でインストールベースのソフトウェアと同じようなことができるサービスも登場しました。
トレードの時に利用するチャートや発注ソフトも、ウェブブラウザだけしか提供してない業者もありますね。
競馬投票もしかり。以前は、3000円払って専用ソフトを購入しなければならなかったのが、今ではネットで馬券が買えます(サービスの利用料は無料)。
しかも、ほとんどのウェブサービスは無料で利用できます。
でも、無料で利用できるようになっても、ソフトウェアに変わりないので、実際には開発コストがかかります。では、このコストはどこにいったのか?
無料で利用できる代償は?
無料で利用できるソフトウェアに多い収入は、広告収入です。
ソフトやサービスを無料で利用できる代わりに、
広告が表示されるソフトのことです。
Googleが提供しているサービスは、ほとんどが無料です。
その代わり、Google自体が大きな広告媒体であり、至る所に広告が表示されます。彼らはさまざまなサービスの利用実態を利用して、できるだけ適切な広告が表示されるようにしています。当然、SNSの情報なども分析対象になっています。
そういえば、最近、中国産のIMEバイドゥで、情報漏洩が起きているとニュースになりましたね。中国製の場合、一番問題になるのは情報漏洩です。
Googleのサービスもプライバシーを切り売りしているようなものですが、基本的にすべて広告に結びつけるので、愉快ではないですが中国ほど怖くないですね。もっとも、米国系企業の場合は、NSAに情報を流している可能性は否定できませんが(笑)。
どちらにせよ、無料で利用できる代償は、かならずどこかで払わされます。
では、為替の世界ではどうでしょうか?
例えば、吉田も利用しているチャートソフト「Meta Trader4」。このソフトはMeta Quotes社のソフトウェアで、それをMT4採用業者が利用しています。ユーザーである我々は、MT4に広告が表示されたり、利用料を請求されることはありません。
Meta Quotesは業者から利用料を得ていると考えるのが妥当ですが、ほとんどの場合、スプレッドに上乗せされる形で利用料を徴収されてます。
スプレッドといえば、FX業者のスプレッドは数年前に比べると、かなり狭くなりました。EUR/USDで0.4とかを提示してくる業者もあります。もっとも、1pips未満のスプレッドを提示してくる所は、別に手数料を取るところがほとんどですが。
手数料もなしに狭いスプレッドを提示してくる業者は、いったいどこで儲けを出しているのでしょうか? たいていはスリッページで利益を出します。
くり返しになりますが、便利に使えるソフトウェアやウェブサービスは、開発コストや運営コストがかかります。
表面上は無料に見えても、これらがどんな形でコストをペイさせているかを意識する必要があります。
無料版でユーザーを増やして、有償版へ誘導するやり方もありますが、他所よりも安い、あるいは無料を歌っている場合には、コストをどうやってペイしているか、逆に高値づかみさせられないかを考慮すべきです。
こういう視点は、FXの取引業者を選ぶ際にも大事ですよ。
最近は特に、「この会社は一体なにでメシ喰ってるの???」と疑問に思う企業が増えてきましたね。。
裏ではろくなことやっていない場合があることが示されたのが、コンプガチャ問題とか、FX業者の意図的なスリップとかストップ狩りとかの事例だと思います。
ソフトは無料、という感覚はますます強くなってきていますね。
気づけば私もOS、Office、VisualStudio以外は、すべてフリーで使っています。 Skype、各種フリーメール、Wiki、グーグルマップなどなど。
企業がソフトを作って客に無料でつかってもらって、どこで回収するか、、
ソフトは動きさえすれば安ければ安いほどいい。プログラマを使い捨てにするIT土方が生まれるわけですね。