今さら聞けないロットサイズと賭け金の違い
先日、友人と飲んだ時に、こんな質問を受けた。
吉田はFX専門にやってるから聞くけど、
レバレッジを上げると、なんで損益も一緒にあがるの?
イマイチ、賭け金との違いがよくわからない。
それ、だいぶ勘違い(笑)。
彼は株を長期ホールドするトレードしかしておらず、デイトレやスキャルのように、真剣にキャピタルゲインを取る勝負をしてきてない。
酒を飲んでいる上、2軒目の店ということもあり、適切な説明ができたか怪しいものだが、ロットサイズとレバレッジについて、いろいろと誤解があるようだ。これは、たまに雑誌やネットの記事を読んでも感じるのだが、
FXで破滅する奴は、レバレッジを上げすぎてるからだよ。
レバレッジ2倍とか10倍でやれば破産なんてしないよ。
これも勘違い。
レバレッジが高いか低いかではなく、あんたのロットサイズに問題があるの。
ロットサイズは、よくギャンブルの賭け金に例えられるが、はじめてやる人に説明するときならまだしも、本格的に学び始めた後は、きちんとレバレッジとロットサイズ、証拠金について学んでおく必要がある。
なぜなら、これはリスク管理に通じるから。
為替差益で利益が出る仕組み
為替相場は先物相場なので、株に比べるとレバレッジは圧倒的に高い。
レバレッジを効かせれば、少ない資金で大きなお金を動かせるため、その分得られる利益も増える。この一面的な解釈が「ロットサイズ=賭け金」と勘違いされてしまう要因。
まずは為替差益による利益が出る仕組みを簡単に説明しますね。
例えば、ドル円を100円の時に買って101円になった時に利確したとします。
この時の利益は1円。大事なことなので繰り返します。
レートが100円→101円になったら、利益は1円。
逆に言えば、1円動いても1円しか利益にならないのです。
100円で売り買いした場合の利益……… 1円
1000円で売り買いした場合の利益………10円
1万円で売り買いした場合の利益…………100円
10万円で売り買いした場合の利益………1000円
100万円で売り買いした場合の利益…… 1万円1000万円で売り買いした場合の利益……10万円
切りがないのでこのへんで…。
さぁ、利益と売り買い金額の関係を見て何か気づきませんか?
為替相場は、株式相場と比べると、非常にミクロな値動きの世界です。
1日1円動けばいいほうで、たいていは数十銭の値動きしかありません。
そんな相場で、100円しか張らなければ、1円動いても1円の利益にしかならない。
為替相場は億万長者を生み出すすごい相場だといいますが、
実際の値動きで見れば、しょっぱい相場なんです。
では、どうするか?
売り買いの金額を
上げればいいんです!!
単純でしょ? 1円の値動きで1万円の利益を得たければ、100万張ればいいし、10万の利益が欲しければ、1000万張ればいいだけです。
終了(笑)!
「いや、100万賭けて1万しか儲からないんじゃ、競馬やパチンコのほうがいいよ」。そうそう。だから言ったでしょ、為替相場は、値動きで見ればしょっぱい勝負なんですよ。
でも、ここにレバレッジが加わると話は変わります。
10万円という金額を張った場合。
10倍のレバレッジなら、100万円張ってるのと同じ(+1万の利益)
100倍のレバレッジなら、1000万円張ってるのと同じ(+10万の利益)
1000倍のレバレッジなら、1億円張ってるのと同じ(+100万の利益)
1円の値動きで1円の利益というのは変わらない。
でも、それは100円の売買の話。
100万円張れば、1万円の利益になる。
ついでに、1pipsの損益を求めてみましょう。クロス円の場合、1pips=1銭。1円=100銭=100pipsです。100万円張っている場合、1円動いた場合は1万の利益なので、1/100にすると100円。これが1pipsの損益です。
なら、レバレッジを効かせて10億でも100億にでもすればいいじゃん!
そう、でもそのお金は元々は存在しないお金なので、100倍のレバレッジで勝負をするには、「証拠金」というお金を業者に預けないとダメ。
レバレッジを効かせた勝負は、借金で売買しているのと同じなので、
「証拠金」はそのお金を借りるための担保なんです。
決済すると戻ってくるけど、ポジションを持っている間は、
ずっと証拠金を預ける形になります。
ちょっとまとめると、
- 為替差益の利益は、1円の値動きで1円の利益
- 100万円張れば、1円の値動きで1万円の利益
- 実際にそんなお金がないので、レバレッジをきかせて、1万円の資金を100万円にして売買する
- 1pipsはクロス円の場合1銭。張った金額に応じて価値が変化する
- レバレッジを効かせるには、「証拠金」が必要
「FXでレバレッジを効かせるのはアホ」って話をたまに耳にしますが、
FXの正式名称は「外国為替証拠金取引」。つまり、証拠金を使って取引(トレード)するのが前提なので、レバレッジが効いてるのが当たり前。
リスクをコントロールする
以前に、ギャンブルと投資の違いの記事を書いた時に、投資とギャンブルの違いとして、お金をコントロール出来ていることを条件にあげました。
キーワードは「コントロール」。
お金のコントロールとは、つまるところ「リスク管理」ですね。
ここでロットサイズとレバレッジという観点で「リスク管理」
について考えてみます。
おっと、その前によくある誤解をひとつといておきます。
「レバレッジを上げるとリスクが高くなる」というトンチンカンな意見がありますが、これはウソ! です。
FXにおいてレバレッジは、高ければ高いほどリスクコントロールがしやすくなる。だから、最低でも100倍、できれば400倍あるとありがたい。
なんか、政策提言する有識者様の意見に反論するようですが、
どこの誰とは申しませんが、誤った発言ですよ>レバレッジ規制の発言
さて、その理由を説明します。
くどいようだけど、為替差益を狙う場合、ドル円で1円の値動きの利益は1円です。だから、現実的な利益を得るためには、1回のトレードで100万円や1000万、1億円を張ることになる。
でも、ギャンブルの賭け金との最大の違いは、100万円張って負けても、100万円がそっくりなくなるわけじゃないということ。
賭け金なら負ければ、そっくり賭け金がなくなるけど、FXにおける賭け金は、あくまでも証拠金。レバレッジの効いた状態で、100万円の勝負をするのに必要なお金を預けているだけ。証拠金はあとから戻ってくる。
これも大事なこと。いいですか?
- ギャンブルの賭け金は負けると、そっくりそのまま賭け金没収
- FXの賭け金は証拠金。100万円の勝負をするのに必要なお金を預けてるだけ。ポジションクローズ時に返金される
この違いを理解してください。
為替相場の基本単位は、1ロット=10枚=10万通貨単位。
ドル円の場合は、10万通貨単位=10万ドル(約1000万円)です。
で、為替相場で1ロット(10枚張り)の勝負がしたいなら、1000万円必要。
レバレッジは、この時に必要なお金を少なくするために効かせる。
この時に預けるお金が「証拠金」。
証拠金の計算は、業者によって細かく違いますが、100倍のレバレッジで、1ロットの証拠金は10万円前後です。
よく、入門書に、ロットサイズは総資金の3~5%とありますけど、あわせて証拠金維持率について触れてる本は殆どありません。
いいですか? 外国為替証拠金取引(FX)では、ポジションを持った瞬間に証拠金が業者に抑えられます。だから、10万円しか口座残高がない状態で、1ロット(10枚)のポジションをもつと、その瞬間に証拠金維持率が業者の規定値を下回り、いきなりマージンコールがかかるわけです。
「総資金」>「最大損失幅」+「必要証拠金」
これを念頭におく必要があります。
1ロットの勝負をするとして、レバレッジ100倍なら証拠金は10万円。
1pipsの損益は約1000円。最大損失幅を20pipsとすると20pips×1000円=2万円。
1回の勝負で、12万円以上の口座残高がないと、1ロット=10万通貨の勝負はできないということです。この証拠金はレバレッジ100倍計算ですが、現在の日本のFX業者のレバレッジは25倍(個人口座)なので、証拠金は40万円必要です。レバレッジ25倍の口座で1ロット勝負するには、証拠金 40万と最大損失幅の2万で42万円以上必要になります。
これがレバレッジが高いほうがリスク管理しやすいといった理由のひとつ。
1ロットという注文単位は変わらないので、1pipsあたりの損益は変わらない。
まとめ
いかがですか?
かなり、為替差益の仕組みについて噛み砕いて説明したので、ロットサイズ、レバレッジ、利益の関係がわかっていただけたと思います。
キャピタルゲイン狙いのトレードをしていると、「1pipsなんぼ?」という思考に陥りがちですが、これはロットサイズ自体をギャンブルの賭け金に置き換える行為です。
でも、それでは間違いってことは、今回の記事でわかっていただけたと思います(分からなければ、質問してくださいね)。
リスク管理という視点に切り替えるには、「1pipsなんぼ?」の発想から、自分は今いくらのお金を動かしているのか? というイメージが出来なければいけない。口座に100万円あり、レバレッジ100倍なら、1億円入っているのと同じです。1億円しかないのに、10ロット=100万通貨=1億円の勝負をするのは無謀です。でも、0.1ロット=1万通貨=100万円の勝負なら、資産に対する割合は1%なので、安全マージンは十分です。
冒頭のこれはどうでしょう?
FXで破滅する奴は、レバレッジを上げすぎてるからだよ。
レバレッジ2倍とか10倍でやれば破産なんてしないよ。
ここまで読んでもらえばわかると思いますが、レバレッジが2倍や10倍でも、損切りしなければ一緒です。
ドル円は現在103円近くまで上がってきましたけど、120円の買いを持っていたらどうですか? レバレッジ1倍で100円で張ってても、17円の損が出てます。これは待ってたら、プラスになりますか?
レバレッジを下げても損は損
損切り出来なければ、レバレッジが何倍でも一緒。
100円だから17円の損ですが、これが1000万円なら170万円の損が出てるわけです。それでもいつかは、120円になるのを信じて待ち続けますか?
結局、FXにおけるリスク管理とは、レバレッジが何倍であろうと、自分が相場を張るロットサイズが適切か? 最大損失幅(ドローダウン)をどの程度見積もるか? これらをを適切なレベルでコントロールするってことです。
ぶっちゃけて言うと、
自分の財布の大きさに合わせた
ロットサイズで勝負しろ
ということです。
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相場の資金管理は人生でも使えますね。
当然のことかな?
子供の小遣い指導に使ってます。
総資金(子供の手元の貯金)
1日2%しか消費しないように教えて見ました。
まだ小学生の低学年ですから毎日使う事はありませんが。
貯金を増やす思考になりつつあります。
子供にアルバイトをさせろと言われましたので・・・
15分足のマウスのクリックをさせて見ました。。。
それこそ、そのまま僕の号令のとおりにクリックしますので
トレンドなんか取ってしまったら稼ぎの2%をよこせっ!と言われました。
やれるかいっ!!てことで500円の報酬にしました。
トレンド中は暇なんでニンテンドウDS・どうぶつの森??でゲームをしながらクリック令を待ってます。。。
ゲームも凄いですね、カブ(植物)を育てて売っているので高値の売り時を
僕に聞いてきます。ユーロが分かるならカブも分かるだろっ??て。。。
知るかっ!!先は分からんって言いますが残念がってます。。。
しかし子供からすればこんな簡単に稼げるので
将来の夢を聞きますとユーロとドルになるっ!!意味不明な夢です。
相場では多くの事が学べますが 本当の人としてどうあるべきかは
社会に出て色んな事を経験させたい、したいです。