自動と裁量トレードでおなじもの、違うもの

2013/11/18 カテゴリ:機械化への道のり
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このブログは開設当初より、自動トレードシステムの開発をメインテーマにしてます。ただ、「プロトレーダーの考え方を機械に落としこむ」という開発方針をとっているので、たまに裁量トレードのことも取り上げています。


裁量トレードと自動トレードは相反するものではなく、相互を補完しているものだというのが、このブログの主張です。


ところで、自動トレードの開発方針というのは、大きく分けると2通りの考え方があるのを知ってますか?

(1) 裁量トレーダーの手法を、そのまま機械に落としこむ(裁量ルール)
(2) 自動トレード専用のルール(向いた方法)を適用する

どちらのやり方が正しく、どちらが間違いというわけではありません。
吉田はどちらも正しいと思います。


でも、共通点がひとつあります。
それが今回のお題目です。

 

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自動と裁量に共通するものは?

自動トレードの利点は、一度プログラムを作成してしまえば、24時間365日休まず稼働してくれることです。24時間稼働することも魅力ですが、人間では不可能な長時間の「待ち」ができることも、自動トレードの利点です。


裁量トレーダーが自動トレードに興味を示す最大の理由は…

待ち時間の解消(時間の有効利用)

師匠(為替和尚)も吉田も、チャートを眺めているのは好きですが、トレードをするときの待ち時間は嫌いです。とにかく、シンドイ。


だから、勝てるトレーダーが自動トレードに目を向けるのは、自然な流れなんです。そんな自動トレードもバラ色というわけではないですね。


自動トレードより裁量トレードの優れている点は、人間の分析力、観察力をフルに活用できる点です。中には言語化されてない直感部分もトレードに活用している人がいるでしょう。
(多かれ少なかれ、直感に頼っている部分はあると思いますけどね)


さて、自動と裁量トレードに共通した点に戻ります。
もうおわかりだと思いますが、どちらにも不可欠なものは…

明確なトレードルール

ごく当たり前の結論ですが、いくら議論しても、
最終的にここに戻ってきます。


トレードというのは、最終的に確率論、統計論の世界の話になります。
同じことを何度もくり返すので、必然的に統計論のお世話になります。


確率論や統計論の世界に入るためには、決まったトレードルールが必要です。当たり前ですけど、毎回毎回トレードルールやエントリー根拠が変わるのであれば、運が良かったから勝ってるだけですね。


だから、トレードルールを作ります。
これは運任せのトレードから、観測可能な世界でトレードをするための第一歩になります。観測可能とは、勝ち負けの記録や検証ができる世界のことです。


トレードルールとは、スタンプ、ゴム印みたいなものです。一度ゴム印を作れば、同じ図柄がなんどでも作れます(インクのかすれとかは抜きね)。

ぺったんぺったんすれば、検証済みのパフォーマンスが勝ち負け問わず出てくるはずです。


勝ってるトレーダーは、検証済みのルールに基づいてスタンプ(トレードルール)をぺったんしてるだけなので、これを自動的に押してくれると楽だなぁと考えます。つまり…

(゚∀゚)ピッコーン! そうだ、自動トレードにすればいいんだ!


そして、自動トレード開発を依頼したり、自力開発したり、吉田と師匠みたいに、スペシャリストが組んで開発に取り組んだりします。
この段階になると、もうひとつの共通点が問題になります。


それは、相場の状況判断、戦局の見極めです

相場の戦局の見極めが勝敗を分ける

終わったチャートでモノ言うならいくらでもできる。
肝心なことは、チャートの右端でどう判断するかや。

たびたび師匠が口にする言葉です。
でも、チャートの右端で判断するには、すでに見えているチャートから現在の状況を見極めた上で、チャートの右端で判断する必要があります。


ある人に、「師匠のエッジはどこにある?」と聞かれたことがります。
プランBやCといった玉操作? エントリー根拠?
みんなより早いエントリー技術?


あれこれ考えたけど、師匠と話し合って出た結論は、

戦局の見極めのスピードが早い

ということでした。戦局とは、公式サイトにもありますけど、

4つの戦局パターン

はい、これですね。
今、どの戦局にいるのか、チャートの右端で、現在の戦局は続くのか、変わるのか? これを見極めるわけです。


師匠は人には「押し戻り以外は買ったらダメよ」と教えますが、自分はレンジブレイクやトレンドの逆張り(順の逆)、ドテンなど、適度なボラさえあれば躊躇なくウチます。


師匠は、チャートから読み取れる情報の処理スピードが早いため、
瞬時にトレードの成否を見極められるわけです。


まだトレード歴半年未満のうちのカミさんと比較すると、エントリーや損切りの躊躇が見られます。これってもちろん経験や技量の差もあるけど、「状況判断のスピードの差」が結果に結びついているのです


判断のスピードを早めている一因として、ダメだった時の処理をきちんと決めていることもあります(師匠はプランBという玉操作をします)。

玉操作をしなくても、例えば、このラインを超えられたら損切りと事前に決めておけば、ポジションを持っている時に躊躇することは少なくなります。

すばやい状況判断、戦局の見極めはとても重要

師匠は押し目だけではなく、ドテンもブレイクアウトも狙います。
つまり、師匠は、押し目のルール、ドテンのルール、ブレイクアウトなど、複数のトレードルールを持っていることになります。


トレードの世界に限らず、相反する状況がある場合は、状況に合わせたルールを用意するのが手っ取り早いし、確実です。


でも、肝心のルールの切り替え(頭の切り替え)を行うには、現在の相場の状況を素早く判断できなければなりません。

強いトレーダーはこれが素早く、
正確なのです

もちろん、利益を上げている人の中には、自分の鉄板パターンが出てくるまで、じっくりと待つタイプの人もいます。これは、否定しません。


でも、ひとつしか戦術を持たない人も、自分のルールがワークする状況になっているか、状況判断を行っています


これをチャートの形から読み取るのか、あるいはオシレータやインジケータで行うかの違いはありますが、オシレータなどが提供してくれる情報がチャート上にプロットされた時、人間の脳内と、機械のCPU上での判断は異なることに注意する必要があります。

  • 現在の戦局はどうなっているのか?
  • それは継続するのか、変わるのか?
  • その他相場の状態はどうか?

すべては、チャートの右端で決断を下すために、左端から右端に続く情報をどう解釈するかにかかっています。

人間は視覚からの情報を脳内で認知してるけど、ボクラはロジックに置き換えてるヨ

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この記事に対するコメント

9 件のコメント

  • まつもと
    2013/11/19 22:23

    ぺったん超うけました(笑)

    そして素晴らしく的確な比喩表現だと思います^^

  • 2013/11/20 17:45

    まつもとさん
    ありがとうございます。今回の記事は師匠もほめてくれました(笑)。

  • ゲルググ
    2013/11/21 13:55

    こんにちは
    全然トレードに関係ないかもしれませんが
    しかしトレードから学べた事を活かして
    ダイエット・筋トレを9月から真剣に毎日やってきたんですが
    変な目標で1日200g(20pip?)のダイエット目的意識でスタートから現在-20kgになりました。
    栄養学とダイエットロジック?を構築し機械に任せるのは無理な話、これこそ自分の裁量??メンタル?意識?
    まず決めた事をやり続ける・・・
    結果は計測し毎日ノートに記録(4本値?)レンジになったり底堅くなったら断食!!
    筋トレはコンピュータがしてくれませんので自らの意識 慣れてきたらLot(負荷)を増やし・・・・
    トレード中こそ体・健康の為、絶好のチャンス!!と思ってしてみました。
    トレンド終了まで筋トレー!!さすがに利が伸びる程、体は苦しい・・・
    マウスを握れなかったりします(苦笑)
    ダイエットも成功?失敗があるとは知りませんでしたが
    簡単なこと気付きました。ノートに事細かく記録取り、食べる量から水分量まで 毎日減っていくほど楽しくなります
    学べる知識や技術はネットから・・・ていうか減るに決まってるとなります。(当然な自信?)
    東京マラソン目指したくなりつつ・・・今日は断食!!
    日サロ?に興味も・・・・
    たぶん変なコメントしてます。断食の日 頭少しおかしくなるんです。。。
    と言いつつトレンド中でした 不快でしたら非公開でお願いします。

    失礼しました。

  • 2013/11/22 09:04

    ゲルググさん
    トレードにかぎらず、記録を取るというのは大事ですね。
    吉田もフリーランスになってから、筋トレなどのトレーニングを実施していますが、継続させるためには記録が必要でした。
    現在も毎日の運動の記録をスマホに蓄積させてます。

    筋トレはキツイ運動をする場合は、超回復の期間をとらないと、逆効果なので気をつけてくださいね。

    ダイエットの件ですが、いま興味深い実験が行われてます。
    http://www.nikkei.com/article/DGXBZO61433170S3A021C1000000/

  • ゲルググ
    2013/11/22 10:51

    ありがとうございます
    筋肉回復時間が各筋肉によって違うので
    メニューは毎日変えてます。(為替でいうと通貨が違ったり、時間軸が違ったりかな)
    土日だけトレーナーを雇っているので学びながら過酷で安全にやってます。
    さすがに超回復後のパワーアップはたまりませんね おぉー!!て実感出来ます。

    紹介サイトにあるように僕は1つの原理を発見しました。食事より体は栄養分しか興味ないと体が訴えるのです・・・(ホントかよ!?極限で実感)

    食事から得られる栄養しか必要ないので 満腹感や食欲は別の意識や感覚と思いました。サプリメントによる補給は当然ですが

    相場と同じように捉えた場合 利益の為しか興味がないと同じでしたので
    EAもそこに重点を置いた場合、裁量トレードと全然違うシステムが出来ました。これが過去にコメントした バカげたプログラムです。

    しかし ここ5年間はPF1.6~3代維持です。複利でPFなんか当然大きくなりますが 安全マージンは当然ですね pip計算に興味がないので実マネーが大切でした。(-PIPで利益は大ってざらですね)

    自分の裁量より稼ぐ悔しさはあります。。。(笑)

  • 2013/11/23 09:07

    貴重な体験談ありがとうございます。
    そう言われれば、思い当たるフシも(笑)>必要な栄養素
    吉田は運動のみに偏ってますが、食事も見なおしたほうがいいわけですね。

    「相場は利益のためしか興味が無い」という言葉も含蓄ある言葉ですね。
    -Pipsで利益というのは、吉田も師匠も実際にやっています。これも大事なことですね。

    自動トレードは裁量より稼ぐというのは、開発に携わっている身としては特に実感できます。人間には限界があります。
    特に今回の記事のようにぺったんぺったんする作業では。

    最近トレードでも、同じものを見ていても見方を変えると違う結論になるという経験をしました。幸せの青い鳥状態です(笑)。

  • 吉田(同姓です^^)
    2013/11/23 10:53

    システムトレードでは基本として「過去に起きたことは将来も繰り返す」という前提の上にあり、(その前提が正しいかどうかは別として)現在の状況が過去のどのパターンと似ているのかという判断が、システムの肝になっているのだと思います。

     そのパターンを分類する手法として、おっしゃるように「チャートの形から読み取るのか、あるいはオシレータやインジケータで行うか」など手法はいろいろですが、最終的には定性/定量的データに変換して分類する必要が出てきます。この分類する作業が相場状況判断であり、その判断に基づきどう行動するのかがトレードルールである、と言うことができると考えています。 

    「左端から右端に続く情報をどう解釈するか」 やはりここがポイントであり、また現在の研究課題でもあります。。難しいですね^^

    ゲルググさんの筋トレネタで思い出しました。。
    10年ほど前、職場の先輩と自転車競技をやっていました。残業帰りで22時ころから毎日10km走るとか平気でやっていましたが、当時なんであんなに元気があったんでしょうか^^
     トップアスリートだと体脂肪一桁まで絞りこみますが、とてもそこまでは無理なので10%台前半まで落とすのですが、そうなると体調管理がシビアなんですよね。ちょっとしたことで風邪引きやすくなったり。レースで勝つためには体をギリギリの状態でコントロール必要があります。ただ果たしてその状態が健康と言えるのか・・(笑)
     中年期以降の健康管理という面でいえば、ストレッチをメインに、軽いLSDトレーニングと補助的に筋トレ、というくらいが丁度いいのかもしれません。ちょい小太りでほどほどの運動量のほうが長生きしそうな気がします。最近また体脂肪が13~15%に落ちてきて、そのせいかどうか分かりませんが風邪でダウンしてしまって、そんなことを考えています^^
     ほどほどって難しいですね。。

  • ゲルググ
    2013/11/23 17:09

    吉田(同姓です)さん
    そうなんです、最初は無知な上に過度なトレーニングをし過ぎて
    貧血になり風邪もひき ランニング中に倒れたりとか・・・さんざんでした。そして運動できない3週間があったり・・・無駄な時間を過ごしたと思い自己嫌悪になったりしましたが、それも良い失敗とし栄養、健康、運動との関係を勉強し、今は生存していますが。
    相場は失敗しても資金を失うだけですみますが、体の失敗は最悪は死!ですのでキチンと学び実行する、どこが無理している状態なのか自分で自分を知らなければいけないと思いました。
    しかし運動もハマッたら休みたくないんですよね・・・もっともっとみたいな限界を!! 今は制御出来ますがやっぱり相場と感覚が似てます(笑)
    でも追求・探求する志は必要だと思います。確実に前に進みますからね

  • 2013/11/23 17:41

    吉田さん

    多くの場合、トレードルールとはエントリーを点でとらえたものばかりです。でも、実際には、そのルールワークするために必要な条件が整っていなければなりません。

    相場の状況判断(戦局分類)というのは、かなり重要な部類であると考えています。というのも、チャートの右端で上に行くのか、下に行くのかを判断するのも状況判断ですから。

    吉田さんとゲルググさん

    トレーニングは目的を持ってやるのが、一番だと思いますよ。
    体脂肪率もBMIも、相場で言えばテクニカル指標のひとつにすぎません。どうしても、体脂肪や体重といった数値が先に立ちますけど、自分がどういう体を作りたいのかを中心に据えるのが正解だと思ってます。

    ちなみに吉田はトレーニングをして5年位になりますけど、初期の頃、結構無茶をして肩を壊しました。体に変調をきたすトレーニングでは無意味なので、今はどうなりたいかを意識しています。