自動と裁量トレードでおなじもの、違うもの
このブログは開設当初より、自動トレードシステムの開発をメインテーマにしてます。ただ、「プロトレーダーの考え方を機械に落としこむ」という開発方針をとっているので、たまに裁量トレードのことも取り上げています。
裁量トレードと自動トレードは相反するものではなく、相互を補完しているものだというのが、このブログの主張です。
ところで、自動トレードの開発方針というのは、大きく分けると2通りの考え方があるのを知ってますか?
(1) 裁量トレーダーの手法を、そのまま機械に落としこむ(裁量ルール)
(2) 自動トレード専用のルール(向いた方法)を適用する
どちらのやり方が正しく、どちらが間違いというわけではありません。
吉田はどちらも正しいと思います。
でも、共通点がひとつあります。
それが今回のお題目です。
自動と裁量に共通するものは?
自動トレードの利点は、一度プログラムを作成してしまえば、24時間365日休まず稼働してくれることです。24時間稼働することも魅力ですが、人間では不可能な長時間の「待ち」ができることも、自動トレードの利点です。
裁量トレーダーが自動トレードに興味を示す最大の理由は…
待ち時間の解消(時間の有効利用)
師匠(為替和尚)も吉田も、チャートを眺めているのは好きですが、トレードをするときの待ち時間は嫌いです。とにかく、シンドイ。
だから、勝てるトレーダーが自動トレードに目を向けるのは、自然な流れなんです。そんな自動トレードもバラ色というわけではないですね。
自動トレードより裁量トレードの優れている点は、人間の分析力、観察力をフルに活用できる点です。中には言語化されてない直感部分もトレードに活用している人がいるでしょう。
(多かれ少なかれ、直感に頼っている部分はあると思いますけどね)
さて、自動と裁量トレードに共通した点に戻ります。
もうおわかりだと思いますが、どちらにも不可欠なものは…
明確なトレードルール
ごく当たり前の結論ですが、いくら議論しても、
最終的にここに戻ってきます。
トレードというのは、最終的に確率論、統計論の世界の話になります。
同じことを何度もくり返すので、必然的に統計論のお世話になります。
確率論や統計論の世界に入るためには、決まったトレードルールが必要です。当たり前ですけど、毎回毎回トレードルールやエントリー根拠が変わるのであれば、運が良かったから勝ってるだけですね。
だから、トレードルールを作ります。
これは運任せのトレードから、観測可能な世界でトレードをするための第一歩になります。観測可能とは、勝ち負けの記録や検証ができる世界のことです。
トレードルールとは、スタンプ、ゴム印みたいなものです。一度ゴム印を作れば、同じ図柄がなんどでも作れます(インクのかすれとかは抜きね)。
ぺったんぺったんすれば、検証済みのパフォーマンスが勝ち負け問わず出てくるはずです。
勝ってるトレーダーは、検証済みのルールに基づいてスタンプ(トレードルール)をぺったんしてるだけなので、これを自動的に押してくれると楽だなぁと考えます。つまり…
(゚∀゚)ピッコーン! そうだ、自動トレードにすればいいんだ!
そして、自動トレード開発を依頼したり、自力開発したり、吉田と師匠みたいに、スペシャリストが組んで開発に取り組んだりします。
この段階になると、もうひとつの共通点が問題になります。
それは、相場の状況判断、戦局の見極めです。
相場の戦局の見極めが勝敗を分ける
終わったチャートでモノ言うならいくらでもできる。
肝心なことは、チャートの右端でどう判断するかや。
たびたび師匠が口にする言葉です。
でも、チャートの右端で判断するには、すでに見えているチャートから現在の状況を見極めた上で、チャートの右端で判断する必要があります。
ある人に、「師匠のエッジはどこにある?」と聞かれたことがります。
プランBやCといった玉操作? エントリー根拠?
みんなより早いエントリー技術?
あれこれ考えたけど、師匠と話し合って出た結論は、
戦局の見極めのスピードが早い
ということでした。戦局とは、公式サイトにもありますけど、
はい、これですね。
今、どの戦局にいるのか、チャートの右端で、現在の戦局は続くのか、変わるのか? これを見極めるわけです。
師匠は人には「押し戻り以外は買ったらダメよ」と教えますが、自分はレンジブレイクやトレンドの逆張り(順の逆)、ドテンなど、適度なボラさえあれば躊躇なくウチます。
師匠は、チャートから読み取れる情報の処理スピードが早いため、
瞬時にトレードの成否を見極められるわけです。
まだトレード歴半年未満のうちのカミさんと比較すると、エントリーや損切りの躊躇が見られます。これってもちろん経験や技量の差もあるけど、「状況判断のスピードの差」が結果に結びついているのです。
判断のスピードを早めている一因として、ダメだった時の処理をきちんと決めていることもあります(師匠はプランBという玉操作をします)。
玉操作をしなくても、例えば、このラインを超えられたら損切りと事前に決めておけば、ポジションを持っている時に躊躇することは少なくなります。
すばやい状況判断、戦局の見極めはとても重要
師匠は押し目だけではなく、ドテンもブレイクアウトも狙います。
つまり、師匠は、押し目のルール、ドテンのルール、ブレイクアウトなど、複数のトレードルールを持っていることになります。
トレードの世界に限らず、相反する状況がある場合は、状況に合わせたルールを用意するのが手っ取り早いし、確実です。
でも、肝心のルールの切り替え(頭の切り替え)を行うには、現在の相場の状況を素早く判断できなければなりません。
強いトレーダーはこれが素早く、
正確なのです
もちろん、利益を上げている人の中には、自分の鉄板パターンが出てくるまで、じっくりと待つタイプの人もいます。これは、否定しません。
でも、ひとつしか戦術を持たない人も、自分のルールがワークする状況になっているか、状況判断を行っています。
これをチャートの形から読み取るのか、あるいはオシレータやインジケータで行うかの違いはありますが、オシレータなどが提供してくれる情報がチャート上にプロットされた時、人間の脳内と、機械のCPU上での判断は異なることに注意する必要があります。
- 現在の戦局はどうなっているのか?
- それは継続するのか、変わるのか?
- その他相場の状態はどうか?
すべては、チャートの右端で決断を下すために、左端から右端に続く情報をどう解釈するかにかかっています。
ぺったん超うけました(笑)
そして素晴らしく的確な比喩表現だと思います^^