あなたは2mのハードルを根性で超えられるか?
世界一の投資家ウォーレン・バフェットは言った。
成功できたのは、飛び越えられるであろう30cmのハードルを探すことに精を傾けたからであり、2mのハードルを飛び越えたからではない
ウォーレン・バフェットといえば、個人資産の世界ランキングで常にトップクラスの投資家です。この人が自分の成功について言及した言葉ですが、あれだけの実績をたたき出している人だけあって、その言葉には重みがあります。
これは言い換えると、「今の自分にできることを探す」と言えますね。
子供の頃は、家の壁でさえ崖のように感じられ、その先にあるものが見えませんでした。でも、背が伸びるに従って、壁の向こう側が見えるようになりました。
自分にとっての30cmのハードルは、いま乗り越えられるハードルであり、自分が大きく成長すれば、2mのハードルも30cmに感じられるようになると思います。
先日、師匠の為替和尚が、うちのカミさんにトレードのワンポイントレッスンをしました。これがウォーレン・バフェットの言葉とリンクしてるのです。
師匠のワンポイントレッスンで
前回の記事「エントリーの鉄則は人の不得手だった!?」で、吉田がトレード指導をしているカミさんが、いろいろと壁にぶち当たって苦しんでいることを書きました。
うちのカミさんの問題点を整理すると…
- エントリーポイントまで待てない
- 待てないからローソク足の急な動きに飛びつく
- 飛びつきで持ったポジションが損切れない
- 利益の出ているポジションはチキン利食い
えー、要約すると
見事なまでにプロスペクト理論の罠にハマってるわけです
プロスペクト理論についての詳しい説明は、公式サイトの記事「あなたが勝てない理由。プロスペクト理論の罠」を見てくださいね。
前回の記事でもコメント頂きましたけど、やってはいけないと言われてることをトレードの現場でことごとくやっちゃうのが人間です。
うちのカミさんもはっきりとトレンドが出ている局面でチャートを開けば、3戦3勝なんて成績を叩き出しますが、ちょっとむずかしい局面だとプロスペクト理論の罠に陥ります。
でも、まぁ人間ならしょうがないですね。
だからこそ、FXでは95%の人間が負け組になるわけですし。
教科書通りの対応なら、「損切り出来ないのはメンタルの問題だ!」、「ルールを守れ!」、「チキン利食い厳禁!」といって、最終的に竹槍でB29を落とすがごとく精神論になるわけですが、師匠の言ったセリフはひと味違いました。
損切りできんなら、かまへん
チキン利食いもしゃーない!
えぇっー! って感じですね。
FXに限らずトレードの世界では、「トレードルールを守る」というのが絶対視されてます。吉田も師匠もその点は認めていますが、ここでちょっと思い出してください。
たいていの人は、元旦にその年の抱負を誓いますね。口外するかどうかは別で。吉田もその年に達成すべき目標を年末から年初にかけて立てます。
これはいわば、「自分との約束」です。例えば…
- 今年こそはたばこをやめる
- トレードで月10万以上稼げるように勉強しよう
- 毎日30分運動をするようにしよう
- 今年こそは本気だす!
誓う内容はなんでもいいです。では今は10月。今年も残り1/4です。
この段階で年初の抱負はどれだけ達成できてますか?
「誰々と何時に待ち合わせ」のような達成しやすい約束は守れても、
自分の習慣を変えるような約束はなかなか達成できないものです。
「トレードルールを守る」という「約束」がなかなか達成されないのも同じで、相場の世界はプロスペクト理論が支配するので、これに打ち勝つのは難しいのです。
30cmのハードルと2mのハードル
相場の世界で生き残るには、「損小利大」を達成する必要があります。この字面だとすぐにリスクリワードに結びつきそうですが、そうではありません。とにかく、利益よりも損失を抑えることができれば、損小利大は達成できます。
一番簡単なのは、損失が小さいうちに、損切りすることです。
でも、浅い損切りラインは、エントリーポイントを本当に点で当てないと、逆に損切り貧乏になってしまう可能性があります。極端な例ですが、1pips逆行されたら即損切り。1pipsの損で切れれば、スプレッドを入れても3pips以内なので確かに1回あたりの損失は小さくなります。
その代わり勝率は落ちると思うので、結果的に小さく負け続ける損切り貧乏になるのです。
師匠は「FXは勝っても負けても自分を攻めるゲームだ」と表現します。
例えば、利益が出た。もうちょい伸びそうだけどとりあえず利確。でも利確をした瞬間にグイーとローソク足が伸びる。
「しまった! もっと持ってればよかった!」
(チキン利食いの後悔)。
あるいは、損失が半分まで戻った。もうちょい耐えれば、建値付近までは戻るだろうと、損切りせずに耐える。そしたらいきなり暴落して損失が2倍5倍。
「やっぱり、さっきのところで損切りしてればよかった」
(損切りできない後悔)。
どちらもありえるケースですね。
でも、プロスペクト理論で証明されているように、上記の行動は人間ならしかたがないことなんです。これを精神論で抑えるのは、結構無理があります。
ウォーレン・バフェットの話にたとえるなら、2mのハードルを越えようとして努力して感じかな? 必死に練習すればいつかは超えられるかもしれませんが、2mのハードルを超えられるようになるのは並大抵の努力じゃすまないことはわかります。
損切り出来ない。どうしてもチキン利食いになる。では、どうすればいいか?
師匠が言った言葉は
損切り出来ないなら、それでかまへん。では、損切りしないで済む方法を考えましょう。チキン利食いもそうや。どうしても目先の利益を確保したくて、まだ伸びそうだけど、利食いがしたい。ほんなら半分だけ利食っておいて、あとは放置してもいいねん。そうすれば、最悪建値まで戻されてもチャラで逃げられる。
つまり、自分に乗り越えられそうな「30cmのハードル」を探すことの提案でした。
自分にとってなにが2mのハードルで、なにが30cmのハードルなのか。まず、これを見極めることが大事だと思います。
吉田が取り組んでいる自動トレードも、一度作ればその通り動きますけど、望みどおりのものを作るまでが大変。最初からプロトレーダーと全く同じ判断をする自動売買を作ることは、2mのハードルなのです。
だから、まず、今の自分にできる30cmのハードルを探すところからはじめるのは、裁量トレードと同じですね。
裁量トレードの場合、まず自分にできないところ(損切り出来ない、ローソク足の急な値動きに飛びつく、チキン利食いなど)を見つけ、それを乗り越えるための30cmのハードルを探すべきです。
その時点でできるベストを尽くし、乗り越えられる30cmのハードルを確実に越えて行けば、その時は2mに感じたハードルもいつか30cmに感じられる日が来ると吉田は考えます。
困難は分割せよ。
千里の道も一歩から。。 よく言ったものです。
しかし時間が経つのは早いですね。
今年の初めには、「なんとか今年中に稼動まで!」と意気込んでいても、
もうあと残り1/4年。今年中の稼動を目指すならば、システムはほぼ出来上がり、最後のバグ取りやら試験運用をしていなければいけない時期です(笑)
2mのハードルならまだいいですが、立ち向かっているのがそもそもハードルなのか、無限の高さの壁なのかすら見えていない状況ですが、越えられると信じて目の前の課題を一つ一つこなすしかありません。。
そういえば昔のパソコンはOSもアプリも全て一枚のFDDに入っていたんですよね^^ 漢字変換のたびにFDDがガガッ!と鳴っていました。。
FDDも文字どおりペラペラでしたし(笑)
ここまで技術は一歩ずつ進んだわけですし、10年後にはさらに変わっていることだと思います。
話は脱線しますが、最近のパソコンの進化はなにか行き詰っているような気がします。。黎明期では、カセットテープ(ピーヒョロロ)からFDDになり感動し、漢字が打てて感動し、HDDの登場で容量&便利さに感動し、GUIに感動し、インターネットの普及に感動し、、、(笑) わくわくしたものです^^
Windows7にしてもWin8にしても、「ここが変わりました!」って言われても、「・・・・それで?」という感想しか出てきません。。 やり方は違うけどそれWin98でも実現できてましたよ。。というつっこみ所満載なのが^^(もちろん9x系からNT系になったときの安定性には感動しましたが)
XPからカーネル作り直しておいてそれだけですかっ! という心の叫びはMSには届かないのかもしれません。。。
(もちろんMSも商売ですから無理にでも新OS作って売らないといけないのは分かりますが。。)