初心者には何を指導すればよいか?
「ズブの素人にFXを教えてくれ!」と言われたら、どうするか?
ほとんどの人は「だが、断る!」と答えることでしょう。
吉田の場合は、頼まれたのが身内なので引き受けましたけど、
アカの他人ならまず引き受けないだろうなとおもいます。
人に教えるのは、とにかくエネルギーがいるし、せっかく指導しても
成果が実らずだと、こっちも凹みます。
FXにかぎらず勝負事の場合、単に知識を授ければそれで終わりではなく、
たいていは勝てる、儲けるがセットになっているのでとても大変。
もちろん、上達には差があるし、何よりも最終的には教わる側の自己責任
なので、これはゴルフレッスンや英会話と条件は一緒。
でも、相手のいることなので、勝つまで指導するというのは本当に骨の折れる仕事なんだな。
ただ、人に教えるということは、自分自身の理解度をチェックし、1段レベルをあげるのに役立つのは事実で、吉田もブログやホームページ、弟子への指導を通じて、自分自身のレベルアップを図ってきたのも事実。
今日は初心者にどう指導すべきか、初心者がどこに躓くかを考えてみたいと
思います。
最初のレッスン
まずは、生徒のスペックから。
- 投資経験: 0年 (株もFXも)
- 勝負事の経験: 0年
- 投資に対する知識: 0
- 為替に対する知識: 0 (円高、円安という言葉を知ってる程度)
- パソコンに対する知識: ユーザーレベル
ようするに、素人の上に「ずぶの」とか「ド」とかつくぐらいの、超弩級の素人ですわ。辛うじてパソコンが使えるだけで。
では、ズブの素人に何を指導したか?
これは悩みましたけど、最初の授業はゲームのルールを教えるべきと考えてたので、FXトレードというマネーゲームの基本を教えました。
- チャートが上がる(右上)と思ったら、買う
- チャートが下がる(右下)と思ったら、売る
- 利益は、エントリーポイントから、どれだけ順方向にとんだか?
- 損失は、エントリーポイントから、どれだけ逆方向に行かれたか?
- ポジションを持ってる時間は、自分で好きに決める(1秒以内に決済しても、1週間かけて決済してもよい)
- 決済するまで、利益も損失も確定しない
などなど。でも、結局は
上がるか下がるか1/2を
あてるゲーム
ってことを理解させました。
それから、何を持って上がるか、下がるかと判断するか?
トレードの基本として、トレンドラインを引いて方向性を判断し、
横線を引いてタイミングを取るやり方を説明。
だいたい、この辺りで頭から煙が出そうになってたので、一旦講義は終了。
この時のチャート上に、縦線と横線を引いておき、「ここからまだ下がると思うから、2時間くらいしたらチャートを開けて確認してみな?」といって最初のレッスンは終了。
最初に何を教えるかは諸説ありますが、相場ってものがどういうものかを正しく理解させるのがポイントかなと思います。
今回教えたのは、ローソク足とトレンドライン、縦線のみ。
オシレータもインジケータも一切使ってません。
ただ、時間についてはMT4はサーバータイム表示なので、拙作のKawaseOsyo Market Overlapをいれて、日本時間を表示させましたけどね。
初心者はどこに躓くか?
相場の経験が長い人ほど、自分が初心者の時にどこに躓いたかがわからないものです。吉田は師匠の為替和尚と組んでまる5年になります。
その前の、独学+チャー◯マスターというところでの学習期間を入れると6年半くらいになると思います。
さすがに、記憶を頼りにどこに躓いたかを思い出すのは無理ですが、実は初心者の時にどこが分からなかったかを、メモを残してあるんです。
競馬を20年やっていた関係で、初心者が学習する過程は記録しておいたほうがいいと考えたわけです。
そのメモの一部を抜粋しますね。
- 用語がわからない
- 1pipsがいくらなのかわからない。そもそもpipsってなに?
- 1万通貨、10万通貨の意味がわからない
- 証拠金維持率って何?
- Bid、Askどっちが買い?
- ボリンジャーバンドの見方がわからない
- レンジ相場を指す言葉が多すぎる!
- 中指って何? 見つけ方がわからない
- トレンドラインってどうやってひくの? 使い方は?
- トレンドラインブレイクってどういう状態?
- ボラティリティってなに?
- どの時間足を見ればいいの?
- ストップってどこに入れればいいの?
などなど。初心者の時に、疑問に思ったこと、躓いたことがテキストファイルに残ってます。
でも、メモの例としてあげたのは、どちらかと言えば細かいことで、
一番知りたいのは…
売り買い決済はどうするの?
ってこと。
今回指導したカミさんも、最終的には「どうやって、買いって判断するのか?」ってことでした!
吉田の場合、このあと本を読み、その中に載っていた手法(スクイーズ)に注目し、自分なりに試行錯誤するようになったわけです。
勝ったり負けたりをくり返し、その都度、外から知識を入れて試行錯誤を
くり返す。この連続でした。
で、2009年6月に師匠と出会い…
バイアスが見えてない
と指摘されたわけです。
この時の吉田は、インジケータを元に仕掛けのポイントは分かってたけど、売り買いどっちの圧力が強いかが、判断できませんでした。
理屈を教え、型にはめる
師匠は弟子に指導する時、「まず、理屈を教えて頭で理解するようにせなあかん」といってました。
これは賛成。
でも、理屈はそっけなく言ったことでも、かなり奥が深かったりするので、
ほんとうの意味を理解できるようになるには、時間がかかります。
そこで、吉田はまず、型(ルール)を教えるべきだと考えます。
FXってゲームは、
素人が学ぶにはフリーダムすぎ!
決済のタイミングも、エントリーも、時間足も戦略も、取引に関するルール以外はすべて自分で決められるところが魅力ですが、はじめてこのゲームに接する人にはあまりに自由すぎて、何からすればいいのかわからないのです。
だから、まずタイムフレームを固定してあげて、トレンドに対して順方向に打つという基本戦略を教え、そのために必要な考え方、テクニカルの見方を教えるのが結果的に一番早いし、迷いが少ないかな?
自由なルールを逆手に取る方法(玉操作とか)は、順方向に理屈だけでアプローチして勝てるようになってからで遅くない。
というか、早すぎる!
吉田も、最初は人が考えたトレードルールを使いました。
トレードはルールが大事というけれど、ズブの素人がいきなりオリジナルのルールを作れるか? と言えばそれは無理なので、最初は誰かのルールを与えるのがいい。
決まったルールを使って、実際にトレードしてみないと、
悩みも見えてこない。どこで躓くかも見えない。
ただ、シグナルが出るようなインジケータとか、テクニカルを多用したルールを使うことはあまり賛成できない。
というのも、サインに従うだけで、自分で考えなくなるので。
勝ち負けをくり返し、ベテランになった時にはじめて「手法なんてなんでもいい」、「エントリーは適当」なんてセリフが吐けるようになる。
まずは、ゲームに慣れること、基本原則を理解することがなにより大事かな。
こんばんは!!
メモをとっておくのは大変良い事ですよね^^
特に心理面での事を書いておくと、後に大変な財産になります^^
って、なんで自分はとっておかなかったんだろう…(泣)