祭りの終わった後? 不思議な心理学
GW最終日。皆さんはいかがですか?
子連れで出かけ、人混みに疲れ気味の吉田です。
4月から5月にかけて、競馬の世界では大きなレース(G1)が開催されてます。
大きなレースは普段競馬をやらない人も参加してきて、にわかに活気づくのが特徴です。GW中も競馬新聞片手に電車に乗り込むカップルやおじさんなども見られたとか。
しかし、不思議なのが人の心理。
ちょっと前のレースですけど、皐月賞っていう若馬のG1レースがありましたが、隣の見知らぬおじさんと彼の部下らしき若者が…
「いやぁ、このレース。馬券買ってれば1-2-3着全部当たりだよ!」
「そうですね。このメンツで、三連単で5000円つけば御の字ですよ」
「馬連なんて840円ついたから、1万円買ってれば8万円の払い戻しだ」
こんな会話が耳に入りました。
1-2-3着当てて自慢になるか? 人気通りにキレイに決まったレースに!
とは申しませんが、顔は
このニワカめっ!
ってなってたかもしれませぬ。
そもそも買ってないレースの馬券云々の話をするのに意味があるのか、
その辺は妙な人間の心理が働いてるのかもしれませんね。
でも、競馬にかぎらずFXでも見られる光景なんですよ。
祭りの終わった後
FXの世界でも、チャートを開いてみたら直前まで大相場だったら、
しまった! この時間にチャートを見れてたら、100pips儲かったのに!
今となっては祭りの終わった後だ!
こんな表現をします。
確かに、チャートを開くと直前の大相場が目につきますが、
こういうセリフは先の競馬の会話と一緒でまったく無意味です。
競馬では、「買っていれば取れてた」というセリフが出てきますけど、
裏を返すと「参加しない」という選択をしたということです。
「この時間にチャートを見ていれば!」
「馬券を買ってれば!」
これはすべて結果論で、本当にその時間にチャートを開いてても、
利益が得られたかはまったく別の話です。
虚栄心が話をややこしくする
さてさて、こういう会話をするのは、どういう心理が働いているのでしょう?
思うに…
自分を大きく見せたい虚栄心
が働いた結果
といえるでしょう。
自尊心やプライド、自己尊厳を表現する言葉にはいろいろありますけど、
この「虚栄心」が一番厄介なシロモノです。
虚栄心があると、知らないことにも知ったかぶりするし、
先の競馬の例みたいに、買ってもいない馬券がとれてたのにと話します。
これが過ぎると、買ってもない馬券をさも的中させたみたいに
語るようになっていきます。
この行動が常態化すると、自分は1点で万馬券をあてられるとか、
1回のトレードで100pipsとれるとか、変なセルフイメージが
出来上がります。
すると、バッドセルフイメージのせいで、実際のトレードでエントリーに
躊躇したり、利食いが遅くなったり、無理なトレードが多くなります。
すべてはチャートの右端で判断できるか?
競馬でもFXでも、結果を知ってから、トレードをしたり馬券を買えば、
脳内でいくらでも勝てる言い訳を作れます。
でもリアルでそれができるか
は別問題!
冒頭の「馬連を1万円1点買えば8万円」というセリフも、
発送前にこういう馬券が買えるかといえば、まったく別モノです。
フルゲート153点ある馬連を、1点しか買わないというのはかなりの博打
ですし、普段から1万円以上馬券を買っている人ならともかく、ニワカが
給料の1/20を賭けられるかといえば、無理な話でしょう。
FXの場合は、チャートの右端で売買の判断ができるかどうか?
終わったチャートで見れば100pipsの相場でも、
- トレンドの頭でエントリーできるか?
- 利が乗って、勢いが止まったら早々に利食いをしてしまわないか?
- ドテンやレンジに移行する前に、利食えるか?
ちょっと考えただけでもこれだけ出てきます。
熟考した結果、エントリーを見送るかもしれません。
雑談で、相場のえげつない動きや馬券の配当をネタにするのはいいでしょう。でも「ああ、この時間にチャートを見ていたらとれてたのに!」と
思うようだったら危ない危ない!
実際に参加しても、うまくいくかどうかは別問題ですよ!