あなたは知ってる? 自動と裁量トレードの差
現在、春の自動トレード開発強化期間です!
師匠(為替和尚)が、飲食店の開店準備でまるまる3ヶ月間時間を取られてしまい、その間の自動トレードの開発は滞っていました。
ちょうど、吉田も急ぎの仕事があり、お互いに自分の仕事に専念しましたが、4月から双方のかかえる仕事が一段落したこともあり、自動トレード開発が本格的に再開です!
週に1度は自動トレードの会議がありますけど、その中で常に話題になっているテーマがあります。それはズバリ…
裁量トレードと自動トレードの差
です。ウチのブログのタイトルの「FXで完全機械化は可能か?」を地で行く内容で、真剣に議論すればするほど、この問題がクローズアップされます。
吉田と師匠は自動トレードシステム開発に5年ちかく取り組んでるんですが、やっぱり最終的には機械と人間の差に戻ってきてしまうのです。
では、毎回問題になる「裁量トレードと自動トレードの差」とはなんでしょう? 続きを読む前に、ちょっと考えてみてください。
自動と裁量トレードの違いは?
まずは結論から。
裁量トレードと自動トレードの最大のちがいは
人の判断はあいまい(アバウト)
だってことです。認知の違いといってもいいかもしれないですね。
人がトレードするときは、チャートを見ます。個人差はありますが、
エントリーの判断にかなりゆるい部分があります。
これは別に毎回ルールが異なるとか、微妙に違うということを言ってる訳じゃないですよ。ルールを毎回かえるは論外。
一方、機械がトレードをする場合は、必ず数量化して、数値で判断を下す
必要があります。自動トレードシステムを作ったことがある人は経験があると思いますけど、判断を容易にするために、インジケータやオシレータを利用していることが多いと思います。
インジケータやオシレータは、人間が使ってもわかりやすいものですが、
これに頼りすぎると、相場の状態によってはワークしなかったり、
だましのシグナルがでまっくたりします。
それで、あわくってフィルタをどんどん追加して、
シグナルの発生率を下げる。
でも、これは正しいか? うーん、ちと違うかな。
フィルタを追加しなければいけないのは、狙っている波(トレンド)をきちんととらえていないということです。
機械と人、同じチャートを見ても人間の認識にはアソビがあります。
このアソビが曖昧さの正体です。
認識のアソビとは?
たとえば、サポレジを判断するとき。同じような価格帯に中指が並んでいて、その付近で跳ね返されるのを人がみると、その価格帯の付近に堅いサポレジがあり、そこを抜けたらブレイクだ! と判断できます。
しかし、機械に同じチャートを認識させようとすると、ぴったりの価格であれば同じサポレジだと判断できますけど、わずか1pipsずれていただけで、違うサポレジだど判断されます。
その他の例としては、人はチャートの形をみれば、アップトレンド、ダウントレンドを判断できますね? また、押しと戻りのポイントもチャート上から簡単に拾うことができます(少なくとも終わったチャートでは)。
では、機械はどうか?
機械はローソク足の形やトレンド、押し戻りを人間のように認識できません。
たとえば、移動平均のようなものを利用すれば、トレンドは判断できるかもしれないですが、それでも人間と同じように認知させるのは困難です。
機械にトレンドを判断させようと思えば、移動平均など容易に数値化できるものを使用します。しかし、それでも人間の認識とはズレがあるので、複数の移動平均線を重ねて、その位置関係で無理矢理トレンドを認識させようとします(でも、これも人間の認知からはどんどん離れていっちゃうんだけどね)。
目で見た映像を頭のなかで処理
して、アバウトな判断を下す
人はいとも簡単にこなすけど、これはかなり高度な処理なんです!
機械に判断させるには?
機械には人間のように、認識にアソビをもたせることは困難です。
機械に何かを判断させるときには、数値に置き換える必要があります。
少なくともノイマン型コンピュータを使っている限りはね。
でも不思議なことがあるんです。FXに限らず相場の世界は、もともと数値だけの世界だったわけです。気配値。BidとAskの価格がすべて。
しかし、気配値だけでは相場の買い時と売り時が判断できないので、人間が簡単に判断できるように作られたのがチャート(ローソク足など)なのです。
みんなが目にするチャート上のローソク足も、もともとは単なる数値。
これを四本値という数値群にまとめ、一目で判断できるようにしたのが
ローソク足でありチャート。
つまり、相場の世界はもともと数値が支配していたのを、人間が図形(チャート)の世界にしてしまったわけです。
人は数値だけでは、よほど数字に強い人じゃないと見ただけで判断できないけど、これを図にするとかなり敷居が低くなる。
機械に判断させるには、数値を図置き換えたチャートを、ふたたび数値に戻してあげる必要があるわけです。とはいえ単純にすべての四本値をそのまま読み込ませても、機械には判断が難しいでしょうね(その前に作る側がチンプンカンプンになりますけど)。
人間でも無理でしょう! 試しに明日から、四本値だけをみて売買判断しろと言われたらどうしますか? 少なくとも吉田は無理です!
ではどうするか?
単純化するのです
チャート上であなたが重視しているものに近い形に、
数値を単純化するわけです。
たとえば、流れを単純化したいのであれば、オシレータを使うのものひとつの手です。オシレータは計算式によりチャート上の動きを単純化しています。
あれ? でも、インジケータやオシレータに頼りすぎては
駄目って最初に言わなかった?
いいました! ただし、ここで言ってる単純化のためにオシレータを使うのと、チャートの数量化のためにインジケータとオシレータを組み合わせることは意味合いが違いますよ。
さて、そろそろまとめます。
裁量トレードと自動トレードの差は、人間と機械の認知の差からきてますけど、これを単純な数値やモデルに置き換えることで、機械でも判断できるようになります。
問題は、何をどれに置き換えて、どう判断するか?
完全機械化への道は遠いですね。
それでも機械は人間より素直なんですよね
前回の記事で人に教える事より機械は素直に従うんですよね
機械は支持どおり素直にするしかないんですよね
機械が反抗したり勝手に判断したり(人工知能?)になったら
どうなるんでしょう? 機械と会話する時が来るのでしょうか?