奮戦記:先の見えないトンネルのなか

2013/04/03 カテゴリ:自動トレード開発奮戦記
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先の見えないトンネルの中

前回のあらすじ(ボラのないところを避けろ!)

ボラティリティのない区間が足を引っ張っていた。
この状況を解決するため、ボラティリティを定義するインジケータ(デッドバンド)を苦心して作成したが、完成したインジケータは裁量トレードでは有用だったが、自動トレードに利用するには課題も多かった。


デッドバンドの開発には、1ヶ月近い開発期間をかけたが、結局徒労に終わった。

吉田は、開発中の自動トレードシステム「トレーディングエッジ」をいったん凍結し、開発は完全に暗礁にのりあげた。


この時は、何をどうすればいいのかまったく手応えがなく、
まるで先の見えないトンネルにいるようだった。

 

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どう舵取りすべきか?

2010年10月。この時期の師匠(為替和尚)と吉田は、心理的にどん底にいた。
この先、どのような舵取りをすればいいか、方向性が見いだせない。

思いつく限りの手をつくして試行錯誤するものの、良い結果が見えない。
この時期、師匠との電話は、お互いを励ますような内容が多かった。


傍目からは、カラ元気のようにみえたかもしれない。


師匠(為替和尚)はことあるごとに電話をしてきて、FXについていろいろ
と講義してくれた。師匠も、実際に物を作る人間が、理屈を理解しないことには先に進まないとの考えだった。


しかし、きちんと講義をしているわけではないので、師匠の話は毎日コロコロと変わる。内容は一貫性があるが、話の主題が毎回違うのだ。


この時期までに、相当量の講義をしてもらったと思う。ただ、自動トレードに寄っていたので、玉操作のような裁量トレードで生きる技術ではなく、エントリー全般に関わる噺である。


先の見えない状況だったので、整理する意味をふくめ、これまで教わったことを「マインドマップ」と呼ばれる図に落としこんでみた。

マインドマップとは?

マインドマップはトニーブザンが考案した、思考法とノート術の一種であり、中心になるキーワードから放射状に関連キーワードを連想していくのが特徴である。文章ではなく、絵やキーワードを利用し、左脳ではなく右脳を働かせる。

(1)中心となるテーマを書く

(2)派生キーワードを枝に書く

(3)派生キーワードから連想できるキーワードをさらに枝として書く

 

マインドマップ|トニー・ブザン公認インストラクター解説【1】マインドマップのかき方 – YouTube

これが当時作った師匠の頭の中をブレインダンプしたマインドマップである。
講義だけでなく、飲んでる時、雑談をしている時になにげなく師匠が発した言葉もまとめてある。

為替和尚のトレード構造解析

※クリックで拡大出来ます。

 

マインドマップからの転換

師匠の教えをアウトプットしたマインドマップを、早速師匠に見せた。

師匠「これか吉田っち? ほうほう。確かにみとるな。意識しとるわ」
吉田「何か抜けはありますか?」
師匠「この間、頭にUSBを差し込んで情報を抜き出したいといったことを、ホンマにやりおったな」
吉田「いままでバラバラに習っていたので、どれを全部書き出してみようかと思って・・・。トレーディングエッジも結局お蔵入りになったし、どこから手をつけたものか」
師匠「しかし、吉田っち、このマインドマップを見ると吉田っちは、結構理解しとるで! 確かに俺がみてるところがかなり網羅されとるわ!」
吉田「改めてこうしてみると、いろいろみてるんだなぁって・・・。でも、これらをどうつなぎ合わせたものか・・・。」
師匠「そやな・・・。マインドマップの左上にある節を巡る攻防。これが一番大事やな。俺もチャートみながら考えたんやけど、やっぱりこれが俺のトレードの基本やで! スキャルピングの場合は、1時間の節や」
吉田「1時間の節はトレーディングエッジでも利用してますけど、これをどうするんですか?」
師匠「ちょっと、これみてもらえるか?」

 

師匠はTeam Viewerで1枚のチャートを見せた。

 

吉田「どれですか?」
師匠「これや。カスタムキャンドルっていうインジケータなんやけど、これは今の時間足に違う時間足のローソク足を表示しとるだけや。これを1時間ずらして表示できひんか?」
吉田「というと、1本ずらしてカスタムキャンドルを表示させると言うことですか?」
師匠「去年、吉田っちに1時間のサポレジを表示するインジケータを作ってもらったやろ? あれは全部線で表示されとったけど、1時間ごとに区切ってローソク足のように表示して欲しいんや」

カスタムキャンドル
吉田「1時間足に限定すれば、簡単に作れると思いますけど・・・。なんか意味あるんですか? これ?」
師匠「まぁ、ひとまず作ってみて。実際にそれをみながら説明した方が早いと思うし」

この日の打ち合わせも1時間ぐらいに及び、師匠に宿題を出された形で終わった。このときに依頼されたインジケータは「為替和尚キャンドル」といい、現在でも必ず利用しているインジケータだ。

 

このときの師匠が何を考えて、こんなインジケータの依頼をした真意が
つかめなかったが、これが後々大きな意味を持ってくるのである。

適切なアウトプットが思考を整理するコツダヨ!

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この記事に対するコメント

6 件のコメント

  • 吉田(同姓です^^)
    2013/04/06 06:54

    はじめてコメントいたします。
    興味深く拝見させていただいてます。

    私も完全自動のトレードシステムの独自開発を始めて早3年ほど。。。
    (ずっと専念していたわけではないですが)

    ボラを避ける、、やはりぶつかる所は皆さん一緒ですね(笑)
    良さそうなルールが見つかっても別な区間でバックテストすると
    損出しまくったり、、
    そのルールが苦手なチャートパターンをいかにして避けるのか、
    簡単なようでいて非常に難問ですよね。

    ところで、回顧録のような文体になっておりますが、
    現状とのころシステムは運用までたどり着けたのでしょうか??

  • 2013/04/06 16:21

    To 吉田さん(笑)

    あと一歩の所まで来てますけど、まだ運用には至ってませんね。
    今年中には運用にこぎつけられると思ってますけど。
    ある程度ボラが期待できるすべての通貨に対応したシステム
    の構築なので、ほんとうに時間がかかってしょうがないです。

  • 吉田(同姓です^^)
    2013/04/09 22:23

    複数の通貨に対応したシステムですか。。バックテストが大変そうですね。

    余談ですが、私も下の名前が〇〇郎です(笑)
    なおかつ、小~中学校のときにBASIC始めたのがPCデビューでした^^(家にあった親のNEC PC-8001が愛機でした。なつかしい。。)

     FX自動売買に関しては、周りに相談できる知人もなく孤軍奮闘しております(笑)
     またこちらのブログを参考にさせていただきたいと思います。。

  • 2013/04/09 22:39

    バックテストは1回だけですよ。
    パラメータの調整はしませんから。

    吉田が一番はじめて触れたパソコンはPC-6001でした。
    mk2とかSRがつかない無印です。
    Z80 CPUで動いてた時代は懐かしいですね(笑)。

  • 吉田(同姓です^^)
    2013/04/09 23:31

    パラメータの調整が不要とは素晴らしいルールですね^^
    やたらとパラメータがあるものは出来の悪いルールだと思ってます。
    できるだけパラメータも調整も少なくしようとしていますが、完全にゼロにはなかなか出来ていません;;

    とはいえども、数多くの通貨ペアに対応するということは、それだけバックテストも多くなりませんか??

     こちらは遅いパソコンでTickデータ1年分約2千万件を数時間かかって処理している状況でして(笑)

  • 2013/04/10 07:53

    パラメータの調整が必要ということは、それだけ多くのインジケータ、
    オシレータに頼っているということです。
    相場を波として捉えると、基本的にパラメータの調整は不要になります。

    プロトレーダーは、複数通貨のチャートを表示してますが、いちいち
    インジケータのパラメータを通貨ペアごとにいじりません。

    バックテストもさほど多くありません。
    まず、勝てる理屈を作るところが重要ですから。

    むしろ、フォワードの方を重視しています。