あなたは大丈夫? 投資詐欺
先日、ニュースで「温泉権を餌に出資者から70億円をあつめ、集団訴訟に発展した詐欺事件」の報道がされてました。この事件はニュースサイトでは、2012年に扱われてましたから、ネット中心の人には今更って事件でしょうけど。
古いニュースなので一応報道の抜粋を・・・
東京地方裁判所に訴えを起こしたのは、いずれも東京・港区の健康食品などの販売会社「健康医学社」に出資を行っ た、13都道府県の25人です。 訴えによりますと、「会社は『温泉を利用する権利』などに出資すれば年5%程度の配当を支払うと勧誘したのに、約束した支払いを行わず、解約にも応じない」などとして、およそ1億6800万円の賠償を求めています。 原告の弁護士によりますと、出資者は全国で700人に上り、総額でおよそ70億円を集めたとみられていて、今月7 日には一部の出資者が裁判所に破産の申し立てを行っています。
ニュースソース:NHK(2012年)
こういう事件を目にするたびに、「人間はつくづく歴史に学ばない生き物だな」と痛感させられますわ。ここ10年に限定してもどれだけ投資話詐欺があったのか、忘れてるのかなぁ?
- 円天L&G事件(円天というバーチャルマネー)
- 法の華三法行(最高ですかぁ~!)
- 和牛預託商法
- ワールドオーシャンファーム(エビ養殖詐欺)
などなど。検索するとたくさん出てきますよ。
このサイトにまとめてありますね。
http://www.officej1.com/bubble/hookai-16.htm
今回はFXという投資をしているみんなに、儲け話に乗っかって詐欺に遭う人たちからどういう教訓を得ているかというのを題材にしてみたいと思います。
自分のやっていることを理解しているか?
世界一の投資家であるウォーレン・バフェットは言います。
リスクとは、自分が何をやっているのかよくわからないときに起こるものです。
言葉は違うけど金持ち父さんで有名なロバートキヨサキも、投資対象について理解せずに金を出すことのリスクについて説いてますね。
少なくともなにかをはじめるときは、ゲームのルールについて理解すべきですね。また、どういったリスクがありうるか、最悪投資したお金がなくなっても良いか、これは常に考えておくべきものです。
しかし、投資話詐欺にひっかかる人は、なんで基本的なことをおさえておかないのでしょう? ひとつは「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信です。
でも、これはFXにも当てはまるんですよ。
人はなぜ騙されるのか?
先に断っておきますが、これはあくまでも吉田個人の意見です。
騙す方より、騙される方が悪い
商法の中には詐欺とまで行かないまでも、かなりグレーゾーンの営業手法があります。身近な例では、ペニーオークションや、グルーポン、ステマ(ステルスマーケティング)などがありますね。ソーシャルゲーム全般もかなりしょっぱい商売をしてます(コンプガチャとかね)。
被害が出て、実際に騒ぎになるとみんな心のなかで思うでしょう。
こいつらみんなアホやな。なんでこんなのに引っかかるの?
ちょっと考えれば分かりそうなことなのに…
この時はまったく他人ごと。他人ごとだから当たり前だけど(笑)。
でも、共通しているのは…
人よりちょっとでも
得したいという意識
スーパーとかで「特売」ってシールを張って並んでる商品ありますね?
でもそれが本当に得かどうかは、普段の販売価格を知ってないとどのぐらい得したのかわからない。実際は10円も安くないかもしれないのに、「特売だから買わなきゃ!」といらないものまで買ってしまう。
ちょっとでも得したいという意識に、知識不足が加わると簡単に騙されるわけです。金額の過多は別として。
数十億、数百億の詐欺事件にひっかかる人は、どうせ銀行で寝かしていても大した利息もつかないし、老後の蓄えを増やすためにちょっと投資してみようかな? こんなノリで儲け話に乗ってると思います。
儲けたいけど、損をしたくない。
でも、勉強したり労力を割くのは嫌。
こんな自分自身の怠慢や強欲を見事につかれてるわけです。
今回取り上げた事件に共通しているポイントは
- 高配当・高利回りをうたっている
- 元本保証
少なくとも、投資をしようと考えるなら出資法ぐらいは抑えておくべきだし、たぶん契約時の約款などに目を通してもないでしょう。
ちなみに、元本保証や利回りを約束することは出資法違反ですよ。
営業用のパンフレットだけに目を通して、営業マンのいうことだけを100%信じて判断する。「この人は信頼できそうだから、ちょっと契約してみようかな?」と契約する理由をでっち上げて、勝手に納得する。
でも、損した場合のことはまったく頭にない。
配当で何を買おうか? ということだけに気が向く。
投資話とはいえ事業活動です。これから投資しようとしているものがまっとうなものでも、何かの活動を通じてお金を稼ぎ、利益の中から配当金が出るわけです。事業である以上、計画通りに行かないこともあるし、社員の給料、設備や仕入れなど、運転資金に回さないといけないこともあります。
ちょっと考えればわかるけど、なぜ出資を必要としているか?
その人達に商品を売りつけるのではなく「出資」ですよ?
事業資金が必要なら、まず銀行があり、私募債、社債、株式市場(上場企業のみ)、事業提携などがあります。
個人の見ず知らずのおじさんおばさんに、そういう話を持っていくという事自体がおかしいとは思わないのか?
あなたは大丈夫?
FXという投資活動を行なっているあなた自身は大丈夫ですか?
FXの世界も結構流行り廃りが激しくて、MT4業界でも特定の手法、
インジケータが大流行することがあります。
それこそ、無料のものから有料のものまでね。
こういうものをとにかく片っ端から手に入れたがる人の特徴は、コレがあれば勝てるのでは? という強い思い込みです。
でも、表面的な手法や、計算式、テクニカルだけを追い求める人が実に多い。
本当に大事なのは、ベース
になっている考え方
言い方を変えますよ。
なにかを学ぼうと思って、本や商材、セミナーなどに参加しているはずなのに、本やセミナーで語られていることに耳を傾けず、自分の理解できるモノに勝手に置き換えたり、自分が聞きたい答えに持って行こうとする。
だから、オシレータのパラメータを言うと、何故かみんな一斉にメモをとる。答えはそこにはないのに。
この人が使っているテンプレートを使えば勝てる! と思ってる人も同じ。
これって、最初に例に上げた「投資話詐欺にあった人」と同じなんですよ。
FXの世界、相場の世界で「聖杯」を求める行為は、「楽して儲けたいけど、勉強はしたくないって行動」と同じなんです。
なるべく楽して儲けたいっていうのは、誰でも同じです。
吉田もできるだけ楽したい。
でも、誰かに乗っかって楽をできるほど、世の中甘くない。
だから、あとで楽できるように、今苦労する。
誰かに乗っかりたいなら、そういう人と繋がれるように努力する。
最後にウォーレン・バフェットの言葉で締めます。
成功へのかぎは、貪欲なまでに人生において学ぶことを継続すること
吉田さん、こんばんは。
本やセミナーで語られていることを勝手に自分で解釈したり、
これは知ってること、と流してしまったりすることはありますね。
素直に聞いて、そのまま実践してみることは大事なことだと最近特に感じます。