足せば足すほど深みにハマる! トレード蟻地獄

2013/01/15 カテゴリ:自動トレード開発奮戦記
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短期、中期、長期の流れを組み合わせた「パトリオットNeo」は、
トレンドフォローのジレンマを打ち破れるのか?

足せば足すほど深みにハマる! トレード蟻地獄
この問題は、インジケータとローソク足の関係をどう扱うかを、
とことん考えさせられました。

 

「長期トレンドに対して順張り」、「短期トレンドは逆張り気味の順張り」というのが、為替和尚が提唱する最良のエントリー。
タイミングが早すぎれば、エントリー直後に即逆行される。
タイミングが遅すぎれば、獲得できる利益幅が大きく目減りする。


自動だけでなく、裁量トレードにおいても、この問題は難しいものです。
この問題にどう取り組んでいったか?

さぁ、自動トレード開発奮戦記の続編。御開帳。

 

 

第3波をひろえ!

当時の資料を読むと、パトリオットNeo考案時、第1波(ブレイクアウト)と
第3波(押し目)を狙ったシステムであることが分かる。
しかし、基本的に、より勝率の高い「第3波」を狙っていた。


※注意:当時の資料では、「第3波」を「第2波」と記載している

第1波の狙い方

第1波

第1波は、5分MACDのトレンドが転換しそうなポイントで、1分MACDのクロスオーバーが発生したところを、第1波として定義していた。

第3波の狙い方

第3波

第3波は、5分MACDが順方向に向いている時に、1分MACDのクロスオーバーポイントを狙っていた。

インジケータを使った確認

第1波を取れるに越したことはない。これは、吉田も師匠(為替和尚)も同じ思いだった。しかし、第1波をとる場合は、どうしても騙しにあうことを想定してシステムを組む必要がある。

だから、基本線は「第3波」の「押し目」を狙っていた。


エントリールールに則ったインジケータのシグナルを見ながら、
吉田は師匠に報告の一報を入れた。

吉田「DropBoxにパトリオットNeoのシグナルの画像置きましたけど、見てくれました?」
師匠「みたで。第1波とか第2波(第3波のこと)ってフォルダがあるけど、結局どれ見ればいいの?」
吉田「基本は第2波と書かれたフォルダの画像を見てください」
師匠「おお、ええポイントやん。…ん? これはちとちゃうなぁ…」

師匠との会話はいつもこんな調子だった。

なにが間違っているのか、どうやったら問題を解決できるのか?
問題解決の糸口がみえなかった。


ちなみに、当時の記録は次の通り。

ドロップボックスに置かれた画像

足せば足すほど深みにハマる。トレード蟻地獄!

この時の問題点は2つ。

「トレンドの定義を厳格にすればするほど、エントリーが遅れる」
「レンジ相場の騙しをいかに回避するか」

この2つの問題は、裁量トレードでも発生する。これをいかに自動で判断させ、裁かせるかというのは、非常に難しい課題だった。

この時の作業パターンはこうだ。


師匠がトレードルールを考える。吉田がこれを仕様書にまとめた後、インジケータを作る。2人でチャートを確認し、問題点に対する改善策を出す。


そう、目の前のチャートで起きている問題を解決しようとするあまり、どんどんエントリーの精度を高めるという作業をくり返すのだ。

トレンドフォローの
ジレンマそのものである!

多くのEA作者、勝ち切れないトレーダーがやるように、「エントリーが解決すれば万事うまく行く」という考え方は、このトレンドフォローのジレンマを増長させる。


だけど、この問題の最大の問題点は…

当事者は気づかないことだ!

師匠「なんでなんやろ? 裁量ではこのルールいけるのに…」
吉田「うーん、やっぱり、裁量だと、あきらかにボラがないところは、避けるからじゃないですかね?」
師匠「ボラか。競艇場行けばたくさんおるのに。」
吉田「…。そのネタはちょっと高度すぎますよ(笑)。魚のボラは置いときましょう。」
師匠「そうか。ほな、吉田っちはどうしたらええと思う?」
吉田「MACDって、ボラのないときは行ったり来たりするじゃないですか。これにフィルタかけてみましょうか?」
師匠「うーん、とりあえず、やってみる?」

レンジ相場をきちんと処理出来れば、パフォーマンスが出る。
これは、当時の考えである。
吉田は、MACDに対するフィルタのアイディアをひとつ考案した。

レンジをフィルタしてみたが…

MACDフィルタ

MACDのフィルタは、たしかに第1波では効果があった。しかし、第3波以降はあまり効果がなかった。そもそも、トレンドが発生しているわけだから、
フィルタは意味がない。


当時、MACDを利用していた理由はすごく明快だった。
MACDは2本のEMAの差をヒストグラム表示している。
つまり、サブウィンドウに表示されていても、トレンドフォロー系
インジケータを利用していることになる。
師匠は、誰が見ても同じ結果になるものを重視していた。

 

このままでは、埒があかないと考えた師匠は、ひとつの決断を下す。

師匠「あかん。なにか根本的に違ってるで。ちょっと、原点に戻って考えなおすわ。インジケータをいじくりまわしてても、答えはでぇへん。」

これだ! 吉田が「パトリオットシステム」のルールを聞いた時に感じた違和感がこれ。この時、師匠は普段自分がやっている手法とは異なるルールを考案した。


裁量トレードとは異なり、24時間自動で回すなら、すべての波を追いかけたほうがいいという結論だったが、それが本当に正しい判断だったのか、説得力があったぶん判断がつかなかった。しかし、師匠の決断は

インジケータを組み合わせて、調整したトレードルールとの決別

だったといえる。

ここからが、為替和尚の真骨頂である。

客観的な検証が一番の近道ってことダネ

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この記事に対するコメント

2 件のコメント

  • りんたつ
    2013/01/22 10:30

    内田さんのサイトから本ブログに誘われました。
    読んでいてわくわくしますね。
    少し前にMT4でプログラムを作っていました。なかなかうまくいかず
    途中でやめてしまった経験があります。
    続きをぜひ読みたいです。よろしくお願いします。

  • 2013/01/22 10:44

    りんたつさん、コメントありがとうございます~
    MT4でインジケータとかを作るまでは、結構行けるんですよ。
    でも、自動トレードとなると…。

    これからも応援してくださいね!