足せば足すほど深みにハマる! トレード蟻地獄
短期、中期、長期の流れを組み合わせた「パトリオットNeo」は、
トレンドフォローのジレンマを打ち破れるのか?
この問題は、インジケータとローソク足の関係をどう扱うかを、
とことん考えさせられました。
「長期トレンドに対して順張り」、「短期トレンドは逆張り気味の順張り」というのが、為替和尚が提唱する最良のエントリー。
タイミングが早すぎれば、エントリー直後に即逆行される。
タイミングが遅すぎれば、獲得できる利益幅が大きく目減りする。
自動だけでなく、裁量トレードにおいても、この問題は難しいものです。
この問題にどう取り組んでいったか?
さぁ、自動トレード開発奮戦記の続編。御開帳。
第3波をひろえ!
当時の資料を読むと、パトリオットNeo考案時、第1波(ブレイクアウト)と
第3波(押し目)を狙ったシステムであることが分かる。
しかし、基本的に、より勝率の高い「第3波」を狙っていた。
※注意:当時の資料では、「第3波」を「第2波」と記載している
第1波の狙い方
第1波は、5分MACDのトレンドが転換しそうなポイントで、1分MACDのクロスオーバーが発生したところを、第1波として定義していた。
第3波の狙い方
第3波は、5分MACDが順方向に向いている時に、1分MACDのクロスオーバーポイントを狙っていた。
インジケータを使った確認
第1波を取れるに越したことはない。これは、吉田も師匠(為替和尚)も同じ思いだった。しかし、第1波をとる場合は、どうしても騙しにあうことを想定してシステムを組む必要がある。
だから、基本線は「第3波」の「押し目」を狙っていた。
エントリールールに則ったインジケータのシグナルを見ながら、
吉田は師匠に報告の一報を入れた。
吉田「DropBoxにパトリオットNeoのシグナルの画像置きましたけど、見てくれました?」
師匠「みたで。第1波とか第2波(第3波のこと)ってフォルダがあるけど、結局どれ見ればいいの?」
吉田「基本は第2波と書かれたフォルダの画像を見てください」
師匠「おお、ええポイントやん。…ん? これはちとちゃうなぁ…」
師匠との会話はいつもこんな調子だった。
なにが間違っているのか、どうやったら問題を解決できるのか?
問題解決の糸口がみえなかった。
ちなみに、当時の記録は次の通り。
足せば足すほど深みにハマる。トレード蟻地獄!
この時の問題点は2つ。
「トレンドの定義を厳格にすればするほど、エントリーが遅れる」
「レンジ相場の騙しをいかに回避するか」
この2つの問題は、裁量トレードでも発生する。これをいかに自動で判断させ、裁かせるかというのは、非常に難しい課題だった。
この時の作業パターンはこうだ。
師匠がトレードルールを考える。吉田がこれを仕様書にまとめた後、インジケータを作る。2人でチャートを確認し、問題点に対する改善策を出す。
そう、目の前のチャートで起きている問題を解決しようとするあまり、どんどんエントリーの精度を高めるという作業をくり返すのだ。
トレンドフォローの
ジレンマそのものである!
多くのEA作者、勝ち切れないトレーダーがやるように、「エントリーが解決すれば万事うまく行く」という考え方は、このトレンドフォローのジレンマを増長させる。
だけど、この問題の最大の問題点は…
当事者は気づかないことだ!
師匠「なんでなんやろ? 裁量ではこのルールいけるのに…」
吉田「うーん、やっぱり、裁量だと、あきらかにボラがないところは、避けるからじゃないですかね?」
師匠「ボラか。競艇場行けばたくさんおるのに。」
吉田「…。そのネタはちょっと高度すぎますよ(笑)。魚のボラは置いときましょう。」
師匠「そうか。ほな、吉田っちはどうしたらええと思う?」
吉田「MACDって、ボラのないときは行ったり来たりするじゃないですか。これにフィルタかけてみましょうか?」
師匠「うーん、とりあえず、やってみる?」
レンジ相場をきちんと処理出来れば、パフォーマンスが出る。
これは、当時の考えである。
吉田は、MACDに対するフィルタのアイディアをひとつ考案した。
レンジをフィルタしてみたが…
MACDのフィルタは、たしかに第1波では効果があった。しかし、第3波以降はあまり効果がなかった。そもそも、トレンドが発生しているわけだから、
フィルタは意味がない。
当時、MACDを利用していた理由はすごく明快だった。
MACDは2本のEMAの差をヒストグラム表示している。
つまり、サブウィンドウに表示されていても、トレンドフォロー系
インジケータを利用していることになる。
師匠は、誰が見ても同じ結果になるものを重視していた。
このままでは、埒があかないと考えた師匠は、ひとつの決断を下す。
師匠「あかん。なにか根本的に違ってるで。ちょっと、原点に戻って考えなおすわ。インジケータをいじくりまわしてても、答えはでぇへん。」
これだ! 吉田が「パトリオットシステム」のルールを聞いた時に感じた違和感がこれ。この時、師匠は普段自分がやっている手法とは異なるルールを考案した。
裁量トレードとは異なり、24時間自動で回すなら、すべての波を追いかけたほうがいいという結論だったが、それが本当に正しい判断だったのか、説得力があったぶん判断がつかなかった。しかし、師匠の決断は
インジケータを組み合わせて、調整したトレードルールとの決別
だったといえる。
ここからが、為替和尚の真骨頂である。
内田さんのサイトから本ブログに誘われました。
読んでいてわくわくしますね。
少し前にMT4でプログラムを作っていました。なかなかうまくいかず
途中でやめてしまった経験があります。
続きをぜひ読みたいです。よろしくお願いします。