自動売買開発が裁量トレードを強くする5つの理由

2013/01/08 カテゴリ:機械と人間の差
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今日はちょっと視点を変えた記事書きますね。

自動売買開発が裁量トレードを強くする5つの理由

ウチのブログは、「プロトレーダーの思考を完全に機械に落とし込んだ
自動トレードシステム開発」がメインテーマなんだけど、
その過程を記事にしてみんなに読んでもらうことは、裁量トレーダーにも
いい影響があるんですよ。

 

吉田と師匠(為替和尚)は、2009年6月から自動トレードシステム開発
に着手し、もう4年半も経ってる。
いくつか記事にしてるけど、システム開発はほんとうに大変!


でも、その過程でいろいろわかったことがあります。
それが今日の記事のメインテーマ「自動トレードシステム開発が裁量トレードを強くする5つの理由」なんです。

 

裁量トレードを強くする5つの理由

(1) だれでも勝てると統計的に証明されたルール

自動トレード、つまり機械にトレードさせるってことは、厳格なルールを
作らないといけない。機械がプロフィットを出せるということは、その
ルールを使えば、だれでも勝てるということ。


つまり、手法やトレードルールだけが純粋に評価される。

なにがエッジになっているかが
明確になる

(2) 機会損失がない

FXは24時間マーケットが開いてる。


ということは、あなたが寝ている時も遊んでる時も、仕事している時も
めし食ってる時も常にマーケットは動いているわけです。

 

よく、「祭りが終わった後」って表現しますが、ちょっと目をはなした隙
にドカンと大きなトレンドが発生してる事ないですか?
こういうのがなくなります。

 

これって、利益だけでなく、逆に損失を被ることもあるわけです。
たまたま、やらなくてよかった相場で、祭りの後に胸を撫で下ろすっていうのは、単なる運ですよ。完成されたトレードルールなら、イレギュラーなことに対してもリスクを最小に抑えられないとだめです。

(3) 相場の本質にせまる

機械にトレードさせるってことは、あいまいさをなくすってことです。
「なんとなく」とか、「そんな気がしたから」という要素を排除して、
きちんと相場に向き合わないと答えは出ないんです。


つまり、

  • トレンドってなんだろう?
  • レンジ相場の定義は?
  • ボラティリティってなんだろう?
  • リスクリワードレシオの意味するところは?
  • キレイなチャートパターンとは?
  • 汚いチャートパターンとは?
  • 適切な資金管理とは?
  • リスクを限定することの意味は?

こういうことに、嫌でも向き合わないといけないんです。

相場のことを人に明確に
説明できるようになる

という事ですね。

(4)バイアスがかからない

勝ち組トレーダーは、トレードする前にシナリオを組みます。

例えば、ずっと下げ相場が続いているから、そろそろ調整が入りそうだが、この節を越えて落ちるなら、まだまだ下落傾向になるだろう

こんな感じのシナリオです。エントリーポイントでは、その時その時の流れに合わせて判断するけど、シナリオを作っておくと、利食いや損切りがより適切にできるようになります。

 

しかし、人間は感情の生き物なので、シナリオが崩れたとしても、それを認めないことがあるんです。

負けがこんで熱くなってる時です

トレードには、感情を入れてはいけないとよく言われています。
でも、損失が出ている時って、結構難しいんですよね。

自動トレードだと、そもそも機械には感情がないので、バイアスがかかることはありません。その代わり、シナリオも組まないので、それに変わるエッジをきちんと作る必要がありますけど。

(5)初心者が陥りやすい罠が明確になる

「自動トレード開発奮戦記」を読んでもらえればわかりますが、システムを
作っていく過程で、ボクラもいろいろ罠に落ちているんです。


最近記事に取り上げたのが「トレンドフォローのジレンマ」ってやつです。
簡単に説明すると…

「この部分が取りたいなぁ」
「ここのエントリーおかしいな」

といった感じに、目の前のチャートパターンにルールをあわせていってしまう行為を「トレンドフォローのジレンマ」と呼びます。

その他にもありますが、これは後々記事にしていきますね。

まとめ

自動トレードシステム開発を通じてわかることはたくさんあります。

でも、一番大事なのは…

根底の考え方を理解する

FXをはじめとする相場の世界、投資の世界は、手法やらルールにばかり目が行きますが、一番大事なのは「勝てる考え方」をすることです。

その考え方に客観的に気づかせてくれたのが、「自動トレードシステム開発」なんです。

 

裁量トレードを専門にしている人は、ウチのブログをそういう観点で見てみてくださいね。

どういう風に考えるかって大事なことダヨ。
ボクらの世界では設計思想っていうんだけどネ。

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この記事に対するコメント

2 件のコメント

  • 2013/01/09 08:22

    はじめまして
    いつも楽しみに拝見させていただいています。

    私は、システムと裁量、テクニカルとファンダを織り交ぜたトレーディングを行っていますが、完全自動システムトレードには興味があります。ただひとつだけ、吉田さんの意見が聞きたいと思ったことがありましたのでコメントさせていただきました。

    私個人的な意見としては、「完全なシステムは存在しない」と今のところ思っていて、その理由は、トレードを行うのはマシーンだけれどもそのお金は人間のもの、だからです。マシーンのお金をマシーンが運用する分にはいいと思うのですが、その運用益をチェックするのは人間ですし、いつか引き出して使うのも人間ですから、システム自体が機能しても、システムトレーダーが機能しきれない部分が出てくると思います。「システムは感情を排除する」利点はかなり享受できますが、完璧に感情を排除することはできないだろう、つまりその時点でシステムは機能していない、ということになるのではないか、と思います。結局、「稼ぐ為の」という目的であれば、この部分は避けては通れない課題だと思います。なので、私はシステム+裁量という概念で、システムがシグナルオンであっても裁量がオフなら入らない、システムも裁量も完璧に重なることは稀ですが、両方がシグナルオンに近づいたときに入るようになりました。私の勝手な疑問だったのですが、もしも機会があれば吉田さんのご意見をお聞かせ願いたいと思いました。
    いつも面白くて興味のそそる記事を読ませていただいて感謝しています。ポチさせていただきます。

  • 2013/01/09 12:56

    FUJIさん、コメントありがとうございます~!
    なかなかいい質問ですね(池上彰風)!

    結論から言うと、自動で運用していても人間のメンタルや裁量が必ず
    入ります。

    これは吉田自身の経験からもモノを言いますが、たとえ買っていても、
    負けていてもそこに動いているのがリアルマネーである限り、人間には
    ある感情が働きます。

    それは「恐怖」と「欲」です。
    記事が一本かけるほどのネタなので、さらっと書きますが、自動で運用
    していてもこれら2つの感情のため、システムを人間の手で止めたり
    しちゃいます。これはある種裁量トレードのS/LとT/Pと同じようなモノ
    です。

    だから、吉田と師匠は、自分たちが納得できるもの以外は信用してないのです。

    吉田が言っている完全自動とは、シグナルON/OFFレベルの話ではないことは
    理解してくださいね。エントリーはあくまでも一部だけです。

    FUJIさんにご質問いただいたネタで、今度一本記事を書かせてもらいます。
    今後ともヨロシクお願いします。