プロフィットが出ない!! 終わりなき犯人探し
24時間稼働する自動トレード用のシステム「パトリオット」
このルールをつくった経緯については「意思疎通に必要な条件は?」
を読んでください。
で、細かいルールは「トレンドフォローの落とし穴」参照。
師匠である為替和尚は、スキャルピングの達人だ。
吉田も横でトレードをするところを何度も見ているけど、まず下手を打つことはない。1回1回のエントリーでミスがあっても、最終的にプラスに持っていく技量がある。
でも、最初に作った自動トレード用ルールは、スキャルピングではなく、どちらかと言えばデイトレード。24時間稼働するシステム向けに、波の流れを全て取るという発想から来ている。
この発想自体は悪くないのだけど、お互いの意思疎通が不十分で、自動トレードそのものを勘違いしていた吉田と師匠は、自動トレードシステム開発を甘く見てました。
チャートを見ながら作ったルールは、「これならイケルだろ」と思ってたけど、フタを開けてみると全然イケてない。
プロフィットが出ないんです。
そして、そこから終わりなき犯人探しの旅が始まります。
P.F.0.6
あかん、吉田っち、これなにか間違ってない?
「パトリオットシステム」のEAのP.F.(プロフィットファクター)を
見た師匠の第一声だった。
「ルール通り作ってますよ」と吉田は返したが、吉田には
なぜプロフィットが出ないのか、理由がわかっていた。
吉田は、エントリーポイントの確認用に作ったインジケータをチャート
に表示させ、その画像を師匠に見せた。
なんやこれ? ぜんぜん入ったらあかんところで、入ってるやん!
パトリオットシステムの問題点は「トレンドフォローの落とし穴」でも示したが、トレンドが発生するポイントでは、ルールはきちんとワークするものの、レンジ相場やトレンドが不定の場所ではシグナルの発生が遅すぎたり、ど底値やど天井でシグナルが出ていることだった。
裁量トレードでは絶対にエントリーしないポイントなのに、自動トレードのルールではエントリーしてしまう。
師匠「なんで、こんなポイントでシグナルでるんや?」
吉田「でも、ここの条件見てください。ちゃんとルールの条件が揃ってるでしょ?」
師匠「ほんまや…」 (納得しない様子)
師匠「でも、こんな移動平均線が横横になってるポイントでは、俺もよう打たんで!」
師匠の言い分はよくわかっていた。納得しない師匠に対し、吉田はいった。
機械は作ったとおりにしか
動かないんですよ
プロトレーダーのスコトーマ(盲点)
今の師匠と吉田は、互いの意思疎通はほぼ完璧にとれている。
しかし、2010年当時の2人の間には、大きな溝があった。
あくまでもプログラマの視点(機械より)で話をする吉田と、
プロトレーダーの視点で話をする師匠
どちらも、間違ってはいないが、吉田は師匠に対して「相場の数値化」の話をくり返ししていた。師匠はこれに対し、「数値化=インジケータのパラメータ」として話をしていた。
これは、今日、師匠が当時のことをふり返っていったセリフだ。だが、2人の認識に大きなギャップがあることに気付けなかった。
大事なことはパラメータのような数値ではなく、「いかに相場で起こっている現象を数値化し、処理するか?」ということだ。
この時の師匠はプロトレーダーのスコトーマ(心理的な盲点)に陥っていた
と思う。トレーダーはチャートを面で捉える。
だから、流れを見て、エントリー条件が揃っていても、エントリーを
見送ったり、エントリールールを切り替えることがある。
プロにしてみれば、チャートのその部分を読み取っているのは、
当たり前という発想だ。
だが、はじめから全てがルールに盛り込まれていないと、機械に実践させるのは無理というのが吉田の考えである。
為替和尚の考え方、トレード手法を完璧に身につけ、教えることが出来るレベルまで到達した今なら当時の問題点を指摘できるが、当時はなぜ負けているのかがよく分からなかった。
チャート上のエントリーポイントでは、きちんと条件通りにそろう。
でも、シグナルにすると、余計なノイズをひろって、変なポイントで
エントリーする。
この問題は、長らく吉田と師匠を苦しめた。
この時、紹介者の「ともワン」が、QQEなど別のインジケータの使用を薦めてきた。ともワンは勉強家で、投資苑をはじめとするパンローリング社の糞高い相場の本を隈なく読んでいた。
それでトレードが強くなれるかは
まったくの別問題
だが、いろいろとチャート上で検討した結果、トレンドの流れをより明確に定義すべきだという結論に至った。
短中長の流れを追う
師匠は、トレンドの流れをより明確にするため、短期、中期、長期の流れにあわせたMACDと、移動平均線の組み合わせたルールを提案してきた。
このシステムを「パトリオットシステムNeo」という。
細かいルールをここで話しても意味は無いので、その発想をまとめる
と次のとおり。
- 5分の流れを想定したMACDの方向性をメイントレンドとする
- 1分のMACDはタイミングを取るのに利用
- 中期の流れとして、移動平均線を加える
- メイントレンドに対する押し目をひろうのが最大の目的
メイントレンドに対して、押しと戻りを取るのは、
為替和尚のトレードルールの根幹といって良い。
また、トレンドを移動平均線を使って定義するのは、誰もがやっている。
これならイケル!
誰もがそう思った。
だが、これが新たな袋小路の入り口であることは、誰も知る余地がなかった。
この記事、凄くわかり易いです!
自分もEAを作っており、吉田さんが今日書かれているポイントで躓いております^^;
自分の経験談ですが、プロの方たちはチャートを図形で捕らえている…
骨董品を扱うプロが、本物を毛の先まで徹底的に頭に叩き込んで偽者を見破る、それらと同じと考えています^^
これをロボに理解させる事の難しさ…
それを一歩づつ進めて行っているなんて凄いです^^