為替和尚が「プロ」をなのる理由
師匠(為替和尚)と初めて会ったのは、2009年6月の名古屋。
師匠は「自分のロジックを自動化できないか?」という悩みを抱え、
吉田は「きちんとしたFXの理論を教わりたい」という悩みを抱えてた。
こんな悩みを抱えた2人が、ひょんなことからパートナーとなり、4年以上も自動トレードシステムの開発に打ち込んでるわけです!
和尚はこの時点で、プロトレーダーとして成功しており、他のトレーダーよりも自分のエントリー根拠を明確に説明できる人でした。裁量トレーダーですけど、かなりシステムトレーダーよりの考え方をしている人だったのです。
でも、吉田が「この人と一緒にやる」と決意したのは、
他の人と決定的な違い
があったから! その決定的な違いとは?
すべてはここから始まった
2009年5月末。友人の「LP」さんと「ともワン」さんの紹介で、師匠とスカイプで初会合を済ませた。
「実際に会って話をしてみよう!」ということで、6月に中間地点である「名古屋」に集まることにした(吉田は東京、師匠は大阪在住)。
2009年6月後半の週末。梅雨の時期に入っていたため、この日も雨が降っていた。待ち合わせ場所には、LPさん、ともワンさん、その他名古屋在住の友人らが集まっていた。
師匠は車で来るので、到着はあと30分後という事だった。
この日の師匠は真っ白なスーツに、グラサンというどう見ても「現役の方」といういでたちで現れた。ビシッとした格好はこの時だけで、すぐにいつもの戦闘服(ジンベエ)に着替えてしまった。
挨拶もそこそこに、師匠は手慣れた様子でプロジェクターをセットすると、MT4のチャートを表示させて、自分のトレードルールの説明をはじめた。
この時の最大の目的は顔合わせだが、師匠のロジックが「プログラマの視点で自動トレードシステムとして成立するか?」 を判断することも含まれていたので、ビデオカメラを持ち込みで撮影をはじめた。
(ちなみに、今回はビデオからのキャプチャです)
1分足でタイミングを取り、5分足の流れについていく。おなじみの手法はこの時から変わらない。当時のチャートは、現在のチャートより複雑だったという違いだけだ。
チャートを使った説明は30分におよんだ。明確なエントリー根拠、事例ごとの判断の仕方などを師匠は細かく説明した。これなら、ルールも明確なので、自動トレード向きだと吉田は判断した。
ルールの根拠がより明確という以外は、他のトレーダーの視点とあまり大きな違いはない。
しかし、師匠が休憩中にタバコを吸いながら言った何気ない一言が、度肝を抜かれた。
ボクは基本的に負けないです!
「はっ?! 何を根拠に?」吉田はすぐに思った。
師匠は、丁寧ではあるが、はっきりと力強い口調で、相当な自信をうかがわせた。
単に「自信過剰な人の寝言」であれば、為替和尚@FX寺子屋というサイトも立ち上がらなかったし、一緒にトレードシステムの開発をすることもなかっただろう。
ボクは負けません!
自分に自信のある人でも、こうはっきり言い切る人はなかなかいない。
休憩が終わると、師匠はホワイトボードに図を書きながら、負けない理由の説明をはじめた。
エントリーに失敗しても、挟み込んで(両建て)まず損失を固定させる。
その後、長い時間軸で押し目になりそうなポイントで外し、損失を半分に減らす。
だから、ボクは失敗トレードしても負けへんで!
サバキという玉操作のやり方だった。
エントリーを語る人は多い。でも、失敗した時の損失の逃し方を語ったのは師匠が初めてだった。
仮に勝率が7割だったとしても、損を半分に減らせれば、勝率はアップする。だから、俺は負けないんや
現在は「プランB」と呼んでいる損失をいかに減らすかというシナリオである。リスクコントロールといえば、損切りくらいしか耳にしてないこの時期、深く納得させられた。
師匠は雑談を交えながら、人に説明出来るだけの明確なエントリー根拠はもちろんだが、一番大事なのは失敗した時のプランだと語ってくれた。
吉田も勝負の世界に身を置いていた人間なので、いかに損失を小さくするかという発想には共感を覚えた。
プランBの考え方は、セミナー屋には出来ない発想で、実際にトレードの現場で生き残るために編み出された技術である。師匠(為替和尚)は
本物のプロトレーダー
だと実感させられた瞬間であった。
実際のトレードでも、いかに損失を抑えるかというのは、最重要課題である。師匠は、会ったその日にそのことの重要性を、他のトレーダーが口にしない手法で言ってのけた。
「損失を抑える技術」というのは、まさに相場で生き残っていくための術であり、プロとして備えていなければいけない資質である。
この名古屋での会合を皮切りに、「プロトレーダーの思考を完全に機械に落とし込んだ自動トレードシステム」の開発がスタートするのである。
「為替和尚さん、凄い」の一言です。
凄い方は、互いに引き寄せあうんですね。