いくら賭ける? 君のポジションサイズは適切か?

2013/08/25 カテゴリ:投資の基本
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いくら賭ける? あなたの賭け金は適切か?

相場にかぎらず、ギャンブルの世界でも「賭け金」は大切だ。
ギャンブルの賭け金に相当するのが「ポジションサイズ」


しかし、ギャンブルにおける「賭け金」と、相場の世界の「ポジションサイズ」はちょっと違う。競馬をふくめたほとんどのギャンブルは、賭け金以上の損失は出ないけど、相場の世界では賭け金を決めただけでは、リスクもリターンも決まらない。


相場の世界に長いこといる人は、適切なポジションサイズが見えているかもしれないけど、理屈で説明できる人は以外に少ない。


こんな人が回りにいないだろうか?

自己資金は50万円しかないけど、○○円以上稼ぎたいから
1ロットで勝負しますよ

これが一番やったらアカンパターンですね。
ポジションサイズを決めるのは、自分の都合ではなく、きちんと理屈に基づくものでなければなりません。あなたは、それを人に説明できますか?

 

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ポジションサイズの解釈間違ってますよ!

単純にポジションサイズ(ロットサイズ)というけど、相場の世界においては単なる賭け金ではなく、「許容量」と捉えたほうがしっくり来ます。

  • 10万通貨(1ロット)が基準
  • ポジションサイズが上がると、必要証拠金が増える
  • ポジションサイズが上がると、1pipsの損益が増える

ほとんどの場合、「1pipsの損益の増減」ばかりに目が行き、ポジションサイズが保つ本来の意味を忘れてしまいます。ポジションサイズを大きくすると、1pipsの損益も増える=賭け金ととらえてしまうと、ひとつ破滅への道を踏み出したことになります


こういう理解の上で、リスク管理に移るとさらに深みにハマります。
リスク管理といえば、「ポジションサイズは、自己資金の3-5%以内に収まるようにすること」という謳い文句を目にしたことがあると思います。


ポジションサイズ=賭け金という誤った理解の上に、上記のリスク管理の文句を当てはめるとさらに泥沼にハマります。


なぜか? 「自己資金の3-5%以内に収まるようにする」というリスク管理の謳い文句自体に誤りがあるためです。

ええっ! でも、FXの参考書
には必ず書いてあるぞ!

と言う向きもあるかもしれませんが、理由は後で説明するので一旦、「許容量」に話を戻しますよ。


ポジションサイズ=許容量という考え方ですが、これには2つの側面があります。ひとつは、「心理的許容量」。もうひとつが「資金的許容量」です。

 

ポジションサイズが変わると何が変わる?

2つの許容量について説明する前に、ポジションサイズが変わるとどんなことが起きるかをまとめておきます。

(1)必要な証拠金が増える

FXは外国為替証拠金取引の略です。口座に100万円しか入ってなくても、実際にはレバレッジを効かせて、1億円の取引をしていることもあるのです。
この時、業者に一時的に預けるお金が証拠金。
証拠金は賭け金とは違って、10万円の証拠金が決済後にまるまる消えるわけではありません。あくまでも、預けているだけなので、決済後は自分の口座に戻ってきます。ここが賭け金との最大の違いです。

証拠金≠賭け金

(2)1pipsの価値が変わる

1ロットのポジションをもつと、だいたい1pips=1000円ぐらいになります。もちろん、通貨ペアにもよりますけどね。いくらになるかはその時のドル円のレートと、取引している通貨ペアによって変わります。0.1ロットなら1pips=100円ぐらいです。


pipsのもつ価値が変わるのは、ポジションサイズによって取引している通貨量が変わるためです。1ロットは10万通貨。ドル円の場合は、1ロットで10万通貨=10万ドル(約1000万円)の取引となります。


賭け金の場合は、オッズ2.0倍に100円はれば、払戻しは200円です。だから、1000円はれば払戻しは2000円と、かけたお金との関係が明確につかめます。

ポジションサイズが変化することで、1pipsの価値が変わるのは、取引資金量が変わるためです。

賭け金×10 ≠ ロットサイズ×10

さて、この2つの原則をもとに、心理的許容量と資金的許容量について説明していきましょう!

心理的許容量と資金的許容量とは?

心理的許容量とは?

心理的許容量をひとことで説明するなら…

ポジションサイズの変化による金銭的な変化を、
あなたの心が受け止められるか?

例えば、普段1ロットで取引をしていた人が、ちょっと調子に乗って10ロット(100枚張り)をしたとします。


ロットサイズが変わったので、まず証拠金が10倍になります。
ポジションを持ったときに「証拠金維持率が大きく変わる」わけです。
場合によっては意識してなかった、証拠金維持率の数字がプレッシャーになるかもしれません。


また、1pipsの価値が変わるので、スプレッドや手数料が大きくなります。最初にポジションを持ったときに表示される損益の金額が大きくなります。


損金がでかくなります。10pipsで損切りした場合、10ロットなら10万円の損失になります。利益は大きいほうが嬉しいので、心理的な負担になるのは損金の方です。


単純に数字がロットサイズに応じて変化しただけでも、そこで動いているのが「あなたのお金」である以上、これらはプレッシャーとしてのしかかってきます。心理的許容量とは…

平常心でトレードできるポジションサイズ=心理的許容量

資金的許容量とは?

資金的許容量は、文字通り「あなたの資金に対する損失及び証拠金の許容量」です。
ポジションサイズを上げると、必要証拠金が増えます。損が出た時の金額も増えます。証拠金取引は業者によって異なりますが、証拠金維持率を適正値に保たないと、マージンコールや強制ロスカットが入ります。マージンコールがかかった状態でトレードするのはどう考えても無謀です。

損失額も大きくなるため、連敗すると次の勝負をするための種銭(自己資金)がなくなってしまうかもしれません。


当たり前のことですが、1回のトレードで儲ける金額が増えるということは、それ以上の損失を被る可能性が上がるということです。

ポジションサイズとリスク管理

ポジションサイズが上がることで、心理的にも資金的にも負担が増えることは理解してもらえましたね?


では、適切なポジションサイズとはなにか?

心理的許容量は、徐々にポジションサイズをあげることで、慣れていくので、急激な変動を避ければ済みます。なにより、1回のトレードで10万円の損失が出ても飲み込めるだけの資金があれば、心理的許容量はあがります。


つまり、資金的許容量が一番の問題になります。
ここで、「自己資金の3-5%以内に収めるべき」というセオリーもからめて、資金的許容量の影響する要素を説明します。


資金的許容量は、単純に証拠金だけでなく、あなたのトレードスタイル、勝率、リスクリワード、戦略などすべてを考慮しないといけません。
すべてのケースを説明するのはさすがに無理なので、単純なスキャルピングを例にして説明しますね。

  • 勝率は7割。
  • リスクリワードは1:1
  • 1回のトレードあたりの平均獲得pipsは、5pips
  • 1回のトレードあたりの平均損失pipsは、5pips
  • ナンピンはしない
  • ポジションサイズは常に一定 (追い上げはしない)

ごく平凡な例です。上記の例の場合、勝率が7割なら10回トレードすると、10回×0.7×5pips=35pips獲得、損失は10回×0.3×5pips=15pips。差し引き収支は、35-15pips=20pipsです。


このケースで資金的許容量として考慮すべきなのは、1回のトレードの時の必要証拠金と、1回あたりの平均損失である5pipsを金額に換算したお金の合計が、自己資金に占める割合です。単純に考えても、勝率が7割なので3回連続で負けても次のトレードが出来るだけの資金が残っている必要があります。


つまり、最も単純なケースでは、勝率から考えうる連敗数を計算し、連敗時に被る最大ドローダウン+1トレードあたりの証拠金が、自己資金に対してどれだけ上回っているかが、「資金的許容量」になります。


これにナンピンや追い上げ(ピラミッティング)が入ってくると、さらに複雑になります。ざっくし、単純に表現すると…

資金的許容量=自己資金>
(最大ドローダウン+必要証拠金)

ということです。
単純にポジションサイズは、自己資金の3-5%に収まるように計算するなんて言えるものじゃないですね(笑)。
ポジションサイズは、自分の戦略、トレードスタイル、成績に照らして資金的許容量を考慮して決めなければなりません。

身の丈にあったトレードをしましょうってことダヨ

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この記事に対するコメント

6 件のコメント

  • まつもと
    2013/08/26 12:16

    色々と書籍を読みかじりましたが、吉田さんがお書きになった様なポジションサイズの例は初めてです!(◎_◎;)

    ニワカ丸出しの自分が恥ずかしいです〜(#^.^#)

  • 2013/08/30 11:44

    まつもとさん、いつもコメントありがとう!
    書籍の内容の方が正しいかもしれませんよ。
    この記事の考え方はあくまでも、吉田の考えです。

    この記事が刺激になって、いろいろと考えるきっかけに
    なってくれれば幸いです。

  • 吉田(同姓です^^)
    2013/09/01 07:57

    >勝率が7割なので3回連続で負けても次のトレードが出来るだけの資金が

    勝率70%だと、5回トレードして5連敗する確率・・0.243% 約411回に一回。。一日10回トレードした場合、約205日に一回で発生。。。
     3連敗に耐えられるような想定だと年に1回は飛ぶ危険。。なんて計算をしてしまいました(笑) チキンなので^^

    勝率から考えうる連敗数、、、(一日10回×年200日トレードの場合)
    6連敗 4年に一度
    7連敗 16年に一度
    8連敗 60年に一度
    9連敗 228年に一度
    10連敗 846年に一度

    どこで線引きするか悩みますね^^ 6~7連敗まで想定するのが普通かもしれませんが、1000年に一度のことを言い出すと10連敗まで想定しないとかもしれません(笑)

     まあ、なにごともギリギリは良くないし、全て正確に計算できるわけでもないので余裕が大事ですね^^ 資金も心も。

     細かい点で恐縮ですが、
    「連敗時に被る最大ドローダウン+1トレードあたりの証拠金が、自己資金に対してどれだけ上回っているかが、「資金的許容量」になります。」

    というところですが、

    「自己資金が、連敗時に被る最大ドローダウン+1トレードあたりの証拠金に対してどれだけ上回っているかが、「資金的許容量」になります。」

    の誤記かと思います。。 読んでいてちょっと気づいたので一応^^

    いろいろと考えるきっかけにさせて頂いています^^

  • 2013/09/01 08:31

    この記事の例だと連敗が最大のリスクですね。
    損切り幅を固定した場合ですけど。
    ここでのポイントは、連敗をした後の勝ち分で盛り返せるか
    ということも考慮する必要があります。

    現実問題、勝ちだけ、負けだけのトレードは存在しづらいので。

    これを1回毎のトレードで、複利をかけたりすると肝心の
    リスク管理が破綻します。

  • 吉田(同姓です^^)
    2013/09/01 08:50

    >これを1回毎のトレードで、複利をかけたりすると肝心の
    リスク管理が破綻します。

    まさにそうですね^^
     FXの本の中には、「一日数%の利益でも複利でやれば×年後に●倍に!」なんて書いてあるのもありますけど、複利でロット数増やしていけばほぼ100%飛びますからね(笑)

  • 2013/09/01 16:02

    複利はすごい発明だと思いますけど、それだけ大きな玉が通らなくなりますし、相場の世界で利用しづらいかな。

    複利云々を語っている商材、書籍はデモトレード以外したことがないのかもしれないですね。まず、本数が通らないですから。

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