奮戦記:流れを読みきれ!

2013/07/07 カテゴリ:自動トレード開発奮戦記
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前回のあらすじ(ヨコの流れを読み取れ!)

師匠の為替和尚より、「押し目、ドテン、レンジブレイク」と3種類のチャートパターンを切り抜くことを宿題に出された吉田は、2日かけてそれぞれのチャートの切り抜きを行った。

各戦局ごとのチャートを切り抜いてはみたものの、あとから見ればそれぞれの戦局が定義できるがチャートの右端で判断できるかといえば、難しかった。


人間はチャートを面でとらえ、機械は点でとらえるという
特性の差を改めて認識させられた形だった。

そんな時、師匠から1通のメールが届いた。


「FXを極めた感じ♪ 川の流れに身を任せて。
一子相伝の無想転生、奥義を極めたで!」

とだけ書かれたメールは謎めいていた。

「FXを極めた感じ」。
その他の文面の意味はわからなくても、冒頭の言葉がもつ意味は重い。
そして、川の流れと、無想転生。この2つの単語に込められた意味は?

 

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川の流れに身を任せて…

謎めいたメールが送られてから数日後。
吉田はいつもの様に師匠と電話会議を行った。

吉田「この間のメール、なんですか? 意味がよくわからないんですけど…」
師匠「FXを極めたで! 結局、川の流れに身を任せる。無想転生や!」
吉田「それが意味わからんです! 無想転生って北斗の拳ですか?」
師匠「せや。一子相伝の奥義を極めたものだけが使える、究極奥義や!」
吉田「……。それがFXとなにか関係あるんですか?」
師匠「ちょっとチャート開いてもらえるか? 1分足で。
それでこのインジケータを放り込んで、そや、それ。パラメータは……」

 

師匠はMT4のチャートを広げると、インジケータをほうりこんで、
パラメータを設定し始めた。

 

師匠「これ見てくれるか?」
吉田「EUR/USDの1分足チャートですね。紫の線はボリバンの2σと3σですよね? となると、真ん中の太い線はボリバンのミドルバンド?」
師匠「SMAのパラメータは100に設定してある」
吉田「なんでSMAを100にしてあるんですか?」
師匠「普通ボリバンのミドルライン(SMA)のパラメータは20か21やろ?
それを5倍したから100なんや」
吉田「5倍? 5倍の根拠は?」
師匠「わからんか? 1分足のボリバンのミドルバンドはSMA 20や。それを5倍にすると5分足のミドルバンドになる。もちろん、細かい誤差はあるけど、かまへん」
吉田「SMA100に設定したボリバンを表示させているということは、1分足に5分足のボリバンを表示させているのと同じってことですね?」
師匠「そうそう。これまでSMAのパラメータといえば、65とかを使ってきたけど、あれは中長期の流れを見るために、1分足をベースにしたパラメータを入れただけやった。でも、チャートを見ながら改めて思ったのは、俺が見てる流れはあくまでも5分足だってことや」
吉田「5分足…。まぁ出会った時から、5分足で流れを見てましたね。
と言うことは、トレンドも5分の流れに従うってことですか?」
師匠「そうや。パラメータは俺が見ているチャートに合わせこまな。」
吉田「うーん、確かにその通りですね。これからは5分足をすべての基準に持ってくればいいってことですか?」


師匠「そう。で、次に発見したのがこれや。川の流れ。無想転生」
吉田「あ、それ! メールでも意味がわからなかったんですけど」

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※クリックで拡大


師匠「ええか、吉田っち、チャートを見ながら説明するな?
はい、ここでローソク足が-2σにタッチしました。ちょうど1時間の安値もおる。そこから跳ね返されて今度は+2σにタッチしました。ここにも1時間の高値がおる。」
吉田「逆張りルール?」
師匠「逆張りってわけじゃなく、流れに従ってるだけやで。それから+2σに跳ね返されてミドルバンドも抜けて何度か-3σにタッチしてから、ミドルまで押し戻される。そのあとどうなってる?」
吉田「ミドルに跳ね返されてまた下がってますね」
師匠「これや! 最初はトレンドが発生してないから、ミドルバンドは横向き。こからはSMA100より下にローソク足がおって、ボリバンも広がりながらミドルバンドも下向き出した。つまり、流れは下に変わった」
吉田「はい、見ればわかります」
師匠「ショート(売り)のポイントは、次に跳ね返されるここや!」


吉田「うーん、川の流れとの関連が見えませんけど」
師匠「川の流れは例え。ボリバンのσラインやミドルラインが流れを変えるポイントで、ローソク足はその中を流れる水をイメージするんや」
吉田「たしかに、そういう見方をすると、何かに跳ね返りながら逆サイドを目指しているように見えますね」
師匠「相場っていうのはメイントレンドがある。それが俺の場合は5分の流れ。そして、エントリーするタイミングは、闇雲に何もないところで入っとるわけやなく、それまでの流れが崩れるポイントで打ち込んでいるっと事に気がついたんや。それが川の流れってこと」
吉田「なるほどねぇ。そういう見方か。で、無想転生の方は?」
師匠「ケンシロウがラオウと戦ったときに使ったやろ。
相手の攻撃を受け流す技。あれや!」
吉田「抽象的なものを2つもくっつけないでください!」

入ってみなければチャートの右端で判断できない

吉田はチャートをさかのぼって、師匠に教わった見方でチェックしていった。確かに、川の流れのように、ボリバンのσバンドとミドルバンドに反発しながらローソク足が移動しているようにみえた。


吉田はメモ用紙を取り出し、気づいたことをメモした。

メモ用紙に書かれていたことは、次の2つだ。

  • レンジ相場の時は、ミドルバンドがほぼ横に走り、ローソク足はσからミドルラインに向かう。
  • トレンド相場の時は、ミドルラインからの跳ね返りが狙い目

メモを取りながら吉田は考えた。
これは右端で判断できるのだろうか?

吉田「師匠! ちょっと疑問に思ったことがあるんですけど、その前に無想転生の考え方をどうトレードに活かすかを教えてもらえますか?」
師匠「まず、メイントレンドが5分ってことに気づいたわけやから、SMA100より上のときは上しか攻めない。
逆にSMA100より下の時は下しか攻めない」
吉田「ヨコヨコのときは?」
師匠「レンジと判断して見送る」


吉田「エントリーは?」
師匠「まず、流れを見てローソク足がSMA100より下なら、-2σ、-3σから跳ね返ってくることを確認する。そして、ミドルラインにタッチして、1本前のローソク足の安値を抜けたらショートエントリー」
吉田「バンドウォークしてる時は?」
師匠「2σ、3σにタッチした足の最安値を抜けたら追撃やな。
これは押し目を拾わなあかんで!」
吉田「押し目拾うの難しくないですか?」
師匠「俺だったら、ここで打ち込むけど。なんとか拾われへんの?」
吉田「検討課題ですね…」

 

売り買い両サイドのエントリーポイントの説明を受けたあと、
しばし考えながら、師匠に疑問点をぶつけた。


吉田「これって、チャートの右端で判断出来ますかね?」
師匠「ネックラインを定義してもらう必要が有るやろな。
ここを抜けたら買いっ! 売りっ!ってポイントや」
吉田「ネックライン?」

thumb1 奮戦記:流れを読みきれ!

※クリックで拡大。


師匠「例えば、買いの場合はここや。この丸したところ」
吉田「トレンドの終わりだった場合は?」
師匠「そんなん、入ってみてからやないと判断つかへんで。入ってみてアカンかったら切る。終わったチャートなら、トレンドの終わりもわかるんやけど、どこまで上がるか、どこまで下がるかそれこそ神の味噌汁(神のみぞ知る)や(笑)」

確かに終わったチャートなら、トレンドの転換点も終焉もレンジのポイントもすべてわかる。その先がどうなるかなんてわからない。


だから、右端で判断するには結局、そこを超えたら売り買いポジションをもつところを決めてエントリーして見るより他はないのだ

 

師匠は「吉田っち、今回の考え方に基づいて、ネックラインの定義をしてもらいたいんやけどできる?」と聞いてきた。確かに打ち込むべきポイントは分かったし、入ってみなければわからないのも事実。
出来るか? と聞かれたが、やるより他はないのだ。


吉田は「ちょっと時間をください」とだけ答えてその日の会議を終えた。


師匠の意味不明なメールで何を見つけたかは分かった。
そして、チャートの右端で判断するということは、結局、打ち込んでみないことにはなにも答えが出ないのだということも理解した。


電話会議のあと、しばらくチャートを眺めていた吉田は一言つぶやいた。

結局、ヨコの流れを読み取る必要があるな

誰も未来を予知できないってことダヨ!

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この記事に対するコメント

7 件のコメント

  • まつもと
    2013/07/08 19:10

    アタァ! ポチッ!

    (今回かなり笑ってしまいました^^)

  • りんたつ
    2013/07/09 15:01

    今回の記事は私にとって大変役立ちます。
    慎重にエントリーするロジックだとどうしても利益幅が小さく
    なるので、条件固めて入るべきポイントをできるだけ早くして、違ったらすばやく切ることが重要ですね。

  • 2013/07/10 08:45

    まつもとさん
    そんな北斗の拳もすでに古典ですね(笑)。

    りんたつさん
    先のことはわからない。結局入ってみなければわからないというのが
    現在の我々の見解です!

  • 吉田
    2013/08/15 11:24

    なるほど。 「川の流れ」とはそういうことだったんですね。

    ただ、どんなルールでも不得手な状況があるので、それをどう回避していくのかという課題はついて回りますね。。
     
    ラインにタッチ と言っても、ほんのわずか超えただけでタッチと判断するのか、数本ラインと交差してから離れたのをタッチとするのか、などいろいろありますが、感度と精度がトレードオフになるという課題も他のルールと同様に直面する問題だと思います。

    「打ち込んでみないことにはなにも答えが出ない」 まさにそうですね^
     ついこの前、値動きをDB化して検索する手法を思いついたので単純な形式でやってみたのですが、やはり入ってみないと分からない、という点で問題にぶつかったので取り合えず寝かせることにしました^^
     具体的にいうと、値動きがほぼ一致する部分を抽出してもその後の動き方が異なり、仮に過去に利益が取れたパターンと同じような値動きを検知しても、ダマシで逆に行くこともあるし利益になることもあるし、多くの「必勝チャートパターン」の類と同じような末路となりました(笑)
     ただ、単純な値動きのDB化ではなく、節との位置関係、他の時間足/ペアの動きなども絡めてDB化するとどうなるか、という方向は残っているので今後の研究課題としました。

    それにしても数年前のことなのに詳細に覚えていてブログにまとめられるのはすごいですね^^ 打ち合わせの議事録的なものをつけていたのでしょうか??

  • 2013/08/16 19:20

    どんなルールでも100%はありえない。
    だから、師匠がいうように、アカンかったときにどうするかをキチンと決めておくことが大事です。

    吉田はフリーランスになった時から、毎週のタスクの記録をとってます。会話の細かい内容までは記録してませんが、どの時期にどんな活動をしていたかはすべてデータにあるので。

    また、試行錯誤のメモも残っているので、それなりに正確に書けてます。

  • 西村健
    2015/09/27 17:59

    「川の流れに身を任せ・・・」名セリフとともに、チャートを読み解く深遠なる極意を表現して下さいました。為替和尚さまの真髄の吐露とともに吉田様の表現、記録書肆能力には、心底より感嘆いたした次第であり、このプロジェクトを推進されるに至った心意気には、どれだけ感激を抱いたことか、感謝の念でいっぱいであります。
    といいながら、この点にかんしまして、ひとつお伺いさせていただきたいことがあります。それは、「川の流れに身を任せ・・・」るエントリーポイントについて、このような典型的な「レンジブレイク」の場面は、どの程度の頻度で出現となるものでしょうか。機械化して待ち受けするのならばよろしいでしょうが、裁量でひたすら出現を待ちうける人にとりましては、ただただ待ちの一手、ということになるのでしょうか。
    ところで、今回のような長編記録を、全体読ませていただいた感想を、この個別のコメント欄に書き送ることが妥当なのか、既に本欄の掲示から時間が経過しておりますので、疑問を抱きつつコメントしておりますが・・・
    いずれにせよ、この素晴らしい「自動取引システム化」のプロジェクトは、すでに完成しているものでしょうか。あるいは、完成までには至らずとも、
    一部の機能を搭載したプレバージョンとして提供されているものでしょうか。そこらへんにつきまして御教示をいただけませんか。
    なお、ごくつまらない事柄なのですが、吉田様が諸処で使用されております「煮詰まる」という表現にかんして、ひとこと申し述べます。「煮詰まる」とは、料理が完成に至るという意味です。例えばイモ煮を鍋に仕込んで、煮詰めてまいりますと、やがて「煮詰まり」出来あがるということです。ですから、貴殿が用いられるべきコトバとしましては、「煮詰まる」というところを「行き詰まる」と替えて表現なさるのがよいのではないでしょうか。末節のいらざることを申しあげ、すみませんでした。

  • 2015/09/28 12:17

    「川の流れに身を任せ」というのは師匠の表現ですが、トレンドに逆らわずに乗るという意味です。では、「レンジブレイク」はどうか? その場合にはまず前提として、どの局面をレンジとして認識するかという問から始まります。これについては、ブログを丁寧に読み解いていけば、答えに近づけると思います。

    あと、出現頻度については、知りません。
    それはマーケットが決めることであり、自分ではコントロール出来ないためです。特にドル円相場などは、外的な要因で大きく動く時期があるので、レンジと認識する相場の出現頻度は下がります。ユロドルはそれに対して発生頻度は多いようですが。いずれにせよ、自分が何分足のチャートを見ているかで、レンジと判断するかの基準が大きく変わるので、頻度そのものを論じるのは意味がありません。

    >裁量でひたすら出現を待ちうける人にとりましては、ただただ待ちの一手、ということになるのでしょうか

    ということですが、レンジブレイクだけに狙いを定めるのなら、条件がそろうまで待つしか無いでしょう。でも、レンジでないなら動きがあるということなので、目の前の相場に身を委ねるだけです。

    煮詰まるについてはご指摘ありがとうございます。
    吉田は言葉というのは使われていくうちに変化していくものだと思っていますので、昔正しい言葉でも、別の意味で使われていくものだと考えています。本来の意味とは異なる「ホームページ」も今ではすっかりウェブサイトを指す言葉として定着していますね。これと同じです。

    ちなみに
    http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/167588/m0u/
    とあるので、あながち間違いではないと思います。

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