過保護、放任主義? あなたはどっち?

2013/01/19 カテゴリ:メンタル
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

clock-73398_1280

先日、とてもいい質問をいただきました。

「自動売買開発が裁量トレードを強くする5つの理由」参照

マシーンのお金をマシーンが運用する分にはいいと思うのですが、
その運用益をチェックするのは人間ですし、いつか引き出して使うのも
人間ですから、システム自体が機能しても、システムトレーダーが
機能しきれない部分が出てくると思います。
「システムは感情を排除する」利点はかなり享受できますが、完璧に感情を排除することはできないだろう、つまりその時点でシステムは
機能していない


「自動トレード(自動売買)はメンタルが弱い人向け」という見方が一般的
だよね。確かに、機械なら利食いや損切りもきっちりルール通りにやって
くれるし、途中でルールをねじ曲げることがない。
というか、プログラム通りにしか動かないから、
ルールはねじ曲げようがない。

 

きちんとルール通りにトレードしてくれるなら、メンタルはいらないよね?
でも、ホントのところどうなんだろ?
みなさん答えはわかりますか?


結論からいうと、「自動トレードでもメンタルは必要です!」
その理由を説明しますね。

 

■自動トレードにメンタルが必要な理由

最初にいっておくと、機械は作った通りにしか動きません!
想定外の動きをするのであれば、それは「バグ」ってるってこと。
わかりやすい例がこれ。

http://youtu.be/jv0yvQX8Lno


昔懐かしのドンキーコングというゲーム。本来はマリオをハシゴで
上らせないといけないところだけど、動画の13秒位のところに注目!
なんと、ハシゴを登らずに下って、いきなりクリアしてるでしょ?
(ちなみにはしごの横から飛び降りてクリアする人は、だいぶオヤジ世代です)
バグっていうのは「制作者の意図しない動き」を指します。
バグのない自動トレードシステムは、制作者があらかじめ決めた通りのルールで動くので、黙っていても事前に設計したパフォーマンスは出るわけです。


裁量トレーダーが負ける理由のひとつに「事前に決めたルールを守らない」
というのがありますね?
それが自動トレードの場合は皆無なわけです。


ただしそれは…

あなたがシステムに干渉しない

という条件を満たせばの話です。

■あなたがシステムに干渉する

ほっとけば勝てるのに、なんでいじる必要があるの?
バカなの?死ぬの?

と思うかもしれないけど、いじっちゃうんですよ、これが。
どういうときにいじるか(システムに干渉する)?

(1)大きく勝ち越したとき

たとえば、朝目が覚めて自動トレードの画面を見たら、大きな利益が出てるとします。しかし、まだポジションをクローズしたわけではなく、「含み益」の状態。


これから、東京時間でボラがなくなるし、だいぶアップトレンドが継続したからもう落ちてくるかもしれない。
とにかく、「目の前の利益をなくしたくない」から、手動で利確しちゃう。
そのあと、爆伸びして「ああ、もっと持ってればよかった!」と、自動トレードなのに、裁量トレードみたいな反省しちゃったりする。

 

(2)予期せぬドローダウン

ドローダウンなんて誰も予期してないけど、自動トレードシステムと、
ドローダウンは切っても切れない間柄なんですよ。
なにせ、機械が24時間トレードするものだから、

この時間に、チャート見てたら絶対負けてたな

って時間やチャートパターンでも、きちんとトレードしちゃう。

 
最大ドローダウンが限定されているシステムでも、相場によっては
連続で何日も負けることがある。
そうすると、「この相場の流れにはあってない」とか、「連続3回負けたら自動を一時停止しよう」とか余計なことを考えてしまう。すると…


気がつくと、システムを
停止してしまう

つまり、勝っても負けてもシステムに干渉しちゃうのが、
人間の性なんですよ。

システムを100%信じてない

バックテストでよい結果が出ていて、フォワードテストも上々。
なのに、勝っても負けてもシステムに干渉してしまう。
その理由は「あなたがシステムを100%信じてないから」 

(1)理屈がわからない

市販の自動トレードシステムやレンタルのシステムの場合、そもそも
どういう「理屈」で売買しているかもわからない。
ブラックボックスなので、半信半疑。

(2)統計数値が信用できない

市販EAの中には過度なカーブフィッティングをしているものもあります。
売る側の方便なんでしょうけど、カーブフィッティングをやりすぎて事前に
公表している数字がでないことがあるため、一度「ギャップ」を感じると、
数字自体を信じなくなります。

(3)リスクが不明

最大連敗数、1回のトレードで被る最大ドローダウンが不明の場合が多いです。怖いのが無限ナンピン系。資金が続くうちはいいけど、ショートすると
一発退場の可能性がありますね。
必要な資金量が不明なケースもあります。

 
システムが想定しているレバレッジ、必要証拠金、最大ポジション数がわからないと、不適切なポジションサイズを設定して、途中で資金ショートを起こす可能性があります。

 
それ以外に、「リーマンショック」、「ギリシャショック」、あるいは「為替介入」や「指標発表」みたいなイベントのとき。
こういうイベントで正常に動作するかどうかが不明だと、かなりこっぴどく
やられる可能性があります。
特に、逆張り系はイベントがあると、かなり地獄をみますね。

 

自動トレードでもプロスペクト理論が生きている

自動トレードでも人が運用するため、

プロスペクト理論

に支配されてるってことです。つまり、

  • 損は回避したい
  • 利は早く食いたい


参照:「あなたが勝てない理由。プロスペクト理論の罠」


プロスペクト理論の支配はかなり強力なので、自動トレードであっても、
この呪縛から逃れるのはかなり難しい。
それに加えて、あなたが「100%システムを信じてない」となると、
自動トレードの画面を見るたびにちょっかいを出したくなるはずです!


まずは、あなたが自動トレードシステムを信頼することが肝心ですよ。
そのためには、

  • きちんと売買の理屈を理解する
  • 自分自身で信用できる統計数字をだす(検証)
  • リスクを理解する


上記が大事。世の中には100%安全といえるシステムはないんです。
だから、それを運用する人間が、システムがやってくれる部分をきちん
と理解し、システムが不得手とする部分は人間がカバーする必要があります。


それはむやみやたらと、システムに干渉することじゃないですよ?
あなたが、ルールをきちんときめて、運用するということです。


恐怖や欲にかられて、行き当たり
ばったりで、システムに干渉
することじゃないんです!

ボクラは作ったとおりにしか動けないヨ。
だから、作った人が信用できるかで判断して。

ブログランキング

この記事に対するコメント

2 件のコメント

  • 2013/01/19 18:06

    私の質問を大ボリュームの記事にしてくださりありがとうございます。
    読ませていただきながら、

    ・私自身の検証が不十分ではないか?
    ・そのシステム設定(最初のアイデアの段階)自体に疑問があったのではないか?
    ・正しく検証されていただろうか?

    の3つの疑問が湧き、どの質問に対しても自信を持ってYESと答えられませんでした。つまり、やるべきことはまだまだある、ということを吉田さまにグイっと背中を押していただいたような気持ちです。ありがとうございます。

    と同時に、ひとつの気づきもありました。

    ドル円主体で長年やってきた私ですが、現在新しい通貨ペア(ユーロドル)を検証しています。その中で、裁量とシステムのジレンマがあったわけですが、今までのようにシステムに裁量を後付けするのではなく、裁量をシステム化してみてはどうだろうか?という気持ちになりました。それは、まさに為替和尚さんが吉田様に依頼している内容そのものだと気づかされたのです。
    とは言ったものの、単なるアイデアの段階ですので、まだまだ紆余曲折はあるかと思います。

    吉田様に気づかせていただいて感謝しています。
    ありがとうございます。

    PS:記事の内容からだけでなく、行間からも多くのヒントが隠されていて、読み応えあります。有料にならないことを祈ります(笑)

  • 2013/01/20 09:29

    ブログは無料ですよ(笑)。

    トレードルールを作る時ですが、チャートを見ながら裁量を足したり、
    ルールを付け加えていくとどうしても「トレンドフォローのジレンマ」に
    陥ります。

    まず、紙の上で理屈を構築し、それを裁量で検証し、いけると踏んだら
    システム化するのが一番正解に近いと思います。

    あとひとつ訂正ですが、師匠が吉田に依頼しているのではなく、一緒に
    開発していますので。プログラムにするのは吉田ですけど。

コメントを残す